中編3
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~スープ~

※恐い話ではありません。

あの父が亡くなって、少し後。

初めて父の夢を見た。

今まで一度たりとも父が登場する夢など見た事が無い。

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あの日、私は猛烈な体調不良で仕事を休んだ。

以前投稿した前職場に居た頃。

何か栄養だけ摂らなくちゃ・・

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そう思っていたのだが、体が動かない。

そしてそのまま眠ったらしい。

・・・

その夢の中での事。

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私は、なんとフライパンでポトフを作り上げた。

そして、敷いてある布団まで持ってきて少しずつ口に流し込んでいた。

(普段はベッドなので、敷布団の段階で夢だと判った)

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コンソメは好きではないのでブイヨンと、たっぷりのベーコン&ウインナーから出汁をとった。

鮮やかな黄色が印象的なスープだった。

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「フー・・フー・・」

フライパンごとスープを持ってきていた。

周りに目をやると、どうやら沙羅宅の・・

あろうことか一番のホラースポットではないか。

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二階の部屋で私は寝込んでいたのだった。

布団脇の押入れの戸が開く。

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・・ツッ・・ツスーーーーー

押入れの戸なのだが、どうやら戸の向こうには空間が続いてるらしい。

父親が、ヒョイヒョイと爪先で跳ねるようにやってきた。

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余談だが。。

父親の、この歩き方は生前からだ。

どうにもケダモノの様で嫌いな歩き方だった。

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スープを冷ましながら飲む私の枕元にヒョコリとしゃがむと、「なんだ?具合悪いのか?」と尋ねてきた。

「あぁ。。具合ぇ悪りぃよ。何か用か?」

いつものように、棘のある言葉を父に向ける。

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・・それ、美味そうだな?

「なんだよ?飲みてぇのか?」

・・・・。

「毒なんて入ってねぇぞ?飲みたいなら、やる。」

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父は、どこから取り出したのか、小さなティースプーンを取り出した。

そして、フライパンを傾ける私の手元から一掬いして口に運ぶ。

「どうだ?口に合うなら、もっと飲めよ」

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父は、黙ったままティースプーンを傍らに置き、カクテルを作るときに使うような持ち手の長い柄杓のようなものを取り出して飲み始めた。

「・・・美味いのか?」問う私。

「うん。」と父。

少なからず私は戸惑った。。。

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生前、父は母の作る食事等に一切手をつけなかった。

『俺を殺そうとしてる。毒が入ってる』

糖尿から来る被害妄想なのだが・・・

『美味い』なんて一度も聞いたことない。

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ならば、遠慮なく好きなだけ飲めよ。

そう言うと、父は次にレンゲを使い、その次はオタマ。

『・・どんだけ飲むんだよ・・』

少々呆れながら、「全部飲んでいいぞ」

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そう言った途端、父は・・・

オタマも投げ捨て、フライパンに直接口をつけて飲み始めた。

・・・

・・・

そこで目が覚めた。

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私は、まだ朦朧とする頭にアイスノンを押し当てながら、母に電話をした。

「あら!こんな時間に何だい?」

平日、昼過ぎの電話に母も驚いたようだ。

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・・母?悪ぃ。手間かけるんだけどさ。ポトフ作ってくんねぇ?

「野菜スープなら今、丁度作ってたよ?」

・・いや。野菜スープじゃなくポトフ。

「分かった。でもなんで?」

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私は今見た夢の話を、そのまま伝えた。

・・あの黄色さは・・

サフラン・・じゃなく。

ターメリック・・でもない。

コーンでもなく・・。記憶を辿る。。

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あ。かぼちゃ!

あれはカボチャの黄色!!

ポトフが出来上がったら、カボチャのペースト混ぜて!!

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調理師免許を持ってる母だ。

簡単にポトフなんて作れるはず。

だが、私の作ったモノが飲みたかったハズ。

なので、1から手順を説明して同じものを。と要望した。

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母も、父・兄・私の3人が、不思議体験を重ねていることを知っている。

だからこそなのかもしれないが、何も疑うことなく手順をメモし、仏壇に供えてくれた。

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翌々日、やっと出勤出来た私は、帰りに実家へ寄ってみた。

仏壇には、また新たに作ったであろう黄色いポトフが置いてあった。

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線香をあげ、手を合わせる。

「オヤジ。。気が済んだか?母の作ったものは、いつだって美味かったんだぞ。人生の4分の3は損したな。」

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ロビンちゃん

んとねぇ~・・・『不運が続く』をね、本当は長編くらいに、こと細かく書いていたわけさ。

んで・・・表紙を選んでクリックしたら・・・・・・・・・画面がフリーズしたんだよぉぉ~.˚‧º·(ฅдฅ。)‧º·˚.

3時間近くかけて仕上げたのにね・・・

フリーズしたから、仕方なく短くして表紙を選んだら、普通にアップ出来たわよ。

ロビンパターンとはちょっと違うけど、他の病気におかされてたわよ( ˘•ω•˘ ).。oO(இ)

やあ沙羅姐さん、「ロビンパターン」遂に姐さんの元まで増殖の手が及びましたか?…ひひ…
て、事は次は紫音姐か小夜子姐あた…ひ…ゴホゴホ!!!

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沙羅さん♪
鍋食べましたよ~♪
鍋好きなんで寒い季節は毎日でもいいぐらい
好きです(*^▽^*)y
寒いので暖かくしてお休み下さい☆彡

こけしアイコンが並びましたよ。ルンルン(*^^*)
小夜子姉様、今晩は。
私も小夜子姉様と同し思いです。
お隣さん、こういう日に限って、お帰りが遅いようでして。
沙羅姉様が、お隣さんだったら良かったのに。
せめて、「スープの冷めない距離」に住んでいたら、、と思います。

小夜子さ~ん♪

まさかの【路線バス】じゃないですよね?( ̄□ ̄;)!!
ひぃぃ~~!Σ(×_×;)!

あん姫様(^^)
温まる食材は堪らんですね!

お隣さん.....私だったら良いのに~( 〃▽〃)

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りこさん♪
お~~っと!やはりコンソメよりブイヨン派ですか♪
良かった~~お仲間♪お仲間♪

例の症状・・・ここ以外に経路はあるのでしょうかww
パンデミックですね(^^;

マガツヒさん♪
こんばんわ~~(^^

スープは飲めましたか?♡ 心も体もポクポクに温まると良いですね♪

ホント、飲む気満々ですよね~~(^^;
掬うものが少しずつ大きくなる辺りが、なんとも父らしいとゆーか・・
結局、私の『栄養』は、ウィダーでしたけどねwww

あん姫様。さえさん(*^^*)
夕餉はお済ですか?♪

今夜は随分冷えてます・・。
私もコンビニにて・・シチュー買っちゃったwww
単身だと旨味が出なくて、材料費ばかり出るので・・orz

今夜は暖かくして寝ようっと♪

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さえさん♪
いつもありがとですぅ~(^^

キッッイの載せた後だったので、テキトー系を・・・

今夜のポトフ率、高そうですねwww

あん姫様
いつもありがとうございます(^^
今日は、私の住む町も、少々寒いです~
姫様の作ったポトフ・・飲みたいなぁぁぁ~~(*´艸`*)

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