中編6
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私の願い

最初にこれを見ているあなたにお願いがあります。

この話は私の身近で起きた不可解な事であり、未だ解決しておりません。

私にとっては突然の事であり悲しさをも表現出来ません。

私の願いは、誰かこの事の真実を教えてください。だだそれだけが今の願いです。

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この話は私が高校生の時、幼馴染であったT君の話です。

T君とは昔からの幼馴染でした。

T君の他にも小学生の時からほぼ同じクラスであり一番仲の良いと思うAちゃんもいました。

私たち3人は高校生では新しい友達も増え多少まばらでしたが、

中学生までよく代わる代わるで家で遊んでいました。

ある日、私たちのクラスに転校生のSさんがやってきました。

Sさんは大人しい様子ではありますが都会からの転校生で

私たち田舎暮らしとは少し違う雰囲気だったと思います。

ちょうどその時期は3年生でもあり、

進路を決定する時期でもありました。

私は飛び抜けて勉強ができるわけでもなかったのですが、

地元の大学への進学を元から決めていました。

T君はある日に会うまで知らなかったのですが東京の有名大学を目指しているそうでした。

Aちゃんは高校でもよく話しており一応は私と同じ大学への進学という話でした。

夏休み、久しぶりに3人で会おうという話になり、

お互い勉強もしなくてはならないという訳で図書館で一緒に勉強しようという事になりました。

図書館に着くと転校生であるSさんが近くにいました。

さすがに同じクラスであり、無視という訳にもいかないので

‘Sさんも勉強しに来てるのかな?,

と声を掛けました。

Sさんは何気なくコクンっと頷くだけでした。

私は ‘そっか, と一言だけ言って気にすることもせず

夕方まで3人と一緒に勉強して、帰りに近くのファミレスで夕食をたべました。

私はその日以来、2人に毎日一緒に勉強しようよと言いました。

2人もお互いにアドバイスしあえるし良いんじゃないかと言ってくれて

ほぼ毎日図書館やお互いの家、ファミレスや学校の公開教室と転々として勉強していました。

夏休みも明け、私の学校は二学期制であり、

三年の二学期は自由登校であったため受験ギリギリまで一緒にやろうと思っていました。

でも実際自分では気付いていました。

ただ勉強効率がよいから会っていたのではなく、

T君への好意が私の中では昔からの育っており、卒業までの短い時間ずっとただ近くに居たいと、

東京の大学へ行ってしまっても忘れないくらい近くに居たいと。

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私は少し変だなと思うことがありました。

勉強場所を転々とする私たちですが、よく同じ場所にSさんも居ました。

最初は偶然かなと思っていたのですが、

日に日に偶然の領域を超えるくらい同じであったため

一緒に勉強したいのかな?と思いもう一度話しかけようと思いました。

しかしその時にSさんは居らずなぜか遠くの方でT君と話していました。

あとでT君に聞いてみると、

同じ事を思っていたらしくT君から話しかけたそうで、一緒にやらないか?と聞いたけど

断られたと言ってしました。

Aちゃんにその事を言うと、

別にほっとけばと言っていましたが、

なぜかAちゃんの発言によそよそしさは感じませんでした。

その後もよく同じ場所に居るなーと感じる事がありましたが、私は気にせず居ました。

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こんな事がありながらも、私たち3人は自分たちが希望した進路にみごと決定し、

後は卒業までみんなで楽しく過ごそうとなりました。

そして私は普段と変わらない素振りを見せながらも

卒業してT君が東京へ行ってしまうまでに想いだけは言おうと思ってしました。

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しかし、卒業間近のある日から突然すべてが変わりました。

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その日の2日前、T君からのメールで

「俺、K大学の医学部に決めたよ!」

と来ました。

彼は元々医者になるという夢があり、

小さい頃からもよく聞いておりAちゃんもその時聞いていました。

私はT君がK大学へ行くという話をAちゃんにメールで言うとなぜか、

「J大学の医学部に行かせるよ。」

という返信がAちゃんからあり、

T君が考える事でしょそれはと返信しましたが、

何故かその後返信が来ませんでした。

次の日学校へ行って

なんでそんな事を言ったのかAちゃんに聞こうと思い、

学校へ行きましたがAちゃんは休みでした。

その上T君まで休みでした。

何故かその日、

いつも全く話さないSさんが私に話しかけてきて、

「T君はK大学へ進学するそうね。」

と言ってきました。

わたしは突然話しかけられた驚きもありながらも、何故進学先を知っているかという驚きが勝り

昨日のAちゃんの件もあり少し強ばった声で

「なんでそんな事知ってるのっ‼︎」

と言うと、

「わたしが決めてある事だから」

と言い、

その時私は興奮状態であり、冷静な判断ができなかったため、

T君はあなたたちのものじゃないという怒りが込み上げつい、

「私のT君を勝手に変えないでっ‼︎

そんな事するんだったらT君の前から消えてっ‼︎」

と自分では言ってはいけないと思う事を

平気で言ってしまいました。

私は頭に血が上りすぎたせいかそのまま視界が暗くなり、

気がつけば家のベットでした。

ただその時、

Sさんが言った言葉だけ覚えていました。

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「ええ、消えるわよ。あなたの前からね。」

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私は前日の事もあり

これは疲れがたまって悪い夢でも見てる思い、

次の日学校へ行けば

何事もなかったようにいつもの日が来ると思っていました。

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しかし、そのある日はついに来てしまいました。

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私は前日、長く寝たせいか少し気は落ち着き、

いつもの日常に変わってるだろうと

心では願いながらも学校へ行くと、

他のみんなは何もなかったように

いつものみんなに変わっていて、

なんだ、やっぱりただの悪い夢かと、

ホッとしていました。

ただ、とても大きな違うところがありました。

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K君もAちゃんもSさんも学校にいない…

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わたしは焦りながらも、

どうせ休みだろうと言い聞かせ心を落ち着かせながらいると、

出欠の時間になり

先生の「Tは今日は休みだ」と言う言葉を待っていると、

出欠がT君の前の子まで呼ばれ

私の心臓の鼓動が周りに聞こえるくらい動いているのを感じながら、

次は?次は?と待っていると、

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「N村、H田、M岡……。」

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私は心臓が止まったかと思いました。

その後もAちゃんもSさんも呼ばれない。

私は必死になって先生に

「T君はなんでいないんですか?

Aちゃんはどうしたんですか?

Sさんもなんでですか?」

と言うと

少し黙ってから

「まだ体調が優れないのか?」

とバカにしたように私に言ってきました。

そう、誰も彼らの事を覚えていない、

というよりも

私にはT君たちは存在すらしない人

という風に感じらました。

その後もクラスや先生、

知人や家族へ散々言いましたが何も変わらず、

ついには自分がおかしいのではないかと

思うようになっていました。

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過去の話を長く書きましたが今はもう6年経ち

大学を卒業し社会人として新聞社で働いています。

私がこの話をしようと思ったのは、

以前までは私がおかしいのだと思い続けていたのですが、

過去の新聞記事の内容にある事が掲載されていた事をきっかに

再び思い直そうと思いました。

しかし、その内容の記事の日付は到底私の年齢では考えられない年であり、

違う内容の2つの新聞記事が何故かあるのですが、

まったくの同姓同名、土地柄、医療系の内容であったため

私にはまったくの無関係とは感じられませんでした。

今から書くのがその新聞記事の内容です。

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1979年 11月5日 月曜日

J大学付属病院のU谷T也医師(T君の本名)による新たなる方法のバイパス手術はU谷医師による専門知識のミスにより失敗に終わる、当時の助手であるO上S花助手(Sさんの本名)による見解を聞くが未だ黙秘。今回の失敗による親族への慰謝料は10億を超えるとの意見も。

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1979年 11月5日 月曜日

O総合病院のK大学卒のU谷T也医師(T君の本名)によるガン細胞への新たなる抗ガン剤の発明に成功。共同開発をしたというS診療所のS澤A奈(Aちゃんの本名)によると、彼の大学での研究を生かしてここまで来れたと語っている。

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私は不可解であるこの2つある新聞記事に

当時の私の出来事の真実があるのだと思っています。

それとも

ただの私の悪いゆめだったのでしょうか。

Concrete
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話の真相が気になりますなぁ、
できれば過去というものも知りたいですね
もう少しがんばって考えてみますね

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