短編2
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押入れ

3年前の3月にスノーボードに友達6人と一緒にいった時です。

夜も更け、友人Kが霊感が強いことを知っている友達たちは、みんなしてKに話をしてくれと言っていました。

Kは本当に霊感が強い為、海や山や川などでは特に話したがりません。

しかし、あまりにもみんなが食い下がるため

『じゃあひとつだけ』といい話し始めました。

それはKの叔父さんの話で、叔父さんも同様に霊感が強く、よく霊体験をするといった前説からはじまりました。

叔父さんがあるとき、交通事故で両足を骨折し、仕事を休んでしまったことがあるそうです。

そんな時期に高熱を出してしまい寝込んでしまった日がありました。

奥さんが台所で食事の支度をしている時は、叔父さんが寝ている為、台所の電気しか点けていませんでした。

しかし後ろをふりむけば、引き戸で下半身が見えないながらも敷き布団に寝ている叔父さんを確認できるくらいの明るさになっていたようです。

食事の支度をしている最中に、叔父さんがうなされ始めました…

奥さんは、心配になり、氷まくらを変えたり布団を掛け直したり、声をかけたりしましたがが返ってくる返事はすべて……

『うぅっ…離せ…』

といったものでした。奥さんはその低い唸り声に違和感と恐さのような物を感じ、叔父さんからはなれました。

台所から様子を見ているしかないと思い、食事の支度の続きをすると……

『…ズズッ…』

『…ザザッ…』

変な音がしました

叔父さんがうなりながら

『離せ!!!!!』と叫んだのを聞き奥さんが振り向くと、叔父さんが上半身どころか、顔のとこれまでしか見えてません!

急いで駆け寄ると、全開になった押入れから叔父さんの両足を真っ白い手が押入れに引きずり込もうとしていました!!!

奥さんが叔父さんの体を抑えながら、

『止めてー!!!』

と叫ぶと…

真っ白い手は、すっと消えました。

足の先から、すねのあたりまで

つまり引きずり込まれた足の部分は氷のように冷たく、足首には、握り締めた手のあとで真っ青になっていました…

回復した後の叔父さんは

『足を返せ足を返せ、って目のない女から引っ張られてた』と話していたそうです。

もしも

もしもあのとき奥さんが止めていなければ…

もしもあの人を…

引き

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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