短編2
  • 表示切替
  • 使い方

トナリノダレカ

これは、自分が寮にいた時に体験したはなし。

nextpage

私の寮は少々、特殊で二つの部屋が隣り合わせになっていて、その部屋どうしがドアでつながっている。

nextpage

ある夜、寝ようと布団にもぐり、音楽を聴く。

nextpage

「コンコン」

隣の部屋からノックが聞こえた。

nextpage

「はーい、なに?」

nextpage

声をかけるも返事なし。

まぁ、酔っ払って、ノックでもしたのだろう、と納得してまたベッドに入る。

nextpage

「コンコン」

またもや、ノックが聞こえてくる。

nextpage

「なに?夜中にうるさいぞ」

声をかけるも、また、返事はない。

nextpage

ちょっとしつこいが、放っておこう。

そう思い、また、ベッドに入る。

nextpage

「コンコン」

三回目だ。

nextpage

「しつこいぞ。ドア開けるぞ。」

nextpage

「ガチン」

開かない。鍵がかかっているらしい。

nextpage

さて、おかしい。用もないのにノックしてくる。そして、鍵もかかっている。

まてよ、こいつ、部屋にいたか?

nextpage

そうだった。

こいつは、休みで実家に帰る、とか言ってたはずだ。

じゃあ、隣にいるのは…?

nextpage

少々、怖くなり、ベッドに入り、音楽を聴きながら寝ようとする。

nextpage

「コンコン、コンコン、コンコン、コンコン、コンコン」

nextpage

まるで、何かを急かすような、物凄い勢いでノックがされた。

nextpage

怖い怖い怖い怖い

何も考えず、寝る事に集中しようとする。

それを邪魔するように、ノックは続く。

気づかないうちに、私は寝ていた。

nextpage

休み明け、隣の住人にその事を話してみる。

nextpage

「ごめん、それはあり得ないわ。

そんな返信が、返ってきた。

nextpage

「何でさ」

nextpage

だってさ。

nextpage

おれ、部屋に鍵かけて、実家に持って帰ったもん。誰も入れる訳ないよ。

Concrete
コメント怖い
2
5
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ

>>あんみつ姫さま
コメントありがとうございます!
そうですね、音、では感じることはありますよ…。
匂い、か…。余りよくはわからないですが、とても怖いですよね…。

返信

霊を視ることは出来なくても、「音」や「匂い」で感じることもあるのでしょうね。

姿なき隣人や訪問者のノック。
想像しただけで相当怖いです。

返信