中編4
  • 表示切替
  • 使い方

デカイ・・

高校・・確か2年か?

制服からすると、恐らく秋頃だったと思う。

授業中だった。

nextpage

先生の声だけが響く静かな教室内に

「う・・う”ぇぁ~っっっ!!!」と、何ともグロテスクな同級生の悲鳴?が上がった。

教室内、教科書を見ていた全員がその子の様子に驚き顔を上げた。

nextpage

もちろん、私もその中の一人。

その子は席から立ち上がり、窓の方を指差していた。

先生も含め、全員、その指差す方を見た。

nextpage

私もチラリと見て・・・・

「どぅっお”~っほ~~!」と訳の分からない驚きの声を出してしまった。

nextpage

指差す先には、ベランダとの境の窓。

ここは3階。ベランダの向こう側は中庭だ。

ソレは、ベランダに『あった』

nextpage

最初に奇声を上げた子は、私の方を向いた。

「さ・・さ・・沙羅っちぃ~見えるよね?」

クラス中の目が私に刺さる。

先生までも。。だ。

nextpage

驚いた反応を出してしまったことを、物凄く後悔した。

『・・反応さえしなきゃ、気のせいとか見間違いで済ませられるのに』

nextpage

窓際の席の子達も、もう半分席から腰を浮かし逃げられる態勢になっている。

口々にいう。

「沙羅!なんなん?」

「沙羅っち!何がみえる?」

「沙羅ってば~~~~!!」

nextpage

先生の顔を見ると、先生も「何か見えるか?」と。

仕方なく、目の前に見えているものを告げる。

「・・・デカい顔。オンナ。」

人差し指で、顔の輪郭に沿い○を空中に描く。

nextpage

デカい顔は、本当にデカかったのだ。

窓枠からはみ出るほど。

顔の左半分が窓の外に『ある』。

あまりの大きさに驚いただけなのに。

nextpage

腰高窓から見えるのは、唇の端の方だけ。

目も、鼻も確認出来ない。

輪郭を描いた途端に窓際の子たちは、一斉に廊下側の席まで悲鳴を上げながら逃げてきた。

nextpage

最初の子は、立ったまま、固まったままだ。

一応、状況報告を言葉に出す。

目も鼻もナイこと。唇だけはヤケに赤い事。ベランダの中にいること。

nextpage

最初の子は、私と同じモノを見ているらしい。

時折、カクカクと頷く。

ソレは、そのまま消えるんだと思っていた。

nextpage

予想を大きく外れ、ソレが教室内に入ってきた。

デカい顔だけが。。

nextpage

「・・・あ。入ってきた」

私の呟きと同時に、最初の子が耐えられなくなったかのように叫び始めた。

「うぎゃ~~~っ!ぎゃ~っ!ぎゃ~っっ!!」

まるで叫べば恐怖が無くなるかのように。

nextpage

釣られたクラスの子まで泣き叫び、教室中がパニックとなった。

私にしがみついてくる子も数名。

「何とかして!何とかしてよぉ~!!」

nextpage

ブンブン揺さぶられるが、何も出来るはずがない。

私に出来るのは、実況中継だけだ。

左半分のデカい顔は教室内に入り、近づいてくると

ニヤリと唇の端を上げ、下の階に落ちていくようにストンと消えた。

nextpage

「・・・落ちてった・・もう居ない」

『もう居ない』と言っても、クラスの中は騒然としている。

「もう!ここには居ないからっ!!」

大声で叫ぶと、静かになった。

nextpage

次の瞬間、下の階から悲鳴が上がってきた・・・。

その悲鳴に釣られ、また私の教室内も悲鳴が上がる。

nextpage

「いい加減にしろっ!!」

教科書で教壇を叩く先生の声で、また静かになる。

「沙羅。お前、保健室に運んでやれ」

nextpage

最初の目撃者は、少しでも「アレ」から離れたいんだろう。

椅子の上に蹲っていた。

その子を保健室に・・と顎で指示されたのだった。

nextpage

私は自分の席を立って、促した。

「・・ほら。行こう?もう大丈夫だよ」

フルフルと首を横に振って蹲ったまま。

肩を撫でても、背中をさすってもダメだ。

nextpage

「こうしていれば、落ち着くんじゃないですか?私の方が熱出てきたんで、私が保健室行ってきま~す」

本当に頭がクラクラする。

nextpage

額に手を当てながら、まだ悲鳴が続く2階の階段も下り1階へ。

保健室までの距離感が判らない程クラクラしている。

nextpage

コンコン・・

小さくノックをして、保健室へ入る。

私の顔を見るなり、保健の先生は「酷い顔色!寝てなさい」とベッドへ誘導してくれた。

nextpage

パフッと薄い掛け布団を捲り、重い体をベッドに引き上げる。

横になり、寝返りで中庭の方へ体を向けた時。

nextpage

両手を顔の横にビタンと窓に押し当てた「ソレ」と目があった。

・・ような気がした。

目も鼻も無いのに。。

nextpage

通常の人間大になったソレは私の姿を見ていたんだろう。

また、さっきのように<ニヤリ>と唇の両側を大きく上げてパチンと消えた。

なんなんだアイツ。何がしたかった?

nextpage

何もわからないまま、放課後になるまで私は眠った。

クラスの子が何人か、様子を見に来てくれたようだったが気付くことなく眠った。

nextpage

放課後になり、先生に起こされ帰宅したのだが・・

熱はなかなか下がらず、2日間も自宅で寝てるハメになった。

「・・・ココの方がヤなんだよなぁ~」

とか思いながら・・。

Normal
閲覧数コメント怖い
1,13410
12
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ
表示
ネタバレ注意
表示
ネタバレ注意

マコさん
いつもありがとうございます~(^^
『斜めの世界の住人』なんか、いい表現ですね!!

確かに、あまり自分から干渉したくないモノには違いないです。
そして、くっついて来ないでくれたことには有りがたかったです!

はなさん
いつもありがとうございます(^^

やっぱり、「話しかけられても無視」が一番なんですかね?
自分の対処法が一々正解だったのか、正直判らないので、同様の処置をされている方がいると聞いて
少し安心しました(^^

「殺される夢」って、夢占いでは「再生」を意味すると聞いたことがあります。
ただ・・あちらの方に殺されるのは、いくら夢でも怖い事この上ないですね・・
ちょっと鳥肌立ちました^^;;;;

沙羅さん

なんとも奇妙な出来事でしたね。

そのモノに浸かれないで良かったな、と思ったのが感想です。

取り分け、斜めの世界の住人なので余り干渉したくないですよね!

私の友達も、学校はよくでる~!!と言ってました。
肌の焼けた女の子や、同じのように授業中窓から女の人が這ってきたりと、見えるが故にとても大変そうでした。
沙羅さんと同じく、話しかけられても見えない振りをしなきゃ…と言ってましたね(´θ`llll)

一番怖かったのは,その子がいつも同じ女の人に、様々なパターンで殺される夢を見るんだ、、と相談されたときです。いまも元気なのだろうか…
話はそれましたが、次回の体験談も楽しみにしております!!

牡丹さま
いつも読んで下さってるのですね!
ありがとうございます(^^)

学校というのは、沢山の人々の感情や様々な念が多いので、ホントは、もっと沢山あっても良さそうなんですよ(個人的意見)

この時の件は、最初の悲鳴の子と私だけが見えてました。
パニックにしてしまったのは、私のせいです(T_T)
また、別件で、この子が【見える】と騒いだ事も有りましたが、私には全く見えず。

不思議な事ばかりが、目白押しですね(゜_゜;)

私のUpしたもののあちらこちらに、沙羅宅は出る。と書いてきましたが、外で出くわすものの方が、実はコワイです(涙)

クラスメイトの、その後は至って普通の生活でしたよ(^^)

また学校での体験、Upしますので、お目通し下さると嬉しいです♪

仲間さん
いつもありがとうございます(*^^*)
ホント、いきなり丸投げされても困ります(゜_゜;)

アンビリ体験には、今生きている人間より、アチラの方々の方が、数的に多いのですから、様々な体験があっても不思議じゃない気がしますよ~

感情や心を持つ全てのモノは、器を無くしても存在してるのだと思っちゃいます(>_<)
せめて自分は何の未練も持たずにアチラへ行きたいもんですねぇ~

表示
ネタバレ注意

そういう類で、いきなり話を振られても困りますね(汗)
そして、驚いた反応を示してしまったことに対して、自分に対しての苛立ちを・・・

これは、沙羅さんだけに限った事だけではないのですが、
何故皆さんそんなに、恐怖体験「アンビリーバボー」的な話を体験しているの?
って、最近思えました(笑)
持ちネタ多いなぁ・・・・