短編1
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引越し

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「落書き」を読んだ大崎君から聞いた話。

大崎君は引越しのため荷物整理をしていた。

住んでいたアパートの間取りよりも広く、家賃も安い賃貸マンションへの転居だった。

独身で荷物が少ないため、作業は割りと早く進んだ。

さて、午後からは掃除するか。

休憩しながら部屋を見回す。

押入れの上段に何か落ちている。

なんだこれ?

それは、高校の部活を引退したときにもらった寄せ書きだった。

あれ?何でここに落ちてるんだ?

普段は本棚に収納してあったので、ここに落ちているのはおかしい。

変だなと思いながらも寄せ書きに目をやる。

・・・懐かしいな。みんな元気かな?もう何年経ったっけ?

真ん中に集合写真があって、その周りに同級生や後輩からの暖かい言葉。

どこにでもある普通の寄せ書きだ。

・・・ちゃんと持っていかなきゃ。

手に取った寄せ書きをダンボールに入れようとしたその時、裏側がちらりと見えた。

・・・あれ?裏にも何か書いてある。

裏側にもだれかメッセージをくれたのかと思い確認する。

大 崎 は 絶 対 に 江 田 を 殺 す

太字ではっきりと書かれているが、書いた人の名前がない。表のメッセージの筆跡はどれも違う。

・・・もらった時はこんなものなかった。じゃあ誰が・・・。

しばらくそれを眺めたあと、大崎君は色紙を破いて捨てた。

大崎君の知り合いに江田という苗字の人は、まだいない。

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今後が怖いですね...何も起こらなければいいですが。

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