中編3
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残滓

私は所謂「酷道」や廃道を探索するのが好きだ

そういう場所は霊的な事は拔きに危険である箇所も多いのであるからネット上で検索し、地図を見ながら下調べして出かける際は充分な準備をして出かける。

酷道というのはその名の通り国道指定を受けているが道が荒れていたり、そもそも車が通るような道で無いような、安全な通行には厳しい場所を指す

廃道というのはその名の通り、より立派で便利な道路の開通等で使わなくなった道だ、今回の話はそんな廃道を探索していた際に遭遇したものである。

20XX年 初夏 某県某所

「いやあ、暑いなあ」

夏にはまだもう少しあるが茹だるような暑さだ、湿気はないのがせめてもの救いだが...

「旧○○村の○○...この辺りだな...あった!」

この日の一番の目的の廃道を見つけた私は立ち入り禁止のロープを無視して乗り越え、その奥へ奥へと歩を進める

「しっかし荒れてんなあ...ま、廃道だしこんなもんか...」

基本的に廃道というのは放置されて草木がそれはもう好き放題に生い茂っている、人間が使う事はもうないからだ

「お...開けた...あれ?こんなとこに神社が...地図にはなかったよな...?」

携帯を取り出して地図を確認しようとするが圏外になっている

一応持ってきていた紙の地図を確認するとやはり神社等はない、恐らく来た道を下ったとこにある大きな神社の分社か何かだろうと思い、特に気にも留めず一応御参りしてまた歩き出した

「急に開けたな、まあ歩くには楽だけど...あれ?俺どっちから来たっけ...やべ...」

何も見ずここまで進んできて帰り道を見失ってしまったようだ

更に困った事に携帯のコンパス機能があっても来た方角がわからない、地図に来た道を記しておけばよかったと後悔したが

そんな事は今更無意味なので適当に歩いて、一か八か人のいる場所へ出ようと再び歩を進めた

「あー...警察呼ぶにも電話ないし...勝手に廃道入っちゃって怒られるだろうしなあ...」

そうして獨りごち乍らしばらく歩いているとちゃんとした道路が見えてきた、廃道に入る前に炉端に停めた車もある

取り急ぎ車に乗るとネットに投稿する用の今回の廃道探索の成果を纏めたメモを書く

「萌える草木、小さな神社、神社周辺以外は管理形跡なし...と」

思い起こせばあの神社周辺には1本だけ細い道があった、恐らくあれが周辺の集落に通じていて住民はあの道から神社へ来るのだろう

メモを纏めると私はすぐに山道を下り帰路に着いた

「やっと下りてきたなあ、ちょっと混んできてるな」

山道を下りきって街中の渋滞を抜け高速に乗るいつも通りのルートだ

学生時代は自転車で彼方此方走り回っていたせいか普通の道はよく覚えている

因みに先程見つけた神社はカーナビにも登録されていなかった

そして帰宅して風呂に入って夕飯を食べ床に就いた

-----------------------戻...s...k....-------------------------

「朝か...( ̄□ヾ)ファ~、しかし変な夢見たな」

妙に現実感のある長い夢だった

夢の中で私はあの神社にいた、そこで誰かに会った気がするが思い出せない

そして私は顔を洗おうと洗面所に行った、顔を洗い終えふと鏡を見ると

私の顔が変わっていた、否、私の顔である事には間違いないのだが何かが違う、雰囲氣とかそういうものが前日までの私とは全く違っているのだ

「ネット上で話題の異世界へ来たとかいうやつか?」

そう思ったが世界は私のよく知るそれだ、社員証も免許証も保険証もそのままだ

原因があるとすれば...

「彼処か...」

そうとしか思えない、私はもう一度彼の地へ赴いてみる事にした。

続く

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