中編3
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喧嘩をやめて

あれは、私が高校1年のころ。

兄が私の部屋への立ち入りを勝手気ままにしてた頃。

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私:あのさ。勝手に入るのやめてくんねぇ?

兄:ん?誰のおかげでピアノ買ってもらえたと?

兄は母と祖母に大事にされてきた人なので、兄の手助けもあり、やっと買ってもらえた電子ピアノだった。

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私:ソレは感謝だけど、勝手に入るな。

兄:ふっふふ~~~ん♪

勝手に入る理由は、その時によって違う。

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① ピアノで遊びたい

② 刺繍道具をかっぱらう。

③ 編み物セットを持ち出す。

④ とにかく何か盗んでいく。

おおよそ、こんな処だ。

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その日は、何故、あんな大喧嘩に発展したのか理由は既に記憶から消え去ってしまった。

だが・・

相当なファイティングだった記憶がある。

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私の狭小な部屋での乱闘。

取っ組み合い、殴り合い、蹴りの入れあい。

どちらからともなく発せられる怒号。

うる”ぁぁぁぁあああ”~~~(怒)

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どちらも大人しく殴られてやらないので収拾がつかない。

クリーンヒットしたら流血どころの騒ぎじゃないからだ。

上になり、下になり。。

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最終的に、私の切れ味の良い裁ちバサミ登場。

両手でハサミをジャキジャキ言わせる。

ごるぁ~~指ぃ~落したらぁぁあ!

上等だ。ごら”~~やってみろやぁぁあ!

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白熱した頃合に・・・

カラカラカラ・・・

(玄関の開く音)

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ジャキジャキをちょっと止める。

兄もちょっと視線を外し耳をそばだてる。

カラカラカラ・・・

(また開く音。気の抜けるような軽い音だ)

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兄と視線が合う。

(いつもの・・アレか?)

互いに無言だが、伝わる。

私の片眉が上がるからだ。

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そして兄も無言のまま

(そうだな)と言うように小さく頷く。

ならば放置!戦闘再開だ。

ジャキッ!ひときわ大きくハサミを鳴らす。

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兄も臨戦態勢を整える。

・・・・・ジャリッ・・

今度は砂利を踏む音がする。

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・・ん?

・・え?

同時にお互いが不思議顔になる。

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聞いたことがない音だったから。

そもそも沙羅宅の敷地に砂利なんて無い。

兄が静かに(シーーーッ)と指を口に当てる。

私も耳を澄ませる。

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兄は、私に黙ったまま手話で移動を伝える。

(私も兄も、何故か手話サークルに入っていた)

兄は部屋の腰高窓の方へそっと身を隠しながら近づく。

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私も兄の指示通り、外と行き来出来る扉へと近づく。

ジャリッ・・ジャリッ・・

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足音は、東側から聞こえ始め、玄関前を通り私の部屋の前を横切り、祖母宅のほうへと向かうようだ。

だが通路の腰高窓を過ぎると、また戻ってくる。

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行ったり来たりを繰り返している。

(これ、今まで聞いたことあるか?)

(ないよ?初めてだよ~?)

手話のやり取り。

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そして、兄はそっと窓の鍵を開ける。

私にも足音が遠のいたら、ドアの鍵を開けろという。

ここは、連携しとこう。。。

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(いいか?次、足音がソコまで来たら同時に開けるぞ)

(了解)

ジャリッ・・ジャリッ・・

(開けろ!)

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兄の合図で勢い良く窓もドアも開けられた。

外を見るも、何も無い。

私は、外へ踏み出そうとしていた。

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だが、靴を履きなおそうとして、兄に止められた。

「やめとけ。出るな」

いや。見てこなきゃ。

「なら、俺が行く」

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・・・

そして私の靴の踵を潰して外に出た。

見回ってきたようだ。

「・・誰も居ねぇわ。」

あっそ。。

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んで?何故に人の靴の踵潰してくれてんだ?あ?

・・ん?・・はっ!これは!!え~っと。。

あ”~?なんも聞こえねぇなぁ~

既に戦意喪失していたが、一応続きがあるのか探ってみる。

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ん~~っと。ゴメン。コレやるから、許せ。

兄の手から渡されたのはコーラキャンディだった。

・・クルミの代わりに握ってやがったな・・

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生暖かいキャンディを受け取って戦闘終了。

あの砂利を踏む足音と、いつもより多く玄関を開くあの人。

その後も、掴み合いになる度、足音がやってきた。

道具まで持ち出した喧嘩を止めようとしたんだろうか。

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だとしたら・・

居てくれてもいいかな・・

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仲間さん♪
脳内再生ですなっΣ(゚д゚;)www

社内旅行、前に話した通りの日程で決定になりましたよ(^^
自由な時間があったら、お知らせするので、『生沙羅』見物にでもwww

それから訂正後を決めましょうか( ̄ー ̄)ニヤリ

あ…すいません

いやはや、今までの沙羅さんの若い時の話を聞いていると、族の総長さんかな?
って、頭を横に傾けるような反応を示しそうで・・・

もぅ、カッコイイ姉御~~~~~!!!ってイメージが作られてしまいましたとさ・・・
「乱暴者」という括りは訂正します♪
訂正後は・・・・・・・

仲間さ~~ん!
いつもありがとです(^^)

ですよねぇ~~アウトですよねぇ~~ww
ま~若気が至ってたって~コトで(^^;

とゆーか。。。ワタクシ『乱暴者』の括りになってますよォ~~
当時の話です!今は丸いですw 心身ともに(T_T)

喧嘩に道具を持ち出す時点でアウトーーーーーーー!!!

昔のうちの親の場合だと、一日柱に縛り付けていたであろうな・・・
そして、私の場合実質一人っ子だったため、殴りあう程の兄弟喧嘩をした事が…
ちょっとした、口論がある位ですね~~
私が面倒臭がりだったというのも、あるかもでしょうけど・・・

というか、兄弟で手を出すほどの乱暴者が居なかったってだけの話でもありますけど

mamiさ~~ん♪
いつもありがと~(*^^*)

兄は手先が器用でしてね・・何でもヤレてしまうのが、憎悪ですねっ(笑)
ちょいと、ひん曲がったLoveかもしれませんがwwww

沙羅宅の悪いモノからは守ってはくれませんが、白熱バトルだけは止めてくれましたw

たしかに、喧嘩自体はバイオレンスですが、お兄様が借りパク(パクなのかな?)しているのは、女の子用品ばかり…舞ちゃんとこの功兄さん並みに《愛・妹よ》なのではないかと思えましたよ。
しかも、兄妹で手話で会話できるとか、素敵ですね。沙羅家には必要不可欠な気もします…(o^^o)
沙羅家にも、守ってくれる霊もいたということですね。

鏡水花姐さん♪
読みに来てくれてありがとう(*^^*)

小学生まではね~大人しく殴られていたんだけどねぇぇ~
回し蹴り喰らって、手首に縫う程度の傷を負ってからは、やり返すようにwww
初めての反撃の時は、兄が泣くまでタコ殴りしてましたわ(*-∀-)ゞ
ランボーな兄だった反動で看護師になったのかと思うくらいですwww

姐さんも結構な喧嘩を・・・(@@;
それも姉妹で?∑(゚ω゚ノ)ノ
お姉さんだからこそ、手当をしてくれたんですねぇ♪(*ノ∀ノ)
優しいなぁ~

あはは(≧∀≦)

壮絶な兄妹喧嘩を止めに来ちゃったんですね(*≧艸≦)

番長じゃないけど、沙羅っち、いつからシザーハンズに(T▽T)ww

私も同じ高1くらいの時、姉と喧嘩をしましたが…
当時、横綱級の姉の張り手一つで、当時、そんな姉の半分ほどだった私は吹っ飛んで窓ガラスを割り、背中を少し切ったら、鬼瓦のような顔してた姉が急変して、救急箱持って来たりと、甲斐甲斐しく手当てしてくれました(^_^;)

沙羅っちの兄妹喧嘩で思い出しちゃった(⌒▽⌒)ww

光道さん
いつもありがとうございます♪

喧嘩するほど仲が良い。とは言いますが、当時の我々は・・・・・
喧嘩するほどに忌々しい相手でしたねぇww

兄も、もうちょっと妹を可愛がっても良さそうなんですけどねぇ。
男なのに、年下の女子に手を挙げるとわ、真にケシカラン話ですよ(^^;

まりかさん
いつもありがっちゅ♪

今回は、ちょっと明るい(え?)話にしてみました('∀'*)
私の黒歴史ですねぇww

一歩外に出たら、『従順な可愛い妹』を演じなければならなかった反動かもかもw

番長さん
いつもありがとーございます♪

そうなんです。恐くないけど、ある意味恐ろしい話ですw
武器まで持ち出した以上は、かなり激怒してたハズなんですけどね~wwww

話は逸れますが、番長さんと同居したら・・
『番長沙羅屋敷』になるなーと。。唐突に思っちゃって、一人ウケてました。<(_ _)>
オヤジギャグだけど、普通におばちゃんです(>_<)

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番長さんの言うとおり、何故か怖くないwww

何故なんだろうwやっぱりハサミのせいでしょうかwww

ヒートアップしすぎ~~~ε٩( º∀º )۶з<オチツケーって言いたかったのでしょかね( ゚∀゚)

失礼、怖い話のはずなのに怖くないですwww
あなたはシザーマンか!と突っ込みたくなりましたw

結局なんだったんでしょうね???