中編2
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『嘘が真実になる友達』

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大学に入って最初に出来た友達が不思議なやつだった。

お互いオカルトに傾倒していたためか、僕らはすぐに仲良くなった。

互いオカルトにハマったきっかけは、小さい頃の不思議な体験がきっかけではあったけれど、

僕の、飛行機を隕石と見間違えた、とか言うレベルのきっかけとはレベルというか・・・次元が違った。

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彼は小さい頃、自分のついた嘘が事実になる事に気づいたらしい。

そして、それは今でも続いていると言っていた。

僕は信じなかった…

当然、全ての嘘が現実になるわけではなく、嘘のまま終わる事もままあったようで、僕は最後まで彼の話は信じなかった。

確かに、彼の予想や予言は良く当たっていたけれど、

むしろ嘘というよりも、未来が見える、とでも言ってくれた方がわかりやすかった。

彼が話す自身が体験した恐怖体験や不思議体験話は、全て嘘だった。

しかし、なぜかその体験に身に覚えがあるだとか、知り合いの体験にそっくりだとか、そういうことを良く言われていた。

僕も彼の話に身に覚えがあった事もあった。いつも話し終えてから気づくのだけれど…

それでも僕は信じなかった。

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夏のある日。

彼から電話で『とんでもない嘘をついてしまった。真実になってしまうかもしれない』といった旨の内容の相談を受けた。

彼の新しい面白イベントが始まるのかと思った僕は、会って詳しく聞くために彼のアパートへ向かった。

彼の部屋のドアをノックと同時に開けると、彼は・・・首を括って既に事切れていた。

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整理整頓された机の上には、大きく『僕は生きている』とだけ書かれたノートがあった。

すぐに警察を呼んで、色々聞かれたけれど、彼の『嘘』の力については説明しにくいので話さなかった。

僕はなんであんなに冷静だったのだろうか。

元から…アパートのドアを開ける前から…初めて会ったときから…既に彼の死を知っていたような…

そして不謹慎にも疑問に思った。

果たして彼は、あのノートに書かれた『嘘』をいつ書いたのだろうか…

死ぬ前に書いたのか…まさか死んだ後に書いたのか…

それ以来、僕はとり憑かれたかの様に、嘘の体験談を話すようになった。

いつか嘘が真実になったら、彼の死を初めて受け入れることが出来るかもしれない。

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・・

・・

・・・

まぁ嘘だけど

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