短編1
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ランナー

警備会社で働いている知人から聞いた話です。

ある大学での事。

深夜に巡回をしていると、背後からタッタッタッという音が。

何だ?と思い振り返ると、青白い人影がこっちに向かって来たそうです。

即座にダッシュで逃走。

しかし人影は軽快な足音を立てながら、ついてきたそうです。

全力で走り続けましたが、全く差が開きません。

散々走り回って、ついに足がもつれて、転んでしまいました。

もはや体力の限界、倒れこんだまま、恐怖に震える事しか出来ませんでした。

…ところがいつまで経っても何も起こりません。

相変わらず、軽快な足音がしているというのに。

おそるおそる後ろを見てみると…

青白い人影がいました。

何故か、その後で足踏みをしながら。

人影は、細部はぼやけて見えましたが、輪郭だけはやたらはっきりしていました。

呆然と見ていると、人影が動きましたた。

やはり足踏みをしたまま、右手とアゴをちょいちょい、と。

「退いてくれ」

そう言われている気がしたそうです。

軽く混乱しながらも、とりあえず道を空けると、人影は何事もなかったかのように、実にあっさりと走り去ったそうです。

その後も何回か遭遇したらしいのですが、一つ気になる事があるとの事。

「多分、男だと思うんだけど…。あそこ女子大なんだよな。」

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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