中編4
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飛ばしちゃったね・・

あれは。。

私が第二子を諦めざるを得なくなり、心身ともに参ってる時の事。

『私もあの子と一緒に・・』などと思い詰めていた頃。

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娘と遊んだりしていても、心は上の空。

食事も摂れず、夫と娘の食事を眺めながら、

何とか娘と『今日はどんな日だったの?』なんて話しつつ、一生懸命答える娘の話に生返事しか返せなかった頃。

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また、<ラーメンの旅>に出かけた夫。

重い体を引きずるように、洗濯物を片づけていた。

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その頃の私の記憶は、非常に曖昧だ。

気付けば、三谷さん宅へ遊びに来ていた。

夜も20時過ぎの事。

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ラーメンの旅に出かけている、三谷さん、夫、もう一人の友人。

三谷宅に居るのはショウコちゃんと、その娘のナナちゃん。

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私は、黙々と洗濯物を畳んでは、片づけに忙しい彼女を見つめていた。

「ナナ!早くお片づけしないと!」とか

「早く寝なさいよ」とか元気に声を掛けるショウコちゃんをみてた。

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旅に出た3人を送り出して、小1時間も経った頃だったろうか?

三谷宅の電話が鳴った。

ショウコちゃんは、急いで受話器を取り上げる。

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「はい♪三谷です・・・はぁ???アンタ、一体誰に電話してんのっ!!バっカぢゃない?フザケンな!」

と、何故かブチ切れて受話器を戻す。

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そして、今まで私の隣で洗濯物を畳んでいた続きに取り掛かるために、部屋をドスドスと怒気を含めた歩き方でやってきた。

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『ったく、な~にが、<彼女~?頑張ってるぅ?>よっ!誰と間違って電話してんのよっ』

まぁまぁ・・男なんだし、少し多目に見てやりなよ~

なんて話しかけても『あ~っ!ホントあったまに来るっ!』

と言っては、ナナちゃんにヤツ当たる。

「もう!早く寝なさいってば!!後の片づけはママがやるからっ!」

「ほっほ~い♪」とか言いながら隣室へ向かうナナちゃん。

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洗濯物の一部を私は握っていた。

こんな怒ってるショウコちゃんを見るの初めてだな~なんて思いながら。

畳みかけの洗濯物をショウコちゃんに奪われるのも、気にしないでいた。

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時計を見ると、もう22時を回るとこだったし、私は帰る事にした。

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後日、その出来事が問題になるとは夢にも思わなかった。

しばらく経って、ショウコちゃんから

美味しい豆が手に入ったから、お茶しに来ない?と。

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コーヒー好きな私は勿論二つ返事で行く約束をし、家族3人でお邪魔したのだった。

ショウコちゃんと一緒にケーキとクッキーを焼いて、子供たちに与え、私たち大人はコーヒー。

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お茶してる間に、ショウコちゃんが口を開いた。

「ねぇ!沙羅ちゃん聞いてよ~!」

「こないだのコヤツらの旅の時にさ~~<か~のじょ>って電話があってさ~」

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その場にいた私は、事の一部始終を知っていたので、ショウコちゃんの言葉を遮って話した。

「知ってるよ~ww電話、ガチャ切りしてたもんね」

「・・・え?どゆこと・」

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「ん?ホラ~<どこの女と間違えてんだ!>って怒ってたでしょ?」

・・うん。

で、怒り心頭で、あそこに山積みになってた洗濯物片づけてさ~

ナナちゃんのことも寝かしてさ~(云々)

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その時の状況を、覚えている限り私は話した。

意外な回答が返ってきたのは、その時だ。

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・・あの日、誰も来てなかったのに・・

・・え?(不思議顔になる私)

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・・この話、あんまカッコいい話じゃないから、誰にも話してないんだけど・・

・・え???だって、私。。私。。

(ソコに居たのに・・)

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困惑してる私に夫が言った。

「なぁ?そん時、車で来たの?娘は?」

・・・・・そういえば・・・・

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私は、夜出かける時は必ず娘を連れてくる。

が。あの日、我が家の娘の姿は無かった。

どうやって、三谷家に来たんだろう?

どうやって、帰宅したんだろう?

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余りにも、曖昧すぎる自分の記憶を必死に辿ろうとする私に、三谷さんが一言。

「・・沙羅ちゃん?飛ばしちゃったね?^^」

・・・ナニ?ナニを飛ばしたの?

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夫も言う。

あの日、お前がここに来れる訳ないんだよ。

ウチの車で出かけてるから、お前は車で来れない。

迎えに来てもらってるハズもない。

ショウコちゃんの車は、修理に出してるしな。

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もう、何が何だか訳が分からなくなった。

三谷さんが言う。

「想いをね、飛ばしちゃったんだよ」

「あの日、ってか、ずっと寂しかったんでしょ?」と。

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私は、しばし呆然としつつも空気を変えたくて得意の営業スマイルに切り替えた。

「あはっ!なんか気のせいだったかもかも~~www」

ショウコちゃんも乗ってくれた。

「そうだよ~~~(^^気のせい!気のせい!!」

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三谷さんは、隣に座る夫の後頭部を一発ポンと叩いて「お前がさ~もうちょっと沙羅ちゃんの事考えてやればよかったんだぞ~~ラーメンなんて、いつでも行けるんだからさ~」

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そうだそうだ!とショウコちゃんも夫をからかうように言う。

コーヒーのお替りをして、帰宅した。

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『私・・生霊・・?飛ばしたの??』

眉根に皺を寄せて考え込む私を珍しく気遣ったのか、夫が言う。

「あんまり、思い詰めんなよ?メシ食って帰ろうっ!」

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ファミレス・・ヤだかんね。

そう呟く私に夫は頷きながら、車は走る。

回転寿司。。へ。。

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マガたん♪
いっぱい読んでくれてありがとねぃ♪

この頃は、私は抜け殻だったんで、ほんと記憶薄いんだけどね~~
もう、今は昔のお話ですぞwww

ダラダラ書き散らかしてるだけだから、読んでもらえるだけ、コメもらえるだけで超ハピー♡
気にせずにね(*^^*)

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あ~誤字でしたorz・・

詰め=爪  です<(_ _)>

宵闇さん
いつもありがとうございます(*^^)v

確かに無意識に飛びますね~~
私も、執着心からの『飛ばす』は、一度だけでしたが・・・
不幸にする気なんて、詰めの先ほどもナイですよww
『どうしてるかな~~』って思った時に、飛んじゃっていました(^^

宵闇さんの「飛ばしちゃった話」も是非、読みたいです♪

私もよく飛んでますね(笑)
無意識に気になる所に飛んで行くという感じでしょうか?
決して生き霊飛ばして人様を不幸にする気なんてありません(>_<)

あんみつ姫さま
コメント&コワイをありがとうございます。

浮遊するから、器に戻ったときに重力?が加わって重くなるのかな~
なんて思ったりします(^^

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仲間さん
いつもありがとうございます(*^^*)

幽体離脱。。。
そう言われれば、そっちなのかもしれないです(^_^;)

【飛ばしちゃったね】って言われたのが強烈で、生霊だと思い込んでいました~www
天然ですねぇ~私ってば(* ̄ー ̄)

りこさん
いつもありがとうございます(*^^*)

本体.....どうなんでしょう?
この時の事は定かじゃないんですが、他の時は眠っている時、ボンヤリしてる時なんかでしたね~

ヤケにハッキリしてるので、実際に居合わせた感じがするんです。

牡丹さま
ありがとうございます(^^)
怖話デビューですね!

私も実体験しか投稿してないです。
是非、その体験も載せて下さいな(^^)

す、凄い(゜ロ゜;
そんな話し初めて聞いた・・・
生き霊とは、本体とは別々の意識だと思ってたんですが、読んでる限りでは幽体離脱のように感じました。
同じエネルギーだから、もう一方にも意識を飛ばせると言う事なのでしょうか(汗)
気持ち的には、やってみたい…幽体離脱も含めて…ぶっちゃけ、面白そう(*´∀`)

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