短編1
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目人

私は目玉だ

所謂眼球という部分で、地球上の生物が見る方向を勝手に決めている

それに気づいている奴は居ないだろうがな

いや、目玉になった者だけが気づいている

と言う方が正確だろう

私も元は人間だった

今はどうやら犬の目玉になってしまったようだが

人間として生きていた時の記憶は残っている

只、普通に人として暮らした記憶よりも

犬の視覚のみの記憶の方が私にとっては新鮮で魅力的だ

犬の目になったと自覚したのは、私がこの目玉になってから一週間ほどたった頃だった

決まった時間に外へ行き、決まった時間に浅い器に入った水とドッグフードが上下し、そして器だけになるからだ

何より外出先で犬に会うことが多い、

あまり嬉しくは無かったな、犬はそんなに好きじゃなかった

そういえばこの犬の飼い主は目が見えないらしい

いつも目を閉じているからな、それならこの飼い主の目になってやれたら良かったのにと幾度か思ったものだ

まぁこの犬の目になると言うことがこの飼い主の目になっているとも言えるのだが…

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