短編2
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ずぶずぶ

幼少期に過ごした家が、凄まじいお化け屋敷で、少々の事では動じなくなっていた。怖い他には被害もなかった。その時の話はまたいつか。

その家から引越した当時、友達もおらず暇をこじらせた頭で考えついたのは、"近所で一番ヤバいお化けに喧嘩を売る"。

やったことはなんでもない、同級生の間でヤバイと噂の神社、そこで、「本当に恐ろしいお化けがいるなら、一度勝負させてくれ」

と小声で呟く。それだけだ。帰り道、いつも可愛がっていた野良猫に凄い威嚇をされた他には、変わったこともない。

その日の夜、既に神社の事は記憶の彼方、好物のカレーに満足し、早々に眠りについた。

何時か分からないが、気配を感じて、突然ぼんやりと覚醒した。誰かが部屋にいる?

見回すも、人影らしきものは見当たらない。

安心して再度眠りにつこうとしたが、"声"が聞こえた。

"こいつなら"

こいつなら...なんだ?更にその声は、僕の腹のあたりから聞こえた。慌てて首だけ起こして腹を確認する。

絶句。声なんて出ない。 腕を二の腕あたりまで僕の身体に埋没させた、女がいた。髪の毛で顔は見えない。

"こいつなら"

ずぶ...ずぶ...

見ている前で、女は肩まで埋まってくる。まるで泥に腕を突っ込んでいるような感じだ。

「死ぬ」

確信した。確信するに足る理由もないが、このままだと僕は死ぬ。必死に身体を動かそうとするが、首と目しか動かない。

「ああ、もういいや。楽しい事なんか無かったし」

そう思い始めた時、当時どハマリしていたゲームの事を思い出した。メ〇ロット4。

まだクリアしていない。アー〇ビートル、コンプしてないじゃないか!

「あああああああああああ!!!!!」

習い始めの空手の影響か、寝た姿勢のまま身体ごと回転させ、凄まじい回し蹴りが出た。何かを蹴った。のに、その感触を残したまま、足はその場所を通過した。

そのまま僕は意識を失った。目が覚めたら病院だった。3日間ほど、原因不明の高熱で入院していたそうだ。以降、同じ体験は二度としなかった。

触らぬ神に祟りなし

僕は胸に刻み込んだのだった。

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コメントありがとうございます。
ただただ無知であった事が罪でした。

以降、無茶な行動はありませんが、巻き込まれた系の話ならたくさんあるので、時間が出来たら投稿します。

本当に…子供というのは、なぜそんなムチャをしてしまうのか…男の子なら尚更ですね。《探検》と称した後先考えぬ行動…
まぁ、それでこそ《the子供》なんでしょうかね…