中編3
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ホラースポット

・・・まただよ・・・

だから、この部屋キライなんだよ。。

まだ、兄が二階の部屋を自室として使用していなかった時の話。

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二階には、一部屋しかない。

急勾配の階段を上りきった所に申し訳程度の踊り場がある。

階段脇は、物置として使用している。

階段から物置へは、隔てるものがない。

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その物置と隣接して、旧ポッタン便所、風呂場と続くその真上が唯一の部屋。

部屋の一番奥に1間の押し入れと、脇には床の間とも戸袋ともつかない空間。

押し入れの真下は、浴槽のある辺り。

家の中で一番のホラースポット。

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因みに、家の外では、二階の真下部分。

物置と、旧トイレと風呂場が並ぶ外通路。

沙羅宅と、祖母宅の境目に当たる部分。

ソコこそが、<霊能者>達の言い当てる場所だったりする。

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ホントに365日、24時間、イヤ~~な感じ。

ホント、イヤ~~~~~~な感じがする。

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風呂は、外に取り付けてあるタンクから灯油で焚く仕様になっている。

風呂場の脱衣所から一段降りたところに、外へ続く扉がある。

だが、私はその一段降りたところに立ち入ったことはない。

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少なくとも、扉が閉まってる時には絶対に。

何故か分からないが、ソコもイヤなだけ。

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その部屋に寝るとイヤな事しか起きない。

それが冒頭の(まただよ・・)に続く。

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来客があったため、私は仕方なく二階の部屋で寝ることになった。

布団を敷いて、潜り込む。

起き上がった状態で、部屋の電気を消せる勇気などない。横になってても手を伸ばせば届くところまで紐を長く垂らしている。

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・・カチカチカチ・・全消灯。

何も見たくないから、豆電気を点けたくないのだ。

階下での笑い声が聞こえる。

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外面の良い父は、来客があると上機嫌だ。

その笑い声や、話声が微かに聞こえる中、別の音が混じる。

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その時によって違うのだけれど、読経の声。外人女性の助けを求める声。男の唸り声から鈴の音、果てはネコの鳴き声まで。数え出したらキリがない。

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今日は、読経だ・・・。

抑揚をつけながら、経を読む声が聞こえてくる。

遠くなり、近くなり、また遠ざかると、唐突に耳元で大音響になる。

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(コワイよぅ~~すんごくコワイよ~)

涙目になりながらも、小さく悲鳴を上げながらも、母が二階へ来てくれるのを待つ。

とてもじゃないけど、眠ってなどいられない。

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私なり、沙羅兄なり、どちらかが二階で寝る時には、必ず母が付き添って寝てくれる。

普段から父は元より、兄も私も「二階はイヤ」だと言って怖がって近づかないから。

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「お母ちゃんは、一番落ち着いて眠れる」と言うのだが・・・・。

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本日の読経ver.は、いつもと違うアレンジらしい。

ご丁寧に木魚までオプションだ。

時折、大きな鈴を叩く(ゴーーーン)も。

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その(ゴーーーーーン)に呼ばれるように悲鳴があがる。

(Help me~~!Help me~!!)

(・・oh my god・・please!plea~se!)

(・・・No~~~~~~!)←涙声

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心に余裕がある時の、外人女性ver.ならば、(ここん家もグローバルだよねぇ)とか思えるのだが。。

布団を頭まで被っている、そのすぐ耳元で読経が聞こえてる状況では、余裕なんてない。

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『お母ちゃ~~ん。。早くぅ~~』と縮こまっているしかない。

階段を上がってくる音と気配に束の間ホッとした。。が、しかし。階段手前の廊下との境目にあるドアを開ける音がしなかった事に、ハッと気付く。

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あのドアは、毎度軋むのだ。

蝶番が少し錆びてるのか、若干の歪みがあるのか分からないが、いつも軋む。

・・・ギィィ~~~・・・と。

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何が来る?いつもの黒いモノだろうか・・

細い方?太い方??

枕と掛け布団の隙間から部屋の入口が見える。

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・・ホントは、その隙間さえも怖いんだ。

でも・・・何者なのか確認したくもある。

~~

そして階段を途中まで来て頭だけで部屋を覗くモノを見た。

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・・・布団を握りしめたまま・・・

気を失った。

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