中編4
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夜の話売り〜自撮り〜

自撮り……。

よくネットなどで見かけます。

彼らは軽い気持ちで撮ってネットにあげているのでしょう。

現に僕の友人も……。

まあ、今からお話いたしましょう。

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これはあたしがまだ高校生の頃だった。

「やば〜い、ちょーブサイク‼︎ マジ泣けるわ〜」

「かわいいじゃん〜‼︎ ほらあたしなんかもう顔面崩壊‼︎」

放課後。

教室で写真を撮る。

「よし、“ついったー”にゴー‼︎」

友人のMは毎日のように“ついったー”に写真を載せる。

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私達は幼なじみだ。

小学校3年生、私は彼女と同じマンションに引っ越して来た。

彼女は元気で可愛くて、私の憧れだった。

小学校

中学校

高校

全て一緒だ。

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『帰り道、親友と一緒〜‼︎』

『マジブサイク〜 泣けるわ〜(ノ_・、)シクシク』

『マジ月曜日とかだるいwww』

彼女のコメントは全て自撮りの写真と一緒だ。

あたしはあんまり自分の写真を撮るのが好きでは無いから載っけたことは無いけど、なんか羨ましい。

「今日はもう寝よう……」

電源を切って眠りについた。

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「ねぇ……」

朝。

教室に行くとMが真っ白な顔をしてあたしに話しかけてきた。

「どうしたの?」

「なんか誰かに後をつけられてる……気がする」

「えっ?」

先生が教室に入ってきた。

「みんな、残念なお知らせだ。Kが事故で意識不明の重体だ……」

教室がざわめく。

KはMをいつも目の敵にしていた女子生徒だった。

「先生は放課後、病院に行ってみる。詳しい話は後日」

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朝のHRが終わると、あたしはふとスマホを見た。

『あー、なんであたしが目の敵ににされなきゃいけ無いんだろ〜‼︎』

Mはいつものように自撮りとともに更新している。

多分Kに悪口を言われた後に書いたものだ。

Mの“ついったー”にコメントがある……

『Mちゃんの邪魔者は排除しといたよ』

こいつだ……

「M……一緒に保健室行こう」

あたしはいても経ってもいられなくて先生と入れ違いで、教室を飛び出した。

「先生‼︎ Mさん貧血なんで保健室行ってきます‼︎」

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「ここ、保健室じゃ無いじゃん」

そう、あたしが連れてきたのは体育館のもう使われて無い古い倉庫裏。

「M、これ見て」

Mにさっきのコメントを見せる。

Mは冷静なふりをしているが、内心かなり怯えている様子だった。

「……こいつが、ストーカー?」

「可能性はあるかも……。とにかくこれからあたしと一緒に行動して」

Mは頷いた。

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その夜、私はMの家に泊まることにした。

Mの両親が仕事で明け方に帰ってくるからだ。

Mはもう精神的に弱り始めていた。

「……こいつ……あたしの“らいん”まで突き止めてる……」

『Mちゃん、今日は自撮り載せないの?』

『Mちゃんかわいいからもったいないよ?』

「えっ……なにこれ……きもちわる……」

「あたし……もうやだ……」

Mのスマホの電話が鳴った。

「えっ……知ら無い番号……」

「無視しよ」

電話が鳴り止んだ。

「……警察に通報したほうがいいよね?」

Mは力なくうなづいた。

あたしは自分のスマホを手に取った。

「えっ……」

『Mちゃんは僕のものだ』

『Mちゃんは僕のものだ』

『Mちゃんは僕のものだ』

あたしの“らいん”にも謎のアカウントからメッセージが送られて来ていた。

「……どうしたの?」

「な、なんでもないよ⁉︎」

Mの家の電話が鳴った。

「えっ、嫌だ、また、知らない……」

Mがその場で泣き崩れた。

『ただいま留守にしております。発信音のあとにお名前とご用件をどうぞ』

発信音

『Mちゃん……忙しいのかな? また今度家に行くね……』

電話が切れた音。

「っ……‼︎」

あたしもMも声になら無い悲鳴が出た。

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Mもあたしも家に来るのではないかとと言う恐怖で一睡もできずにいた。

「えっ……? そんなことがあったの⁉︎」

Mの母さんに事情を話し、留守電と“らいん”をは見てもらった。

Mの母さんはすぐさま警察に連絡した。

「これで無くなるといいけど……」

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あたしもMもふらふらの状態での登校。

朝のHR。

「今日はAが事故に巻き込まれた。先生がまた放課後見舞いに行く……連絡は後日」

Mが泣きそうな顔であたしを見た。

Aは前Mに告白した男子生徒だ。

『僕のMちゃんに手を出すから悪いんだ』

あたしに送られて来た“らいん”にはそう書かれていた。

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放課後。

薄暗くなった横断歩道で信号待ちをしていた。

「ねぇ……一緒にいたら危ないんじゃない? 次はあなたが大怪我するかもよ?」

Mが泣きそうな顔であたしに言った。

「大丈夫」

あたしはそう言って笑って見せた。

信号が変わる。

歩き出す。

反対側から来る人とすれ違う。

「危ない‼︎」

Mがいきなりあたしの腕を引っ張った。

反対側から来た人は手に包丁を握っていた。

「走って‼︎」

Mとあたしは無我夢中で走る。

包丁を持った人影は追いかけてくる。

目の前に大きな道路が見えた。

「曲がらずに突っ切るよ‼︎」

あたしは叫んだ。

Mも同意する。

あたし達は大きな道路を突っ切った。

すると後ろでゴッと言う鈍い音と、車の急ブレーキの音が同時に聞こえた。

「あっ……」

それからあたし達はただ呆然と佇むより他なかった。

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ストーカーは死んだ。

Kの意識も戻り、Aも何とかし回復した。

Mは「今更だけど……」と言いながら自撮りの“ついったー“を全部消した。

全てが元に戻った。

私達は今でも親友だ。

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『Mちゃん……』

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Mさんはそれ以来自撮りをしても絶対にネットに載せなくなりました。

僕自身あんまりネットやらなんやらをあまり利用し無いのでよくわかりませんが……

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ちゃあちゃんさん、コメントありがとうございます。
そうてますね……
霊的な物も怖いですが、やっぱり生きている人間も怖いものです……

生きてる人間恐ろしや‥
勘違い人間もいるので、自撮りも程々にしなくちゃいけませんね(ー ー;)

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