短編2
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団体席。

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これはアタシがまだ人妻だった頃に働いていたお店でのお話。

アタシのいたお店は、エレベーターを出るとそのまま店内になる、ワンフロア全てを使った造りになっている。

なので、お帰りになるお客様をお見送りする時も、普通のお店のように店外に出る必要がなく、冬などは寒い思いをする事がないのでとてもありがたい。

アタシ達キャバクラに勤める嬢は基本的に、ドレス着用。

スーツなどはよほどの事がない限り、めったに着られない。

なぜならば、肌の露出がドレスに比べて極端に少ないから。

ドレスなら、肩だけでなく背中がお尻の直前まで露出していたり、太ももの付け根まで深いスリットが入っていたり、上下が分かれていてお腹が丸出しだったりする。

お客様はおお喜び(笑)

アタシは、年齢的なものも含めて特別にいつもスーツを許可されていた。←恐ろしいほどドレスが似合わないから。

なのでお店でスーツを着ているのは、アタシひとり。

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ところで、アタシのいたお店は、L字型のボックス席が6席、

コの字型のボックス席が7席、

状況によって少人数用にも形を変えられる団体席が2席、

団体まではいかないが、L字型やコの字型の席では嬢まで入りきれない人数のお客様用の席がひとつの、

計16席で構成されていた。

ホールのど真ん中にキープ用ボトルをディスプレイしているオブジェ。

入り口から向かって右奥のステージにグランドピアノ。

1時間おきにピアノ演奏のある、いわゆるニュークラブ。

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グランドピアノの後ろ。

入り口から向かって左奥の団体席の左端。

ビールサーバーの置いてある、非常階段。

そして、嬢専用の女子トイレの一番奥。

これら全ての場所で、色んな事が時折起きていた。

その中の、左奥団体席の左端のお話をしましょうか。

ここには、はっきり見えるわけではないが、そしていつもというわけではないが、女の子がいる。

ただ座っているだけなのだけど、その子が現れると、お店が暇になる。

団体席にいるので、まず団体客が入らない。

そして店内が冷蔵庫のように寒い。

空調をいくら調整しても、真夏にスーツのお客様が苦情を言うくらい寒い。

ドレスでほとんど裸同然の嬢にとっては、地獄である。

彼女も特別何か物理的にしてくるわけではないのだけれど、

数人の嬢の視界の端に時折登場しては、

他の見えない嬢達をパニックにさせる。

古株の嬢達は、マネージャー(実質的には店長)に、

「もぉぉぉ!!お祓いしてよ!」

「寒くて死ぬわ!」

「お前がドレス着てみろ!」

などと毒を。。。いやクレームをつける。

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し。

お祓いは何度もしているそうな。

よっぽど居心地良いんでしょうな。

何度お祓いしても、しばらくすると舞戻ってくるそうな。

とりま居ても良いけど、

店内寒くするのだけやめて欲しかった(笑)

Concrete
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小夜子さん、怖い&コメントありがとうございます(*´艸`*)

小夜子さんは銀座で働いていたんですかっ!!!すごい。。。

肝臓悪くして亡くなる方が多かったという事は、昔ながらの、本当のクラブだったんですね。
嬢の飲むドリンクも売上になる、だから給料をたくさん貰おうと思えばたくさん飲む。。。

アタシのいたお店は、完全飲み放題のお店だったので、嬢がアルコールを飲めば飲むほどお店はロスが増えていくので、基本嬢はノンアルコールを徹底されていたので、よほど金回りが良くて、特別キープボトル(1本20万以上)をおろしてくれるお客様の席以外で嬢が飲む事はありませんでした。

辛い事を思い出させてしまって、ごめんなさい(>人

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