中編6
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エミノロ

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ある日のこと、Tに誘われ一軒の店に訪れた。

そこは、見た目からは喫茶店のようなもので、店の中には何人かのお客さんがいた。

外見こそ木造築で2階建て、外で食事するようなスペースはなく、あるのは怪しげな看板が掲げられていることだった。

「T、ここの店は有名なん?」

「そうや、個々の裏メニューはめっちゃうまい! だから、君にも味わってほしいと思ったんや」

Tが誘った理由はここの裏メニューに関係していることだったらしい。

Tは昔から、あらゆる店に赴いては裏の裏メニューを探っていた。

それは、Tが幼いころに食した裏メニューがあまりにも絶品でお花畑、みんなが喜ぶ素顔、天高く飛び回っているなど、そんな風景や感触が味わえたとTが言っていた。

Tは、もう一度その味を知りたくて、いろんな店に行っては探しているのである。

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「失礼します、2名です!」

ピースサインで2名だとアピールした。出てきた店員はなんだかやる気がない女性だった。

見た目からしてだらしない服装、髪はボサボサ、目の下にはクマがある。少し不気味に感じた。

「よし! 成功だな」

Tはそのように呟いた。

僕はその意味をまだ理解できなかった。

窓側の席に着くなり、店員に注文した。

「コーラとコーヒーね」

店員は意味が分からなそうな顔をした。

もう一度同じものを頼んでみると、店員は「そんなメニューはありませんので、今持ってくるからそこにおれ!」と、明らかに上から目線で睨みつけながら言ってきた。

Tはニヤニヤしながら言った。

「普通のメニューじゃないと分かっていたんだよねえ、独特のメニュー…う~ん、味わいたいねえ」

僕は、なんだかいつものTに見えなかった。

「ほれ持ってきた。さっさと見て注文しろよゲスども」

明らかに悪口だ。

ぼくらに何か恨みでもあるのだろうか。まあ、注文すれば早いとこ立ち去れると思い、早々にメニューの中から注文する。

そのメニューになんだか、へんな感じがした。

以下メニューにあった名前(解読できた)もの

・モクゾウセイゾウ

 新鮮な木のような味を締め出すは、人を狂わせる

・ヒトノコウウン

 人から奪った幸運は、自身に幸せが訪れると思うか

・ゼッサンセカイ

 この味を知ってしまえば、この味以外のものは絶対に味わえない

・エミノロ

 当店のおススメジュース。一度は味わってください。

と、あったがどれも説明だけでは、なにが入っているのかわからない。

「はい、ゼッサンセカイをください」

Tが手を上げて注文をした。

「早いな」

「さあ、早く決めろ」

ぼくは、メニューを見ても説明だけではなんだか嫌な気がした。最後の方にあったエミノロを注文した。

店員は、さっさと奥の店に行き、調理場の中へ入っていった。

ぼくは、この店のあやしさにすこし嫌な気がした。そのことをTに報告しようとしたが、Tがせっかく誘った店だ。一度は味わったこともあるから、この店に連れてきたのだろう。

「なんで、ゼッサンセカイを頼まなかったの!」

不機嫌そうに、ぼくに尋ねた。

「いや、なんだか不気味に見えてね、今度来たときにTと同じものを頼むよ」

そう伝えると、Tはさらに不機嫌になりながらも、ゼッピンセカイの味を解説してくれた。

10分ほど時間が絶ったのだろうか、しかし、他の客お客さんはずっと席に座ったまま。

手を動かしている様子もない。食事している食器・汁・声がしない。

「T、この店って…」

ぼくが尋ねようとしたときに、店員が奥から注文した品物を持って、ぼくらの席に運んできた。

「はい、当店自慢んの味ゼッピンセカイと、雑魚のお客様の用のエミノロです。ゆっくりして行けよ」

ぼくに睨みながら、店員はそそくさに店の奥へ行ってしまった。

届いた料理は、なんだかすごい悪臭を放った。その悪臭の先はゼッピンセカイと呼ばれるものだった。地球のような形状をした丸い物体の上に細かく丁寧に1センチほどのサイズの人間の模型が置かれている。

Tがヨダレを垂らしながら、ナイフで地球を中心から切り裂くと、ドバーと赤い液体のようなものが豪快にTの頭部から腹にかけて飛び散る。異様な光景だった。

Tは、そんなのをお構いなく、それを口にする。

「うまい、最高だ」と、褒めながら口の中に入れていく。

だけど、臭いは最悪だ。たとえ、鼻を詰めても喉の奥へ入り込まれたら、胃の中にあるものすべてを戻してしまうほどの悪臭だ。とてもじゃないが、口の中に入れているTにこの世のものとは思えなくなってきた。

Tが夢中で食べる中、ぼくも小腹がすき、目の前にあったエミノロに手をつける。エミノロ自体には不思議と味がしない。アイスのように冷たく、ぼくの舌に触れては、泡のように消えていく魔訶の不思議な触感。

だが、味はない。

このようなものはいったい、どうやって作っているのか興味がわく一方で、Tが食べているようなものから見て、あまり見たくもない気がしてならない。

そうこうしているうちにTもぼくもたらい上げてしまった。

食べた気がしない。

でも、Tは満足だ。

服や顔にはべったりと赤い液体が付着していながらも。

「絶品だった、お花畑が見えた最高だった!」

と、褒めていたTに、少し近寄りにくかった。

早速お会計に向かおうと、店員を呼びつけるが、店員は出てこない。隣にいたTが言ってきた。

「あ、この店は全部食べれば、無料になるから」

と、教えてくれた。

しかし、そんなわけにはいかないと思い、店員を呼びつけるも、出てこない。

「……」

誰も出てこない。おかしいなと思い、店の奥へ入ろうとした矢先に、信じられないものを見た。

他の席に座っていた人が人ではなくマネキン。そして、目の前にあった備え付けられた料理には、どれも黒く濁り、中にはカビが生えているものもあった。

ハエが飛び回っている。

「うぐ」

戻しそうになった。そこにTが引き止める。

「戻したら、代金がとられるぞ! 君が頼んだのは俺よりも高価だ、戻したら戻したらで大変だぞ!」

と、ぼくの右肩に手を置きながらそう伝えてくれたTに感謝し、戻すのを必死にこらえた。

そうこうしているうちに、店員が出てくることもなく、その店から去った。

「不気味な店だった、もうあの場所には近寄りたくないな」

「いやいや、あそこほど絶品はないよ、今度こそもう一度行きたいなあ」

嬉しそうにニヤニヤと笑みを浮かべるT。ぼくは、しばらくの間はTと行動しづらくなったこともあり、しばらくの間、Tとは別行動をとった。

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個人的にあの店について調べた。

だけど、あの店についてはどこにも誰にも聞いても、知らないと返された。

Tに訊いてみても、「夢じゃない」と、返されてしまう。

Tは、あれ以降、絶品料理を食べてみたいということはなくなった。そのため、仲を解消し、一緒にいるようになった。

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ある日の夕暮れに、Tがあることを口に出した。

「この前、言っていた店のこと、本当は知っていたんだ」

「え?」

「あの店は、いや、あの屋敷には近寄らない方がいいと悟った」

「は? はい?」

「確かに、絶品だった。俺の舌を覆すほどに、でも、君が見せてくれた光景で目が覚めたよ、もうあの店に近寄りたくないって」

Tがとんでもないことを教えてくれた。

しかし、正直に教えてくれたのはぼくはうれしかった。

「なら、あの場所のこと、あの店のこと知っている?」

「ああ、知っているよ、僕なりにあの店のことを調べたんだ、あるのはマネキンの倉庫だけだ」

マネキンの倉庫? え? 喫茶店は?

「もう、思い出さない方がいい、いや忘れてしまったほうがいい、あれは見てはいけなかったのかもしれないかった」

Tが口をモゴモゴとしながら、必死に伝えた。

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それは、あの店はもしかしたら存在してないのではと、いったものだった。

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オチがあれば面白かったやろな
正体を出さないと
怖さがないまま終わった

意味が分からないし何が怖いのかも分からない。
文章力が無さすぎる。