中編5
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蝕むモノ4~母の初体験~

《蝕むモノシリーズ》を読んで下さった皆様、ありがとうございます。

今回は、番外編にしようと思いましたが、少々長くなりそうなので、4にさせて頂きました。

ご興味のある方は、どうぞ・・

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《蝕むモノ》の中で、台所に居る母が

『うわっ』と言ったことに対し、何か疑問に思った方はいらっしゃいますか?

今回は、主にソコを書いていきたいと思います。

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・・あの最悪な夜。

猛烈な眠気と闘いながら揺れていた頃。

叔母が私の頭上を払っていた頃。

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叔母曰く、沙羅が眠ってしまった頃、

<黒いの>は姿を消した。

兄から全てを聞いて、早速<先生>から言い付かったことを実行しようと思ったのだそうだ。

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沙羅宅へ到着し、学校へ私を休ませるための電話連絡を入れ、線香などの準備をしていた時に、私の悲鳴が聞こえたので少々慌てたそうだ。

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暫くの静けさの後、私が叔母を呼びに来たので入っていった。

沙羅父に「昨夜の出来事は覚えているか」などの質問と、「子供達にまで手を挙げるなんて最低だ」などの説教をしてくれたらしい。

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午後になり、母が早朝からのパートから帰宅した。

その頃になって、やっと目が覚めた私だった。

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・・ねぇ?台所で悲鳴上げたそうだけど、何したの?

そう問いかける私に、母は少し興奮気味に話してくれた。

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あんた達の朝御飯と、自分の弁当を作っていた。

味噌汁用のネギを刻んでる最中に、誰かが両手でアタシのお尻に触った。

お父ちゃんが悪戯してるんだと思ったから、振り返りもしなかったんだけどね。

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その手は、お尻から、ゆっくり撫でる様に真っ直ぐ下に降りて行った。

太ももを過ぎて、膝の辺りに来たら、いきなり!

ホントいきなりね、物凄い力で膝の後を押されたんだよ。

足が、ガクンってなって、あと少しで手を切るとこだった。

それで「うわっ」ってなったの。

(・・膝カックン・・されたのか・・)

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てっきり、お父ちゃんだと思ってたから文句言おうと思って振り返ったけど、誰も居ないし。

それに台所の戸も閉まってたし・・

あーゆーのが、あんた達には普通なの?

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「ん~?まぁ~~・・普通じゃないから、ウチらは<変な事>って言ってる。でも怪我しなくて良かった」

そう言った私に

うん。手を怪我したらパート行けないもの。

見てよ。この膝。ぶつけて痣になっちゃった。

とブツクサ言う。

母は、調理関係のパートだったので、衛生上の問題で《手の怪我》はご法度なのだ。

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・・・少し、時間を巻き戻してみよう。

私が揺れている頃、母は散乱した部屋の片付け。

私が眠ってしまった頃、父の顔を覗き込んでいた何者か。

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台所での母の悲鳴(?)そして、そのすぐ後に母は出勤。

その後、何度も父の顔を覗き込むモノ。

・・・・

そして私と叔母が到着。

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恐らく『話を聞かれたくない何者か』が叔母の持参してきているものを怖がったのだろう。

邪魔したかった。

そんな推測を立ててみる。

以下、ヤツの思惑の推測。

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私と兄が、叔母のところへ行こうとしている。

話は聞かれたくない。だから一緒に着いて来た。

妨害を図るものの、結局暴露されてしまった。

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沙羅宅へ一足先に戻って、父の様子を窺う。

寝てるのか?起きてるのか?

何度も顔を覗いて確認する。

・・ついでに母へも危害を加えようとした。

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母が怪我をすれば、病院へ行くだろう。

ペーパードライバーだし、依り代の父が送っていけば沙羅宅は留守になるはず。

だが、失敗に終わる。

叔母の持参物(凶器)が避けられないことを知る。

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居心地の良い場所に、日々供物が上がる。

忌々しい。

・・・こんな処だろう。

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一方、私は仏壇にも御神酒を上げていた。

《蝕むモノ》で私のいう『祖父』は、実は血の繋がりがない。

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仏壇には、戦死してしまった『実祖父』が入っている。

(おじいちゃん。見守ってて)

そんな想いで供えていた。

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仏壇の横には、一人掛けのソファがある。

時々、そこで丸まって昼寝をすることもある。

・・その時も、そこで昼寝をしていた。

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いきなり、バゴッと衝撃があって目が覚めた。

ソファの真上に飾っていた『祖父の遺影』が頭上から落ちてきたのだ。

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平面で当たったため、痛くはなかった。

裏面の紐が切れたか?と思ったが切れてない。

じゃぁ、鴨居の釘が抜けた?

・・が、抜けてる訳でもないし、斜め上に向いて打ち込まれたままだ。

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変だな??と思いながらも遺影を掛けなおす。

しっかりと。

数日後、また同じ事が起きた。

今度は遺影の額縁、角が頭頂部を直撃。

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(・・・・痛ってぇぇ~・・)

確認するも、やはり落ちてくる要素がない。

(おじいちゃん、御神酒が気に入らない?)

そう思って、御神酒だけ撤収。

二度と同じ現象は起きなくなった。

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それはそうだろう。

御神酒の撤収から何日もしないうちに、仏壇ごと庭に放り出されていたんだから。

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学校から帰宅してみると、割れた窓ガラスが段ボールで塞がれていた。

庭には、仏壇の変わり果てた残骸があった。

どうしたのか聞くと、母は怒りと悲しみの表情で告げた。

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お父ちゃんが、昼間大暴れしてね・・。

いきなり仏壇を『こんなもの、こうしてやる』って投げ捨てたんだ。

おじいちゃんの遺影まで・・・。

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(・・・あのヤロ~・・・)

父に対してではない。父を操るモノに対しての怒りだ。

物を壊そうが、無くそうが、念だけは届く。

私はそう信じている。

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残りの御神酒と粗塩を大量に持って、あの場所へ向かった。懐中電灯も忘れずに。

365日、24時間、イヤな場所へ。

真新しい電池に入れ替えてGO。

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これでもか!!ってほど塩を撒き散らし、御神酒も一直線を描くように通路にまいていく。

懐中電灯は不規則な点滅をしていたが、気にしてる場合じゃない。

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それでも・・・残念ながら・・

これっぽっちも、スッキリなどしなかった。

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母の初体験(膝カックン)の後。

少しだけ、不思議なこともあるもんだ。と理解はしたようだ。

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・・父が亡くなってから、一人暮らしの母。

時折、話すことがある。

・・なんか、変な音とか聞こえるんだっけ。

・・墓参りに行くたび、何か変なコト起きる。

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・・・母が干渉されないことを祈る毎日。

依り代にされる一歩手前との印象を受けるのだけれど・・・。

それでも、祈らざるを得ない。

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マコさま
はじめまして(^^
コメント&コワイをありがとうございます!
また、母への祈りも頂きまして、感謝です!!

全て、実際に体験した事ばかりなのですが、文章にすると怖いのも半減する気がしますねww
よろしければ、今後もお付き合い頂けると嬉しいです♪

はじめまして!

沙羅さんの書く文章は、真実味が有り怖いですね!

お母さんに危害が及ばないよう祈るだけです。

怖い 付けさせていただきました。