短編2
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車の帰り道

あれは…

たしか、18歳の夜だった…。

当時、スケボーにはまっていた僕らはいつもように球場跡地で練習をしてた。

何事もなく練習を終えると、時計の針は知らない間に0時を過ぎていた…。

汗だくの2人は急ぐように車に乗り込み、エンジンをかけていつも道を進んで行った…。

帰り道は3車線の広い幹線道路から細い路地を右折し工場地帯に入る。それが家に帰るには一番の近道。しかし、いきなり暗闇となり街頭すらない道になってしまう。また、その道沿いにはダムのような湖があり非常にきみが悪いのである…。

いつもの下り坂を下りたその時だった…。助手席の友人が「誰かいるって、車止めろ! あー、轢いたんじゃない?」と叫んだのである。僕には正直何も見えなかったので「何を言ってるんや!」と返した。

しかし、本当に人を轢いていたら嫌なので、とりあえず車を停車させ周りの確認することに…。

友人「あれー、誰もいないなー、たしかに男の人が目の前にいたのに…」納得いかない表情をしている。

なんだか不気味な雰囲気になってしまったので、誰もいないことをしっかり確認した上で2人は家に帰った…。

しかし、次の日になり友人から連絡がきた。なぜか、その声は細く怯えているようだった。友人は「昨日見た男が夢にでてきた…」と言っている。夢ではその男がナイフで刺され殺された場面が見えたそうで、その後にあの工場地帯の湖に捨てられたと言っている。

僕は「それは、昨日考えすぎたから見たんだわ!」と軽く答えた。しかし、友人はかなりリアルな夢だったからと若干鬱ぽくなっているようだった…。

しかし、それが確信に変わるとはその時は思いもしなかった…。

夕方にテレビを何気なく見ていると、ニュースであの近所の湖が写っるではないかー…。

僕ら轢いたとされる場所のすぐ側から遺体が発見されたのでる。

それも被害者は刃物で殺害されていたようで、友人の夢と完全に一緒であった…。

その被害者の霊は友人に何かを訴えたかったのか…? それとも早く発見して欲しかったのか?

今となってはわからないままである……終。

Concrete
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