中編3
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笑う道化師

ある日の朝、黒い封筒が入っていた。

消印もなく宛先も書かれていない

真っ黒な封筒に気持ち悪さを感じたが誰かの悪戯だろうと思い開けてみた。

写真が3枚入っているだけだった。

「なんだこれ」と思って、とりあえず鞄にしまいこんだ。

後で時間のある時に、ゆっくり見てみようと思ったから

会社に着くと課長に呼ばれて今から〇〇に行ってくれと言われた。

大事な商談の為に現地入りしていた同僚が

急病で入院したので替わりに行ってくれと

着替え等は現地で調達する事にして

すぐに僕は〇〇に向かった。

ある駅に止まった時

ドアが開いて、しばらくして閉まった。

何か違う。

ちょっと考えて僕が感じた違和感に気付いた。

〇〇へ向かう列車は途中から乗客が、かなり減ってくるので自動ドアが手動に変わる。

だから降りる人か入ってくる人がいなければドアは開かないはず。

小さな子供だけで乗って来たのか?

僕はそれを確かめる為に通路側に身体をずらした。

前に見える座席のかげから、ふいに現れた

痩せた左腕

青白い、病的な

「何?子供じゃない」

そして右腕も現れた

「えっ?倒れてんのか?」

ズリッ

音がした

左腕と右腕でひきづるように頭が現れた

手入れされてないボサボサの長い髪

髪だけなのか!

いや顔は完全に下を向いている

耳が少し見える

「違う・・見てる場合じゃない!

「逃げないと・・」

立ち上がった時

肩から身体の方がゆっくりと見えて来た

それは角度を変えて通路へ向かって来ている

後ろの車両へ向かった

「おかしい・・なんで誰も驚かない!」

「それに今は昼間だ!幽霊なんか出ない!」

僕はゆっくりと振り返ってみた

ズリッ

上半身だけの女

灰色っぽい半袖の服

顔は通路を舐めるように下を向いている

ズリッ

女はかなりゆっくりと・・でも確実に・・こちらへきている

ズリッ

その女の背中を

踏んでいた

下半身だけが

モンペをはいてる下半身の左足が

はいづる女を踏んでいた

僕は慌てながら後ろの車両へ向かう連結のドアを開けた

なかった・・

後ろの車両が・・

それどころか

そこは真っ暗になっていて

正面に浮かんでいた

道化師?ピエロ?

マンガなんかで見る道化師そのままの服

にたついた笑い顔の

左が白で右が黒の仮面

あぐらをかいて

前で組んだ腕で長い棒を抱えて

棒の先に

小さな鎌のような刃が左右に付いていた

ケラケラケラ・・

頭の中に直接聞こえてくるような笑い声

ズリッ

背後からまだ音が聞こえる

女はもうすぐそこまで来ているようだ

ズリッ

ダメだ

逃げられない

そう思った時

突然戻った

後ろの車両が現れて

いつの間にか駅に着いていた。

振り返ってみた

女は消えていた

慌てて列車を降りた僕は

ほっとして

ベンチに腰かけた

降りて来る人はまばらだった

その中の最後の人

中年の男性だったが

その人が通り過ぎる間際

少女のような声で言った

「アイツは逢いに来た」

えっ?

通り過ぎようとする男性の背中を見た

グリッ

男性の顔だけが180度こちらを向いた

道化師の仮面

ケラケラケラ・・

背中を見せたままで

両手を振り上げた

鎌のような棒を持っている

「あなたには目がいるから」

そう言って振り降ろした

鎌の刃が僕の身体を通り抜けて

消えた・・

しばらく呆然としていた

気を取り直した僕はゆっくり立ち上がった。

「幻だよな」

独り言を言った。

ケラケラケラ・・

どうやら笑い声だけは直接頭に聞こえるようだ・・

乱文長文失礼しました。

予告

次回

踏まれる女、踏む女

怖い話投稿:ホラーテラー 守り人さん  

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