長編8
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警察の者ですが…

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この話しは、学生時代の友人に起こった話し…

少し掛け違いがあれば俺に起こっていたかも知れない話し…

俺の学生時代は少し荒れていた…

高校時代、甲○園を目指して部活を頑張っていた反動だろうか、暴走族の集会に顔を出したりすることも度々あった…

その時も、族の集会に参加した時のことだった…

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「あの~Mさん(俺のこと)、こいつ俺の彼女の友達なんスけど、なんか相談があるみたいで…」

下っ端の1人の男の子が声をかけてきた…

隣にはかなりの美人の女の子…

祐子って名前らしい…

俺「相談?俺でよければ聞くよ。」

「何々?俺を差し置いてゲストに相談?」

話しに入り込んで来たのは、この族のリーダー格の圭太だった。

もともと、この集会に顔を出すようになったきっかけはこの圭太との出会いだった…

ひょんなことから、殴りあいの喧嘩になり、それを経ての友達付き合い…

この世界ではベタな話し…

しかも、ボスと互角にやりあったために、この族の連中からは、尊敬の眼差しで見られるようになったって訳だ…

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俺「で、相談って?」

祐子「私、最近変な人に付きまとわれてるんです。」

俺「変な人?男?」

祐子「はい、いつの頃からかよくわからないんですけど、最近では家の周りにまで着いてくるようになって…」

要約するとこうだ…

相手の男の年齢は30歳前後…

最初に見られてるって意識したのは、バイト先のファーストフード店だったらしい…

最初は見られてるのかな?くらいだったらしい…

それが次第に確信に変わり、最近ではニヤニヤと笑いながら見てるとのこと…

そして笑いながら口パクで何かを言ってくる…

(オレノコトアイシテル?)

(バイトオワッタラドコニイコウカ?)

(ナニタベニイク?)

とか…

そして、注文の時は必ず彼女のレジに並ぶ…

そして、注文の最後には

「後は、スマイルお願い」

と必ず言ってくる。

彼女も店長に相談をしたらしいが、返事は、

「大事なお客様の1人でもあるし、もう少し様子を見よう。」

と言われたそうだ。

その後も行動はエスカレート…

いつの頃からか、帰宅中も後を尾けられてる気がし始め、時折笑い声が聞こえることもあるらしい…

彼女はマンションの1人暮らし…

携帯の他に家庭電話も引いてるらしいのだが、留守電に無言電話まで入るようになった…

昨日は帰宅と同時に電話が鳴り、出ると

「お帰りなさい、今日もお疲れ様。」

慌てて外を見るとそこには例のお客様が居た…

警察に相談をしたが、今と違ってストーカーがどうのこうのなんて騒がれてる時代でもない。

「そうですか。では夜の巡回のルートに入れておきます。戸締まりは気をつけて」

と言われただけだったそうだ…

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圭太「そいつ頭おかしいやろ!」

黙って話しを聞いていた圭太が急に声を荒げる…

祐子「私の方もおかしくなりそうです…

どうしたらいいと思いますか?助けてください」

圭太「そんな奴は俺達に任しとけ!バイト先で待ち伏せてボコったるわ!」

祐子「バイト先は不味いです…

バレたら首になっちゃうから…」

俺「じゃあ、バイト先では顔だけ確認して、家に帰る祐子ちゃんを尾けて帰ってる現場を押さえりゃいいんちゃう?」

圭太「お~、それがいいな!もう2度とつきまとえないようにしたるわ!」

祐子「でもお2人に迷惑はかけられないですし…」

圭太「お~、そうだな!どっちか1人おれば充分やなそんなオッサン。祐子、どっちに依頼する?」

祐子「いいんですか?じゃあ圭太さんにお願いしてもいいですか?」

俺(あぁ、そういうことね。まぁ確かに圭太はいい男だもんね。)

俺「いいじゃん、圭太なんとかしたれや。」

圭太「お~、任しとけ!」

ということで、翌日の祐子のバイトから圭太のボディーガードが始まった…

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ここからは、圭太に聞いた話し…

翌日、バイト先で待ち伏せてると、祐子のバイトの上がり時間の一時間前に奴は現れた…

入ってきた時に祐子からの合図があったが、それよりも前に確信した。

それほど、異様だった…

バイト終わりの祐子を1人で歩かせ、その後を尾けるストーカーを圭太が尾けるって作戦だ…

バイトを終えた祐子が出てくる…

辺りを見渡すが、ストーカー男の姿は見当たらない…

一定の距離を保ち祐子を追う…

辺りに目を光らせるが、ストーカー男は居ない…

祐子のマンションに着く…

どこかで見られてると不味いので、部屋には行かず周りを見て回る…

ひととおり回ってから、近くの公園から祐子に電話をかける…

圭太「もしもし、今日は尾けてなかったみたいだな。もしかして気付かれたかな?」

祐子「それは無いと思います…。1度も圭太さんと居るところを見られて無いはずですし…」

圭太「だよな。まぁもう少し周りを一回りしてみるわ!なんかあったら電話して」

そう言って電話を切った時…

やけに視線を感じる…

公園で遊んでいる親子連れ、女子高生達がこっちを見て何かヒソヒソ話してる…

圭太「おい!何見てんだ! あぁ!なんか文句あるんか?」

一組のカップルに近づき、男の胸ぐらを掴み挙げる…

「いや、すいません… 。でもあそこに…」

男が公園のトイレを指差す…

圭太「はぁ!トイレがなんじゃあ?」

「いや、あなたの写真が…」

トイレに行ってみると、入り口の辺りに圭太の写真が貼ってあった…

トイレの壁にナイフで突き立てるようにして…

(なんじゃ、こりゃ)

明らかに今日撮られた写真だ…

ファーストフード店で、コーラを飲んでる自分が写ってる…

着ている服も、今着ている服と同じ…

やはりついさっき撮られたものだ…

(いつの間に… 全然気付かなかった…)

電話がなる…

祐子からだ…

祐子「圭太さん、今何処ですか? さっき電話がかかってきて………」

泣きじゃくっているので、その先は何を言っているかわからなかった…

圭太「落ち着け!すぐに行くから!」

慌てて、祐子の部屋に向かう…

部屋の前について唖然とする…

玄関のトビラにはまた圭太の写真…

そして、

『浮気者! 地獄に落ちろ!』

と書いた貼り紙…

部屋に駆け込む…

祐子は部屋の中で泣いていた…

電話の内容は、

あんな男と付き合うのはやめた方がいい、彼氏としてあんな野蛮な人間と友達付き合いするのは許せない

とか、

僕という彼氏がいながら、あんな男に色目を使うな

という言葉…

圭太との電話を切った直後に、玄関のトビラが叩かれ、大きな音がしたらしい…

さっきの写真と貼り紙はその時に貼られたんだろう…

祐子が帰宅したときには無かったそうだ…

圭太「イカれてやがる…」

とりあえず、警察に通報し事情を説明する…

今回は、証拠の品もあったので前回よりはまともに話しを聞いてくれた…

夜の巡回強化を約束して、警官は帰る…

怯える祐子を1人で置いて帰るわけにもいかず、圭太は泊まることに…

電話は30分置きにかかってくる…

全て無言…

圭太がどんなにまくし立てて暴言を吐いても一言も喋ることは無かった…

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何度かそんなことが続き、精神的にも疲れてきた頃だった…

ピンポーン…

ドンッ ドンッ ドンッ…

ついに部屋まできたか?

意を決して立ち上がると…

『すいません、警察の者です。今、巡回に来たんですが、外で怪しい人物がいて、声をかけたところ、逃げ出したので現在もう1人の警官が追跡中です。とりあえず戸締まりはしっかりとして、誰か来ても開けないようにしてください!』

圭太「ポリか…」

ホッと胸を撫で下ろす…

それからしばらくすると…

ピンポーン…

ドンッ ドンッ ドンッ…

『すみません、先ほど声を掛けさせてもらった警察の者です。犯人らしき男を捕まえたので、確認をしていただきたいので、警察署の方に来ていただけませんか?』

圭太「捕まったみたいだな…』

祐子「うん」

圭太「確認…行けるか?」

祐子「大丈夫です。」

圭太「わかりました。今開けます。」

そう言って玄関を開ける…

そこには…

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満面の笑みを浮かべ、手にナイフを持ったあの男が立っていた…

(しまった!)

そう思った瞬間、ストーカーに突き飛ばされる…

不意をつかれ、壁に叩きつけられた…

そしてストーカーは一直線に祐子の方へ向かう…

「裏切り者… こんな男を部屋に入れて、何をしていたんだ!お前なんか死ねばいい!」

叫びながら、祐子に飛びかかろうとする…

圭太は後ろからストーカーに飛びかかる…

ナイフが床に転がる…

圭太はマウントポジションから、男の顔に拳を叩きつけた…

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圭太からの電話で俺が駆け付けた時にはマンションの前は警官と野次馬で一杯だった…

警官に事情を話し、部屋に通してもらう…

ストーカー野郎は、連行された後だった…

顔面血だらけで大声で笑いながら連れて行かれたらしい…

圭太も祐子も別々の警官に事情を聞かれてる…

俺も今日までのいきさつを警官に話した…

後で聞いた話だが、ストーカーは祐子と同じ学校に通う生徒だったそうだ…

老けて見えたが、年齢を聞いてビックリした…

24歳だったそうだ…

祐子とは恋人同士だと主張している…

もちろんそんな事実は無いことは、両者の友達の証言で証明された…

いろんな意味でホントに怖いのは生きてる人間だと思った…

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その後、圭太と祐子は付き合い始めた…

付き合い始めて、一月ぐらいだったと思う…

俺は圭太に呼び出され、ある居酒屋に向かった…

圭太はかなり酔っていた…

祐子とは終わったらしい…

圭太「信じられるか? あの親父、10万も渡してきやがった!『これで祐子と別れて下さい』って土下座までしてよ!祐子の奴も横に立ってるだけで何も言いやがらねぇ!」

圭太の部屋に、祐子が親父を伴って来たらしい…

自分の娘と圭太を別れさせるために…

圭太「暴走族の頭はダメだそうだ。助けてもらったことには感謝してる。だけど、それと付き合うのは別問題だ。これは助けて貰った謝礼金だって金を渡してきやがった!」

圭太「俺が『手切れ金のつもりですか?』って聞いたら、『そう受け取ってもらってもかまわない』って言いやがった。」

そう言って、圭太は涙を流した…

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後日、祐子の友達ってのから聞いた話し…

ホントは祐子は圭太と付き合う気は無かった…

とにかくあのストーカー男をどうにかするために必死だったらしい…

助けてくれるなら誰でも良かった…

そう、あの時圭太が話しに入り込んで来なければ、俺が圭太の役をやっていたのかもしれない…

そう思うとゾッとした…

事件の後、祐子はこう言っていたらしい…

『まぁ、とりあえず助けて貰ったんだからしばらくは付き合ってやらんといけんよね』

こうして、純情ヤンキーの純愛は終わった…

一番怖いのは誰だ?

ストーカー?

祐子の親父?

それとも祐子本人?

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人間が一番怖いかも

途中まではありそうな話、でも、最後のオチで笑ったw

度々お邪魔してスミマセン(^^;

そっかぁ!私も<どこかで聞いたな・・>とは思っていたんですが、ニュースだった!!
警察官の振りをしてドアを開けさせるという初めての1件でしたね!
それを見てから、私も住民情報を集める<警察官>にさえチェーンを外さずにいたんだった!
その後、<科捜研>を名乗ってみたり、真似をする変態が増えたんですよねぇ~~

警察官から聞いた話ですが、身分詐称の一番重い罪は<警官の振り>だそうで・・
制服からバッジ等まで似たものは罰せられるようですね~
警察手帳の1ページ目に所属とフルネームがあるので、それを確認しない内はドアを開けなかった思い出があります(^^;

ぴよさん、コメントありがとうございます。
他のとこで見た?どうなんですかね…
当時はニュースでも報道されましたけど…

すけさん、コメントありがとうございます。
怖い女っているもんですね(^_^;)

他のとこで見た気が∑(・ω・ノ)ノ

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