短編1
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暑い

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摂氏94℃

昨日の最高気温は82℃。

ここ一月で、天文学的異常とも言われる気温上昇が続いている。

その上昇は、未だ止まらない。

海川の魚は、茹だる水の中でのたうち回り、その死骸は白い腹を見せながら小蝿をたからせ水面に浮かぶ。

熱で水気を搾り取られた植物は、秋の頃の葉の如く黄土色に枯れ落ちた。最早、果実を実らす術は無く、種も葉すらも、枯れ果てた。

容赦無く照りつける熱波に家畜は焼かれ、分厚い表皮を爛れさせ、内臓を焼き尽くし、草の葉一つ見当たらないザラつく大地に倒れ込む。

身を焼き焦がす程の熱の中、渇いた喉を喘がせながら、路上を歩く僕。

目的地など無い。目的地など、有り得ない。

目の前の黒いアスファルトの上で、高温に熱したフライパンに乗せられた目玉焼きの様に、何かがジュウと焼かれている。

其処彼処で、人の形をした何かが、全身を黒く焼け爛れせ、燻んだ煙をあげながら、ジュウと焼かれている。

大地は灼熱の釜と化し、地球の命を焼き尽くす。

もう地球に、秋は来ない。

冬の到来は二度と無い。

この灼熱の地獄に、終わりは来ない。

…いや。

終わりは来る。

天を見上げれば、

熱に歪んだ赤褐色と群青色が混ざり込む濁る空の中、

肥大化した真っ赤な太陽が目に入る。

醜く膨れ上がる灼熱の恒星が、地球と呼ばれる惑星を焼き尽くす。

それで地球は終わる。

それでやっと、終わる。

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この物語、ニコラスケイジ主演のシグナルに似てますね。
太陽の放射熱が地球に近づき、次から次焼き尽くして行く
それを助けるので別の惑星から来た、人たち
アダムとイブのようにこの宇宙人が出した警告を読んだ子供たちが
選ばれて、宇宙船で別の世界に脱出する。
そしてニコラスや他の地球に残された人たちは、放射熱で滅んで行く
親子のきずなを描いた映画です。
発想は中中よい。でした。

暑さのあまり‥ですね‥サハラ砂漠は摂氏50度くらいになるそうで‥想像したくもないですねぇ‥私の出勤時間は午後1時で、自転車で約1時間なんですが、坂道を登るとき、めまいがする事があります‥暑い日が続きますが、お互い熱中症には気を付けましょうf^_^;)

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