長編9
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友達の彼女

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私が学生時代に体験した話です。心霊現象でもなく、不思議なというより不気味だった話です。

あまり、恐くないかもしれませんがご了承ください。

私は20歳の時専門学校に通っていました。もう、親からお小遣いをもらう年でも

ありませんし、バイトを始める事にしました。実家が都内近郊だったので、専門学校からの

帰りすがらにあるファミレスの面接を受けました。オープニングスタッフで大量募集ということで、

採用され働くことになりました。

オープニングスタッフとあって、接客業の経験者はいましたが皆が初めてのお店なので

研修やOJTを通して、バイト仲間同士仲良くなってきました。最初は仕事だけで話していた子とも

プライベートで遊ぶようになりました。

Tくん、Yくん、Hくん、Kちゃん、Sちゃん、この5人は年が近いこともあり

皆でドライブに行ったり、バイトあがりでだべって朝まで話していたこともありました。

そのうち、Tくんとはお付き合いするようになり二人で遊びに行くことも増えました。

二人で遊ぶようになってからは、皆で遊ぶことも少なくなってきたので、同じくパートナー持ちの

YくんとYくん彼女と私たちでダブルデートをしないかという話になりました。しかし、Yくんは

少し曇った顔になり…Y:「彼女、すごい人見知りでそういうの無理かもしれない。」というので

4人だったら少人数だし一応聞いてみてくれないかと頼んでみました。

数日、たったある日私の携帯にYくんからメールが届きました。内容は

Y:『こないだのこと彼女に聞いてみた、やっぱ打ち解けられるか不安らしくて…最初、メールで交流をしてみたいと言っているだけどW(私のことです)相手にしてやってくれないかな…?』という内容のものでした。

いまどき、しおらしくて大人しい彼女だなあ…くらいにしかその時は思わず人との交流が好きな私は二つ返事で

私:『うん!いいよー!彼女さんに私のメアド教えて送ってもらっていいかな?』と

返信しました。数分もたたず、Yくんからメールが届き

Y:『うちの彼女、友達少ないから友達になってやって(笑)』という内容に私はいいカップルだなぁ

皆で早く遊びに行きたいな~みたいなことしか考えてませんでした。

その日も次の日もメールはきませんでした。

まぁ、大学生だし色々忙しいんだろうなぁ、と思う程度で向こうからのリアクションを待っていました。

Yくんとのやりとりから3日後、知らないメールアドレスから着信が、すぐさまYくんの彼女だと

思ってメールをひらきました。

?:『Wさん、こんにちは。初めまして。Yからお話は聞いていると思いますが、Yとお付き合いを

しているRと申します。メールが遅くなってごめんなさい。初めての人にどんな内容を打てば

わからなかったので色々考えてました。あまり、面白くない人間ですが仲良くしてくれると

嬉しいです。よろしくお願いします。R』

あまりにもかしこまったメールで、とても同い年に向けて送るような感じではなかったので

結構大雑把な私で大丈夫かな?と不安になりながらも返信しました。

私:『初めまして!!Yくんから話は聞いてます!いつものろけられてます(笑)年も近いし

よかったらタメ口で話しましょう。メールの文面からきちんとした人だなぁというのが

伝わってきます!私も見習わなければ^^;これからもよろしくね!』

なんせ、初めての相手なので私も少しかしこまって、でも、相手の緊張をほぐすように

極力くだけた感じで返しました。数分後。

R:『Wさんは優しそうな人で安心しました。こちらこそよろしくお願いします!』

と、元気な返事が帰ってきて、私たちのメル友はスタートしました。

Rちゃんと私は毎日、メールをやりとりするようになり段々とメール内では打ち解けてきました。

メールの内容はというと、今日は学校で何があった、Yくんとデートした、など

他愛のない内容でしたが、話し言葉もフランクになり仲良くなってきているのを感じていました。

そこで、数週間メールでやりとりをして仲良くなってきたところでダブルデートの話を

持ち出してみました。メールでは冗談を言い合えるくらい仲良くなってきているし、

そろそろ顔合わせしてもいいんじゃないかと思っていたのでOKが出るだろうとふんでいました。

ところが、ダブルデートのメールを送ってからいつもだったら即!くらいの勢いで返信が

来るのに、いくら待っても返信が来ませんでした。夜も遅かったのでもしかして眠くなって

落ちちゃったかな?くらいに思って気にせず私もその日はメールをそれ以上送りませんでした。

翌日、朝起きて携帯に着信のあるランプが点灯していたので、何気なく携帯をあけてみたところ…

メール13件

私:「えっ?」思わず声が出るくらい、ビックリしました。私も友達は多くはない方でしたので

一日来ても2~3通、彼氏のTくんか学校の友人くらいで、他にメールを送ってくるとすれば…。

とりあえず、メールを開いてみてみる事に受信BOXの中には…

0:15 Tくん

0:32 Rちゃん

0:45 Rちゃん

1:02 Rちゃん

1:20 Rちゃん

1:48 Rちゃん

2:07 Rちゃん

2:11 Rちゃん

2:36 Rちゃん

3:01 Rちゃん

3:23 Rちゃん

3:58 Rちゃん

4:06 Rちゃん

あけた瞬間、鳥肌がたちました。0時過ぎに彼氏のT君からいつものメール…それ以外はRちゃんから

10~20分おきにメールを受信していたのです。私が寝た後にメールを待っていたのかな?と

少しの罪悪感がありながらも、メールとはいえ真夜中に送ってくるなんて…と少しイライラもしてました。

でも、Rちゃんからのメールを開いていくうちに、イライラなどふっとびました。

1件目 0:32 Rちゃん『遅くなって、ごめんね。色々考えてたの。私、人と直接話すの苦手でせっかくWちゃんと仲良くなれたのに会って引かれたらやだなって…。』

2件目 0:45 Rちゃん『もう、寝ちゃったかな?Wちゃんはすごく優しいし、いい人だから会ってみたいけどやっぱ怖いな。』

3件目 1:02 Rちゃん『Yくんとデートしてるときね、よくWちゃんの話をするんだよ。私もメールの内容話したりして楽しい。でも、WちゃんはYくんとバイトで一緒だから私の知らないYくん知ってるんだよね。羨ましいな…。』

4件目 1:20 Rちゃん『Yくんはね、Wちゃんのことすごくよく話すよ、何か何でも話せる女友達初めて!みたいなことも言ってて、ちょっと妬けちゃう。』

2件目までは、メールが遅くなったことを気にしてのことだろうと思ってましたが、返信もしないで一方的にメールを送り続けるRちゃんが怖くなってきました。でも、メールを全部見ないと…変な使命感にかられたように私は次のメールを開いていきました。

5件目 1:48 Rちゃん『Wちゃん、さっきは変なことメールしてごめんね!私みたいな人間よりWちゃんの方がYくんもいいのかな…と、ついネガティブになっちゃったの。私のこういうところ、よくないよね…。Yくんは私の彼氏なのに自信もたないと…。』

6件目 2:07 Rちゃん『いいな…Wちゃんが羨ましい。優しいし、私なんかの話を聞いてくれるし…。本当は迷惑じゃない??毎日メールするの重たくない??Yくんから写メ見せてもらったことあるけど、可愛いよね。明るそうだし、Yくんも楽しそうだった。』

メールの中で独白を続けるRちゃんに私はどんどん恐怖に近いものを覚えて行きました。なんとういうか、体にまとわりつくような情念のようなものを感じ始めていたのです。

7件目 2:11 Rちゃん『WちゃんはYくんと友達ってだけだよね?付き合ってる彼氏もいるんだよね?』

8件目 2:36 Rちゃん『Wちゃんは何でも持ってていいな。彼氏さんもかっこいいんだろうな。私、Yくんくらいしか、男の子知らないし友達も少ないし…Wちゃんと話してると楽しいけどみじめになってくる…。』

9件目 3:01 Rちゃん『…よく、考えたらWちゃんは私と仲良くする必要なんかないじゃないかな。ネガティブだし、友達少ないし、可愛くないし。』

怖くなってきても、メールを読み進める手が止まりません。支離滅裂な事をメールで書いてくるRちゃんの顔(あったことないので知らないのですが)がすごい形相になってるような情念を感じました。

10件目 3:23 Rちゃん『ていうか、私よりYくんとWちゃんのがお似合いな気がする。私なんかより…。お互いに仲良いし、私なんか入る隙なかったのかも…。』

!?、自分の彼氏を彼氏持ちの私にRちゃんはそんなことを言うのか、混乱とあまりの被害妄想ぶりに次のメールを開く手が震えました。(でも、見ないとなんか嫌な予感がする…。)

11件目 3:58 Rちゃん『本当にお似合いなふたりだよ。私なんかいらないね…。邪魔になっちゃ悪いもんね。でも、悔しい、ずるい、私にはYくんしかいないのに。』

12件目 4:06 Rちゃん『Yくんがいないなら、私の人生意味ない。私は消えるからWちゃん、Yくんと幸せにね。私からとったんだから、そうしないと許せない絶対許せない。じゃあ、いらない私は消えます。さようなら。』

最後のメールを開き終わった後、ばっと時計を見ると8時過ぎ、この時顔も知らないRちゃんの自殺する姿が頭を過りました。私はすぐさまYくんに電話をかけ、彼女に連絡をとるように急かしました。

私は私でRちゃんにメールに何とか話せないかということと、誤解してるよとメール気付かなくてごめんね、という事を書いて送信しました(メール友達だけで、電話が苦手なRちゃんに電話をしたことがありませんでした。)

メールを送って数分後、知らない番号から着信がありました。直感的にRちゃんだ!と思った私はすぐさま電話をとりました。電話の向こうからはか細い女の子の声が聞こえてきました。

女の子「Wちゃん、いっぱいメールしてごめんね、迷惑な私はもう消えるから、Yくんと仲良くね。今ね校舎の螺旋階段の一番上にいるんだ。」と話すRちゃんの後ろからはカツーンカツーンと硬質な音が響いてくるのがわかりました。

どこの螺旋階段かもわからないし、なんとか説得しようとした瞬間

プツ、ツーツー

電話は切れてしまいました。リダイヤルしてもツーツーという音が響くだけで、繋がりません。私のせいで人が死んじゃう…?私はメールの内容が頭をぐるぐるまわり、繋がらない電話を持って立ちすくみました。

そうして、一時間ほどたった頃でしょうか。Yくんから電話がかかってきて、彼女は無事だということを伝えられました。安堵した私は緊張の糸がぷつりと切れたように崩れ落ちました。(ああ、でもよかった。無事で)

今回の騒動から、さすがにRちゃんとメールする気にはなれなくYくんを通して、距離を置こうと伝えてもらいました。

しばらくはメールの着信がなるたび、Rちゃんからではないかとびくびくしていましたが、時がたつにつれ元の日常に戻っていきました。

メールの話も、ほんと怖かったよーと笑い話になった頃でした。私は彼氏とデートで某コーヒーショップに入りました。店内はけっこう混んでいて、レジには並んでいる人が多くいました。その中で知ってる顔を見つけました。

Yくんです。彼氏も彼を知ってる事もあって近くによって話しかけました。遠目には気付かなかったのですが、Yくんに隠れてる人影がこちらを見ています。怯えるような感じでこちらを凝視しています。

Yくんはその様子に気付いたのか、少しバツが悪そうにその子を隣に寄せて「こいつ、俺の彼女のR、こっちがバイト仲間のTとWな。」と彼女に紹介してくれました。

私とRちゃんのメール騒動を知ってる彼氏は軽くどーもーみたいなノリで挨拶をして場を和ませてくれました。

次の瞬間彼女が発した言葉に私はゾクッとしました。

Rちゃん「初めまして、Rです。」

メールだけとはいえ、面識がある人物に初めまして…?困惑している私は笑顔を作るのに精一杯でした。彼女も笑顔で返してきました。しかし、その目は笑ってませんでした。

そして、列からはずれすれ違うとき私に囁きました。

Rちゃん「今度邪魔したら許さない。」

その声はどこか無機質で怖くなり、列に並んでいる彼氏をひっぱりコーヒーショップから立ち去りました。

今ではYくんとも疎遠になり、連絡もとっていませんが噂ではまだあの彼女と付き合ってるようです。(ちなみに私はその後Tくんと結婚しました)

人の狂気というものは、ときとして心霊現象より恐く不気味なものだと思いました。

あまり、恐くない上に会話文が多く読みにくい中読んでくださりありがとうございます。

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