中編5
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・・あの足音・・

今から2年程前の事。。

前職場での出来事を・・・

『迷い込んだモノ』の職場だったとき。

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9時~5時の超勤ナシ。

実質は、それじゃ全然足りない時間。

誰より早く来て、全員帰った後の施錠も私の役割。

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大体、6時には何とかビルを出られるような状態だった。

『早く帰りたいよぅ~~』

慣れない毎日の激務に圧倒され、帰宅したら残りの仕事をUSBで済ませる。

食事もロクに摂れないまま、疲れ果てて眠る。

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そんな日常の中・・

いつものように、1Fフロアの2重の自動ドアを施錠。

エレベーターで4Fまで上がり、屋上への扉が閉まっていることを確認。

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4Fは、名ばかりで屋上への扉と、何故か知らないが、WCがあるだけ。

誰が開けるのか知らないけど、屋上への扉の鍵が開いていることが多かった。

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1Fには警備が別になってる部分にテナントさんが1件。

2Fには2部屋使用されているが、通常は16時で2Fは無人となる。

3Fは、私の職場だ。

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事務室があり、隣の部屋は会議室。

会議室の一番奥に長テーブルやら、椅子やら会議時のマイク等が保管されている大型書庫。

私は、この書庫が大嫌いだった。

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昼間でも薄暗い上に、何となくイヤな臭いがする。

磁場が悪いのか、書庫の扉を開ける時には必ず軽く眩暈が起きる。

・・だから・・キライだった。

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その書庫のある会議室は、直接廊下へ出るためのドアがあり、毎日使用の有無に関わらず、開けなきゃいけないし戸締りも必須。

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そして冬場のある日・・

いつものように、1Fの自動ドアの施錠をし、

4Fのドアも確認し、会議室も施錠し、書庫の中も電気を点けて誰も人が潜んでいないことを確認し・・

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理事長室を抜け、事務所内へと戻ってきた。

時間は、まだ18時前。

けれど、陽が落ちるのも早く17時には真っ暗になっていた。

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・・ふぅ・・全部回るの、結構キツいな・・

パタン・・ペタン・・パタン・・

・・?

男性用サンダルを踵を少し引きずるような足音がする。

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思い返してみる。

1Fは施錠した。テナントさんは、別ブロックだからこちら側には来ない。

2F・・誰か残ってたのかな??

ま~いっか。挨拶だけして帰ろう。

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そして事務所の窓や、空調の電源等の切り忘れを指差しチェックして、事務所の施錠と警備システムを作動させる。

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パタン・・ペタン・・パタン・・

パタン・・パカン・・パタン・・

・・やっぱり2Fか??

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警備システムを作動させた瞬間に、2Fにあった足音が間近に聞こえた。

!!!!!!!!やだっ!!!!!!!

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廊下の電気は点いている。

螺旋階段から覗き込むけど、2Fの音じゃない。

この足音・・まさか・・会議室???

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ドアに嵌め込んである幅20cmほどの縦長の窓から会議室を覗く。

恐る恐る・・・・

パタン・・ペタン・・パタン・・パタン・・ペタン・・パタン・・

パタン・・パカン・・パタン・・パカン・・パタッ・・

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立ち止まったようだ。

だが・・何も見えない。

ブラインドの隙間からも何の光も入ってこない。

あるのは、外階段に通じている非常口のグリーンの電気だけ。

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全身に悪寒が走る。

『たった今、会議室チェックしたもの・・』

『誰も居なかったもの・・』

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結構、体重の重そうな足音。。

一度立ち止まった足音は、また歩き出した。。

パタン・・ペタン・・パタン・・パタン・・ペタン・・パタン・・

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・・・ひっ!!!!

悲鳴にならない喉の奥がキュッっと縮む。

さっき間近に聞こえた足音は、もっと間近に聞こえたのだ。

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私が会議室の中を窓から窺ったのを知ったかのように。。

ドア越しに、ソコに居るかのように。。

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私は、反射的にドアから身を離し、反対側の壁にもたれた。

後ずさりするように、廊下の電気を手探りで探す・・

足音は、変わらず聞こえている。

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『ど・・どうか2Fに誰か残ってますように』

祈る気持ちで、3F廊下の電気を消すと同時に螺旋階段を駆け下りた。

2Fの一番奥側しか、最終的な出入り口が無いのだ。

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走りながら、使用されている部屋の警備システムがロックされているか横目で確認していく。

全部屋、緑色。ロックされてる。

『嘘!嘘!!なんで?なんで?』

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最終的な外への出入り口には、集合的な警備システムの確認ができる。

手が震えている。。

一つずつ、ここOK・・ここもOK・・

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全部システムロックされているのに。。

何故、あの足音にアラームが反応しないんだろう?

ロックしてしまえば、熱感知から赤外線やらで、確実に警備会社に通報が入る筈だ。

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・・・まぁ、もういい。

これで2F廊下の電気を消してしまえば、私は外に出るだけなんだから。

・・・。

コワイ。。コワイ。。コワイ。。

軽いパチンという音で、ビル内が真っ暗となった。

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最終ドアは、鉄製でかなり重たい。

が、一度施錠してしまえば、外側からしかロックの解除が出来ないのだ。

ロック解除前に、誰かがこのドアを開ければ、けたたましいアラームが鳴る。

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重いドアに体を預けるようにしてドアを開いた。

パタン・・ペタン・・パタン・・パタン・・ペタン・・パタン・・

!!!!!キたっ!!!!!

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急いでドアの隙間から体を外に出す。

急いでドアに全体重を掛けてドアを閉める。

震える手で、鍵をかけ、、システム作動させる。

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・・あぁ・・やっと帰れる・・

外の螺旋階段の手すりに寄りかかりながら

体がズルズルと座り込んでしまう。

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車のキーを探して、コートのポケットに手を入れた。

バンッッッ!!

ドアを内側から蹴る音がした。

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もう声も出なかった。

螺旋階段を滑るように降りて、自分の車に乗り込む。

急発進で、広い駐車場をグワリと転回する。。

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大通りに出て、やっと強張った腕も足も背中も溶けてきた。

このビル。。。

元々変な事なんて無かったはずなのに・・・

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後日、こんなことがあった。とパートさんや上司に話した。

・・上司にメッチャ叱られた。

足音がしたなら、誰かがいたはずだ。

何故、それを突き止めなかったのか?と。。

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あの状況で、発報アラームも鳴らさずに歩けるのが、本当に『人』だと思ってんのコイツ??

上司に対して、一気に信頼を寄せられなくなった一件だった。

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鏡水花さん
おっはよ~ございま~~す♪
おかえりなさい(*^^*)
お父様、ちょっとだけ落ち着いたんですね★(o゚∀`从'∀゚o)★
少しホッとしました~~!!!
未だ楽観できないのは・・コレばかりは祈るのみですね。
今しかできない事、を全力で頑張っていきましょう (o`・ω・)o 

バツイチOLになって、初めての脱兎でしたww
ワタクシ、意外に素直な部分がありましてぇ・・
『やれ』と言われると、手を抜くことが出来なくなるんです(*-∀-)ゞ
厳重に戸締り!と言いつかった以上は責任は私にある訳で・・

あのクソ上司、今の上司に似ていたりします^^;;;
年齢的にも近いので、『この年代特有か?』とも思うけれど・・
言う事・やる事似ているので、今も辟易してますε-(‐ω‐;)

周りからは、今の会社もちょっと考えた方が・・とは言われるんですけどね~
もう<正社員で>ってのは難しいかと・・とりま2月までは辞めるにしてもデメリットが大きいので
しがみついてるしかないのが何とも^^;

沙羅さん、おはよー( ´ ▽ ` )ノ
父の容態も少し落ち着きを取り戻しましたので、ボチボチ復帰です!
まぁ…未だ楽観は出来ないんですけど(^_^;)

って…

朝になって読んで正解です(T_T)
怖かったぁ(T□T)

そんな足音聞きながら、ちゃんと戸締り確認出来るところが沙羅さん!
私なら、速攻バッグ抱えて逃げ出してますってε=ε=ε= ┌(;´゚ェ゚)┘

それにしても、皆さん仰る通り…
上司…

本当、クソ野郎ですね(キΦдΦ)

牡丹さん
いつもありがとうございます(^^

多分・・『クソッ!!』だったんだと勝手に思ってました。
ドアを蹴られた時は、怒りを感じましたので・・・
歩くペースも変えず、すぐ側まで来れてしまう事に戦慄でした~^^;

イヤだと思う。恐いと感じるモノは、今まで『良い』モノだった試しがありません。
直感には、不思議な力があると思えてならないですね~

それは、この世のモノも同じです。
<この人、苦手>とか思うと、案の定だったり・・。
そーゆーのは、思い込みも加味されてるんでしょうけどね~

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mamiさん
いつもありがとうございます(^^

近所の不審者騒動がなかったら、恐らく施錠も放り出していたと思います^^;
この時は、焦るやら何やら・・パニクってましてww
とにかく自分の落ち度が無かったか確認が先でした(T T)

あんな上司で一事が万事でしたので、後で責められたらイヤですしね~~

仲間さん
いつもありがとうございます(^^

もっかい仲間さんのお話読み返そっっと♪
ちゃんとアクションしてない気がするし(^^;

音だけの時は、本当に想像だけが先走るのでイヤですね(T◇T)
夜勤時・・あ~~ヤダヤダ(怖)

お久しぶりです。
沙羅さんの責任感の強さに脱帽です。いや、敬礼です。
一日くらい施錠しなくても…いや、したことにすれば!と、私なら逃げます。
一番怖いのは、この上司ですね。呪われてしまえ!!

私の場合はその足音、実家でありました(汗)
一応、その内容は昔に上げたので、読んでいただければ幸いです。

あの時は、ドン!!って感じで地団駄を踏みながら歩いてきやがりましたけどね(汗)
職場か・・・沙羅さんが体験した事を今の職場で鳴られたら終わりだな・・・
夜勤で16時間勤務が待ってるので、ガクブルしながら朝を迎えざるを得ない(汗)
私の場合一番の恐怖を感じるのは見えて、かつそれが追ってきた場合・・・ですね
考えただけでもゾッとしそうな気がorz

マコさん
いつもありがとうございます(^^

マジですか??
ソレ・・UPしましょうよぅ~~~(T□T)
一人じゃ怖いですもん!!!

沙羅さん、またもこえーなー!

以前、そんな感じのことが学校でありました。
誰もいない図書室から足音だけ聞こえて来るんですよ。それも、図書室専用のスリッパの音が…。

そん時はダッシュでしたね!あー、怖!

まりかさん
いつもありがとうございます(^^)

んも~~~~マヂでっ!マ~ヂ~でっ!!怖かったです(泣)
1Fテナントさんは、夜中まで残っているのですが、そのブロック以外は全部施錠してしまいましたから・・誰も助けに来れないというか・・

これを封切に、色々と大っぴらに『変な事』が次々と起きていきます。
チマチマUPしていくので、良かったらお付き合いくださいませ(+^^+)

ひぃーーー:((;っ´°Д°`c);:怖すぎる!!

アタシだったら何も見ず施錠もせずビルの外に走り出て、誰か一緒にまわってくれる助っ人を探すかもーーー

一人でそんなとこまわるなんて、絶対できませんよーーー

沙羅さん怖かったですね(っ*>ω<))ω<*)

宵闇さん
いつもありがとうございます(^^)

この一件の少し前に、ビルの近所で不審者の通報があったので、見回りは厳重に!とよく言われていたので・・
何とか覗きましたが・・・

最終的には、またしても『脱兎』でしたww
へなちょこ沙羅登場です(^^;
コワイ時は、逃げるんだぁぁぁぁぁ~~(T◇T)

ゆ さん
いつもありがとうございます(^^

ホント、この時ばかりは、上司に怒りを覚えましたね~~
『警察官OB』の天下り先ですから・・
自分なら、ちゃんと見て回る。って豪語してましたが・・・

私は、半分チビってましたwwww

いや〜怖いです!
私だったら会議室覗く勇気なんてありません(>_<)気がつかないフリ作戦を押し通してそうです。
沙羅さん逃げて〜と叫んでしまいました( °Д° )
しかし上司が酷いですね!
自分がそんな状況だったら確認出来るのか?!って聞いてやりたいです!

怖い思いをされたと思いますが、沙羅さんが無事で何よりです(๑•̀ㅂ•́)و✧

怖い思いをされましたね。
私なら施錠もせず飛び出しそう^^;
その上司、ならば貴方ならしっかり確認出来たの⁉︎と聞きたいですよね。
でも、紗羅さんご無事でなによりです。