中編6
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黒いモノ~友人に悪戯~

あれは・・私がまだ高校2年生の頃。

夏の出来事でした。

~~

友人の誕生日を、まとめてお祝いしよう!

という話が持ち上がった。

4月生まれの徹。(私の幼馴染で武とは高校が一緒だった)

7月生まれの涼子。(徹に紹介した私の同級生で徹の彼女)

9月生まれの武。(当時の私の彼氏)

9月生まれの私。

そして、2カップル合同のお誕生会開催の話を聞いて参加したいと言ってきた私の同級生。

6月生まれの安子。

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合計5名での誕生会を、7月生まれの涼子の誕生日に合わせて行った。

場所は、いわくつきの沙羅宅。

何故なら、その日は両親は泊りがけで留守にする予定だったし、

沙羅兄も、それを良いことに自分も泊りがけで遊びに行く予定だったから。

~~

当時、いつも仲良くしていて何でも話せる安子には数々の私の不思議話を愚痴のように話していた。

彼女は、『私、一度も怖い目に遭ったことないよ~霊感なんてカケラもないの(^^』

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そして『一度くらい体験してみたいんだ~』とのことで

急きょ、誕生会の準備等のお手伝いで良いから。って来ることになった。

~~

徹と涼子は、揃って午後からくる事になっていた。

武も徹たちと同じくらいに来ると・・。

そこで、安子はお昼前には行くから、パーティーの準備を沙羅と一緒にやるよ。

と言って早めに来てくれた。

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徹と涼子には、色違いのアロハシャツを手作りしてあった。

武には、私とお揃いのパジャマ。

作るのが深夜からなので、当日には少々間に合わず、ボタンさえ付けたらラッピングして完了というところまでが、やっとだった。

~~

ボタン、完了。ラッピングOK!

あとは、ちょっとしたお菓子や飲み物の類と。。。。

!!しまった!!

ケーキを作るとこまでは時間が足りなさすぎる。。

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安子を誰もいない我が家に一人残してケーキを買いに行くのは

どうしても気が進まなかったのだけれど、安子は全然平気だから留守番をしてるよ~と気楽に言った。

時間が押しているため、仕方なく安子には留守番を頼んで、

みんなが来た時の対応をお願いした。

私は「必ず15分以内には戻るから、部屋で変なことがあったら外に出てるように」と念を押してから自転車に飛び乗った。

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~~

約束した15分では、きっと怖い思いをしちゃってる。。

なぜか確信に近い気持ちで全速力で自転車を漕いだ。

(後々、マッハ5号と呼ばれる、私の愛車。メチャ速いママチャリだ)

ケーキと、ちょっとリッチなコーヒーを速攻入手し、

ケーキが崩れないよう片手でバランスを取りながらマッハで帰宅した。

丁度、10分後に家についた。

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坂の上まで来れば、ウチの庭先が見える。

私が家を後にするときには、「絶対大丈夫だよ(^^」と笑っていた安子が・・

庭先で私の部活で使っていた新体操用のボールで遊んでいるのが見えた。

『・・やっぱりか・・』

残念な気持ちで、坂を猛スピードのまま駆け下り庭へと突入。

~~

「・・沙羅~~・・今日はホントに誰も居ないんだよねぇ?」

と涙を浮かべて私を見つめる安子。

「・・・・誰も居ないけど、居たんだね?」と尋ねる。

とにかく、セッティングだけはしなきゃいけないので

部屋へ戻ろうとすると、安子は私の腕に絡みついてきた。

私は、安子に申し訳ない気持ちで見つめた。

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~~

セッティングをしながらの会話

私「・・で?何が起きた?」

安子「沙羅が出かけて、すぐに階段から誰かが降りてきたの。誰も居ないって聞いてたけど、お兄さんがまだ残っていたのかと思って、挨拶しようと正座して部屋で待ってた。けど、誰も廊下に出てこないの。。

で、すぐにまた階段を上って行ったのよ。だからお兄さんが忘れ物でも取りに、二階に上がったんだと思ったのね。で、またすぐ階段を下りてきたから、今度こそと思って廊下に出て待ってたんだけど、来ないの。

それだけじゃないの。今度は上るんじゃなくて、下りてくる足音しか聞こえないの。何度も下りてくるだけなの。(泣)

少しだけ怖くなったけど、お兄さんだとしたら、挨拶しなくちゃでしょう?思い切ってあのドア(階段を下りきったところに廊下との境のドアがある)を開けて声を掛けたの。『お邪魔してま~す』って。でも誰も居なくて。。そしたら隣の台所からお皿を洗う水の音がして・・台所に??って思ったから、そっちも覗いたけど誰も居なくて、堪らなくなって・・沙羅に言われたように外に出てたんだよ(泣)」

~~

ポロポロと涙を流す安子の背中を撫でながら、猛烈に腹が立った。

私を怒らせるには、私の友人を攻めればよい。

自分に向けられた罵詈雑言や、暴力には怒りを覚えない私だ。

だけど・・

リアルな生活の中で、友人がイタイ目に遭ってるとなったら

即、頭に血が上る。・・これ、私の欠点。

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因みに・・私はヤンキーでもなければ、

兄のように《盗んだバイクで走り回る》ようなヤンチャでもない。

自分で言うのもなんなんだけど、どちらかと言えば、根暗だったりする。

あ。でも学校とかではイジメに遭おうが、体罰食らおうがニコニコしてられる。

体育会系の部活ばかりだったのが関係するかどうかは分からないけど

表向きの顔は、いたって温和で人当たりも悪くない・・はず。

一応ね、一応なんだけどね性格だけは告知しておこうかと思っただけなので、

スルーしてもらって全然構わないです。ハイ。。

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~~

で、猛烈に腹を立てた私は、叫んだ。

「テメーら、何してくれてんだっっっ!!!ひとの友達驚かしやがって

ゼッテーただじゃ済ませないからなっ!みんなが帰った後、覚えてろよっ!」

怒り心頭。怒りの炎は火柱を上げながら、お腹の中で沸々と煮えたぎってた。

私が怒鳴り散らしてるのを、安子は涙で潤んだ大きな瞳をパチパチさせながら呟いた。

「・・沙羅って、怒ると怖いんだね・・」

少しだけ安心したように、私の腕から離れてニッコリと笑ってみせた。

セッティングの間も、何が起きたのか説明してる時も、

私の腕に絡みついたままだったのだけれど。

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~~

さて、お誕生会メンバーが全員そろった。

プレゼント交換をして、ケーキを食べ、パーティーらしく時間を過ごしていた。

時折、安子が玄関の方を気にする。

安子にだけ聞こえるように耳打ちをした。

「大丈夫。誰も来てないの。アレは玄関を開けるだけで、何もしないから」

不安げな顔の安子。

「・・いつも?」

「そうよ。いつもの事だから大丈夫。むしろ気にすると喜んで何度もヤるから、聞こえないふりしててね」

「・・分かった」

~~

分かった。とは言ってくれたものの、やはり時々彼女の肩がビクッと反応する。

その度に、私は安子の背中をトントンしたり、手を握ったりしていた。

自分の彼氏が斜め向かいに居るというのに・・

私は武に一度も触れることなく・・

徹と涼子は、イチャイチャしてるというのに・・

~~

全員が解散したのは、夕方7時近くなっていた頃だろうか。

徹は涼子を送っていくし、武はウチのご近所さんだから問題ないし。

・・安子だけは、ちゃんと送り届けなくちゃ。

門の前で解散の挨拶を交わし、安子を自転車の後ろに乗せて自宅まで送り、

お母さんに御挨拶をして帰宅した。

~~

シン・・と静まり返った部屋の中、怒りを抑えて座り込む。

いつものように、あの黒いモノが、障子戸の隙間からヒョイっと頭だけ見せた。

完全に馬鹿にされた。

そう感じた私が、一人家中を駆け巡り大暴れしたのは言うまでもない。

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マガたん♪
いっぱいUPしてるから、気長にね~~♪

つか、マジ最初から読んでくれてるのね(@@;
ありがとう♪(*^^*)嬉しいぞよ~~~~!!

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仲間さん
読み返して!?Σ(゚д゚;)
すっごい嬉しいです!!ありがとうございます(*-∀-)ゞ

稚拙な文章能力しかないというのに・・感謝!感謝!!

で、そうなんです。。
中学時代は、『姉御』と呼ばれていました(一部の友人に)
人脈は、、殆ど無いですねぇwwww
どうやら、若い頃は<醒めた感じ>を植え付けていたようで・・
狭く深い人脈しかないです(^^;
でもね、それで良いんです。ワタシって人間を100%受け入れてくれる友人が1~2人
周りにいてくれたら充分!
私にとっての『友人』に対しては、即座にキレます。相手が誰であろうとww

担任に『テメェ』呼ばわりしたこともありましたねぇ(遠い目)
間違ってるものは、間違ってる。を貫いていたお年頃だったのでww
今は、角が取れて、「沙羅がおしとやかになってるっ!」と珍獣扱いをされました(^^

沙羅さんの今までの話を読み返してます。
いやはや、以前肝が座ってるな〜〜と思ってましたが、何かの物語の主人公のような性格なんですね。
自分自身に向けられたものにはどうでもいい。
友達に向けられたものは、即プッチンプリンのようにプッチンさらるんですね。
読んでいて、女性にはとても失礼ですが、言わずにはいられない…やはり沙羅さんて「兄貴〜〜!!」って言われそうな方なんだな…
取り敢えず、信頼の厚い、沢山の人脈を築けそう(*´∀`)

リュミエールさま
コメントありがとうございます(^^

・・見逃して・・って、全部読んでいて下さったんですね♡
すっごく嬉しいです。が照れくさ~い(*ノ∀ノ) 
でも、やっぱり嬉しい~~~
「体罰」も「イジメ」にも散々遭っていますよ~~ww

その理由というか、原因になっていくものを
次のお話で、書きたいと思います(^^

こちらの話は見逃してました。(^o^;) 話を読んでて勝手に性格分析したところ、体罰を受けるようなタイプでもイジメられるタイプでも無いと思うのですけど…怒りとゆう感情ですけど、沙羅さんの違う一面が見られて良かったです!家族、友人、恋人の為に怒れる人は素敵ですね。(*´ω`*) 

mamiさま もとい・・悪魔さまww
いつもありがとうございます(^^
楽しみにして下さっているとのこと、嬉しくて舞い上がりそうです♪

体験ツアーと称して、短大の仲間が来た時には、一切何事も起きませんでしたww
この時に、大暴れしたせいですかね?

やはり…『経験してみたい』など、簡単に言うものではないですね。
因みに、私は全く霊感がないことに感謝しております。霊感あったら、このサイト読めない…

このシリーズ、いつも楽しみにしております。
頑張って思い出して、upしてくださいね(悪魔!?)。