中編3
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気配

貴方は嫌な、何か悪寒が走るような、そんな体験をしたことがありますか?

今回はとある会社員Aさんのそんな不気味な体験のお話。

Aさんはここのところ残業続きで、家に帰ればバタンキューという日々を過ごしておりました。

それでもAさんはここで頑張ったら何れは管理職に…と思い必死に働いて働いて、頑張った甲斐があったのかもうすぐ出世の話があるやも…と風の噂を聞いたその日の帰り道、Aさんは不思議な体験をします。

Aさんはその日いつものように残業で、帰りは遅くなりましたが、自身の出世の噂を聞き、心無しか晴れやかな気分で、自らへの御褒美に少し高いビールを買って家路に着きました。

「俺もいよいよ課長か…学校を出てから必死に頑張ってきた甲斐があったな」

もう彼の頭の中には出世の事しかなかった、その日は普段滅多に飲まない酒を大量に飲み、自分のご褒美にとってあったピースも吸った、が久しぶりにタバコを吸ったので少しクラクラしたようである。

そして酔いを覚ますためにも一旦外へ出た、そこでAさんは何か得も言われぬ感覚に襲われた

「何かがいる」

Aさんはその「何か」の気配のする方向に視野を向ける、が何もいない

「酔っ払って幻覚でも見たか…」

そう思いまた部屋に戻ろうとするとまただ、また何かいる

酔っ払っているAさんは大声で怒鳴る

「お前は誰だ!」

すると後ろから誰かが近づいてくる気配がする

「お前こそ誰だよ」

その声の主は外見的特徴が自分と瓜二つだった、Aさんは双子でもなければ生き別れの兄弟もいない、愕然としているとその自分のそっくりさんが口を開く

「ここは俺の部屋だぞ、偽物」

偽物はどっちだよ、と思いつつも言い返す

「ここは俺の部屋だ、お前は何処から来た!」

そうだ、仕事から帰った時点でこいつの気配はなかった

じゃあどうやって…Aさんは考える

「俺はずっと自分の部屋に居た、そして自分のそっくりさんが突然現れたんで外に出てきたんだ」

もうAさんは思考停止状態だ、深く考えないようにしているがどこかで見たような話を思い出した。

「なあ俺さんよ、ドッペルゲンガーて知ってるか?見たら3日以内に…っておい!」

目の前にいるそっくりさんは不敵な笑みを浮かべると、懐から徐にサバイバルナイフを取り出す

「あぁ、知ってるよ、どっちにしろこの世に同一人物が二人もいちゃあまずいよなあ...というわけで消えろ」

一瞬の出来事だった、腹部に激痛が走った、そしてそのままAさんは意識を失った。

「な、何をする、や、やめ…はっ!夢か…ん、夢?」

目覚めたら翌日の朝だった、病院のベッドじゃない、いつもの自分の部屋だ

しかしリアルな夢だった、何気に腹を見てみると刺された部分に痣のようなものが残っている

酔っ払ってどっか打ったんだろうとAさんは考えていつものように会社へ行く

玄関の鍵を閉めているとあの自分の声がした気がした...

「次はやってやる」

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