中編4
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ドライブ

ちょっと離れた場所にある親戚宅へ、祖母を迎えに兄に同行した時の話。

結構時間がかかるので、溜りに貯まった愚痴やら笑い話やらで兄とのドライブを楽しんでた。

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小さい時こそ、喧嘩ばかりしてましたが、今はそれなりに距離感を保ちつつ仲が良い方かと。

そして、ある峠に差し掛かった時。

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私は言いようのない不安感に襲われ、無言状態になる。

兄も、ついさっきまで笑いながら話していたのに黙る。

峠道の、ちょっとした休憩所?のような所で兄は「一服しよう」と車を停めた。

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別に兄の車が禁煙車な訳ではない。

窓さえ全開にすれば、適当に吸ってよい車。

車を降り、外に出る。

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鬱蒼とした松の木林が道路の向こう側にある。

季節は、夏の終わり。

だが、音がない。

虫の声、鳥のさえずり。何一つない。

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静かな峠道だった。

「フゥーーーーーー」と煙を吐き出す。

兄が「コレ、一応葉巻の種類なんだ。吸ってみるか?」と差し出してくる。

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「・・あぁ。貰っとく」受け取る私。

自分の1本を吸い終え、兄から貰ったのに火をつける。

「・・軽すぎて、吸った気ぃ~しねぇ」

兄は、そかそかとテキトーな返事をする。

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兄:なぁ。。ここら辺って、お前どう思う?

私:・・・・・。

兄:なぁ。。どう感じる?

兄の言いたいことは判る。

すっごく気味が悪い場所なのだ。

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私は・・

兄の質問をとりま、そっちに追いやってみる。

・・兄貴が私の意見聞きたがるなんて、そっちの方が不気味だな?

そう言うと、苦笑いをして急に真面目な顔になる兄。

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・・なぁ。マジどう思うんだよ?

ん。さっきの看板過ぎた辺りからイヤだ。

峠道に入って少し走った所に、民宿か何かの看板を通り過ぎてきていた。

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・・そか。。やっぱ、あの辺からなんだな。

ポツリと兄の呟きが聞こえる。

なんそれ?やっぱ。ってナニよ?

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兄いわく。。

何度か、その道は走っているんだそうだ。

車でもバイクでも。けれど、どうにも気持ち悪くなる。

何かが追いかけてくるような。。。

『早く逃げなくちゃ』そう思うから、ここ数年は回り道しても避けてきた道なんだと。

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・・じゃ、なんで今日はココ通ったん?

ん?沙羅が居るからに決まってんだろ。

・・はぁ?ソレ、一種の嫌がらせか?

チャウチャウ。なんか判るかと思って。許せ。

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私は、休憩所から見える森をズラーーッと指す。

あの向こう側って崖かなんかになってんの?

「知らない」と兄。

崖になってるんだとしたら・・・

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そう。崖になってるんだとしたら。。大勢の何かが這い上がってくる感じがする。

ゾロゾロ・・すごい数で・・

兄は私の指す方向に目を凝らした。

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「!!!」

急に兄の表情が強張る。

ん??ナニ?ナニ?

「・・逃げるぞ」

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兄に腕を掴まれ、車に押し込まれる。

拉致される感じで。

突然の出来事に把握できずにいた。

助手席に私を押し込め、ドアを蹴飛ばす勢いで閉める。

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自分の車、こんな乱暴に扱って・・

人には文句言うくせに~なんてブツブツ言ってると、兄は思い切りアクセルを踏んだ。

反動で首がヘッドレストにぶつかる。

「・・いてぇ~~し。なんなん?」

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兄は、チラチラとバックミラーに目を向けながら舌打ちをする。

「追ってきた」

「・・なにが?」

「・・しらね。」

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それ以上、兄は黙ったまま目的の親戚宅まで爆走した。

帰り道。

もう一晩泊まってくから、帰っていいよと祖母。

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いつもの思いつきの我儘が始まる。

結局、祖母は親戚が送ってくれることになり、空戻りするハメに。

標識には、昼間の峠入口が書いてある。

昼間、逃げた場所にも関わらず、兄は迷わず峠へと進入。

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「え~~~なんでぇ??」

「・・お前が、どっから、どこまでイヤか聞きたい」

「え~~~~~~」

「明日、メシおごるから」

「・・仕方ないな・・」バカ兄妹だ。

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無言で走る。。

「あ・・・・」

「・・イヤか?」

「ん。今の辺りからヤダ」

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しばらく、また無言。。

「・・・抜けた」

「・・・オレと同じだな」

「ほぅ?」

「俺も、さっきの区間が、いつもヤなんだ」

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「で?昼間、何から逃げた?」

「・・スライム?」

「は??」

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どうやら、私がズラーーーーーっと指した方を見つめていたら、森の向こうから粘着質な感じのする液体とも個体とも思えない『何か』がドロリとこちらに向かって流れてきたんだそうだ。

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「強いて言えば・・もののけ○に出てくるアレ?」

「・・そうだな。」

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・・私には、何も見えなかった。

ただ、何かが這い上がってくる感じしかしなかった。

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牡丹さん
いつもありがとうございますぅ(*^^*)

私が見えるのは『チャンネル合ってる時』に限ります。
なので、どちらかといえば『気配』『音』『視線』といった漠然なモノが多数を占めてます。

UPしてるのは、わりとイレギュラー的なものに限定してますよ^^;
<話>として成立しそうな長時間聞こえている、感じているも含めて。。

私より、ソッチには強い兄ですから『見えちゃった』んでしょうね~

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ひなをさん
いつもありがとございますぅ

兄貴は・・元ヤンチャですから、それなりに肝があるんでしょうが・・
同乗者の私はドナドナされて行っただけですので肝ありません(。>д<。)

私と一緒に怪しいトコ行ったら・・・くっついて来ちゃいます(号泣)
それだけは、ご勘弁下さいませませ(人'д`o)

鏡水花さん
いつもありがちゅ~~(*^^*) 

多少は、感度が上がると思いますよ^^;;;
『黒いモノ~友人編~」のよーに。。

兄の嫁さん、私の元夫。ガードされてますので体験はナイですねぇ~
守ってるつもりはないんですが、勝手に『手ぇ出すな( ゚Д゚)ゴルァ!!』のオーラ噴出ですw
あとは、元々自分が持ってる保護本能で自己回避するようです。

「あぁ。。ちゃんと回避してるんだな。」と思った体験もあるので、そのうちUPしますね^^

今度は、変な唸り声しませんようにぃぃぃ(×人×)

こんばんは、肝の座った兄妹さんですね…私なら絶対に立ち寄りたくないです…いや、しかし、怖いもの見たさも…沙羅さんと一緒なら…!!(*・∀・*)

沙羅さんとお兄さんと一緒にいたら、霊感のない人でも体験してしまうのでしょうか(O_O)?

お兄さんの奥様、沙羅さんの元ご主人、霊体験はしているのですか(>_<)?

昨夜は、沙羅さんの投稿を読んでいたら突然の、あの変な唸り声とか(T_T)

少しずつ沙羅ワールドに足を踏み入れているのかも(⌒▽⌒)ww

光道さん
お久しぶりです(^^)

峠って、やっぱ多いんですか??
今住んでるトコは周り中、山だらけなので、市外に行くには必ずどこかしらの峠を越えないと・・

そういえば、先日友人の友人(遠っ!)がタイに行ったそうです(^^
ルーフトップバー??とやら??
とても夜景が綺麗ですね♪

峠から見下ろす市内も昔は綺麗だったのに・・今や空気が悪く霞んで見えませぬ・・

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紅茶ミルク番長さん
いつもありがとうございます(定型文(*-∀-)ゞ)

で・・イヤでございます(キッパリ)

その峠、というか山全体が一つの霊山とされてましてね。
修行に入る方も多く居た。とか、大昔、合戦があった。とか。。
何かと色々あるようなんです。噂しか聞いてないんで恐縮ですが^^;

『真夜中の訪問者』の友人も亡くなる前に、ソコ通ったらしく。
沙羅、あの道ヤバくない?とか言ってました。
彼女には何も見えず感じなかったはずなんですけど・・

この時の往復以外、通った事ないんですが、彼女にも「近寄るな」とだけ言っておきました。

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仲間さん
いつもありがとうございます(^^

一人だと、特別イヤーーな感じがしなくても、強いのと一緒にいると多少干渉されるらしく・・
増幅しちゃったり、チャンネルが合いやすくなっちゃったりするんですよ。。

身の危険が判る程度、感じられたら良しとしましょう!!!!

いやはや、いつも通りの怖い話ですな
もし、それらに追いつかれてしまえば、どうなる事やら・・・(汗)

気持ち的には、沙羅さんのように感じてみたいでは、あるけど・・・
その反面感じたくないという気持ちもある…どっちやねん!!!って感じな私がおりまする