中編4
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泣かないで?…

つい、先日のお話です…。

休日、昼寝をし過ぎて、起きるともう夕方の6時前でした。

秋の夕暮れ、日が落ちるのがとても早くなり、電気を点けないと真っ暗に近い部屋の中。

テレビだけを点けて、電気は点けずにいました。

主人が横で寝ていたからです。

夜、運送業で働いてる主人を起こすにはまだ、早い時間でした。

一緒に寝ていた下の子が私が横にいない事に気づいて、目を覚ましました。

そして、下の子は私に向かって、

「どうして泣いてるの?」

…と、聞いてきたのです。

私は泣いてなどいません。

「泣いてないよ?」と下の子に言うと、

「泣いてるよ、泣いてる。」

と、言いながら、

私の方を指差し、

「泣いてるよ、その子、泣いてるの。」

と、言います。

もちろん、部屋には他に子供はおらず、

寝ぼけているのかと思った私は、

抱っこしてやろうと、こっちへおいでと下の子を呼びました。

下の子は、こちらに向かってきましたが、

私のすぐ横に目をやりながら、そばに寄ってきて、

私の膝に座ってからも、ずっと私の横に目を向けて、

「どうしたの?痛いの?お腹空いたの?」

と、聴き続けています。

とはいえ、私には何も見えないし感じられない…。

どうしたものかと、しばらく下の子の様子を見ていました。

下の子は、

私の傍にいる何かに

「痛いの?何で泣いてるの?優しくしてね言ったら良いよ?」

と話しかけており、

時折、何かに触れているかのように、空を撫でます。

あー、どうしたもんかなぁ。

そう思っていた時…、

ガッチャ!

玄関の開く音とともに、

「ただいまぁ〜」と、

長女が帰ってきました。

リビングの扉を開け、入ってきた長女は、

私の顔と下の子が何かに話しかけてる様子を見て、

「えっ?笑

この子、誰と話してるの?

ごっこあそび?」と、聞いてきました。

私は、さっき起きてからの話しを長女に聞かせました。

すると長女は、

「あー(´Д` )そういう事か。

立ってみ?外出てみ?」と言います。

私と下の子は、言われるがまま、家の外に出ました。

長女は、下の子に、

「ついてきてる?」と

聞きました。

下の子は

「まだ、泣いてるよ。泣かないで?

痛いの?泣かないで?」

と、やはり見えない何かに話しかけます。

すると長女は、

「迷子か?でも、うちにいても何もしてやれない。

あっちに神さん居てるから、連れて行ってやれば良いよ。」と、下の子に言うと、

お母さん、散歩しようと、

神社まで歩いて行きました。

下の子は、神社までの間、きゃっきゃ言って走っていたかと思うと、誰もいないところに向かって、

「おいで?泣かないで?大丈夫だよ?泣かないで?」という…

これを何度か繰り返し、

長女は私に、

「一体、どんなもんが見えてるんだろね〜」と、呑気に…、

私はとにかく、

「わけわからんけど、対処するあんたが凄いわ(´Д` )」と、長女を称えながら、

神社まで歩いて行きました。

神社に着いた途端、

下の子が

「神しゃぁん!泣いてるよ〜。たすけてぇ」

と、大きな声で言い、

長女も、

「たすけてあげてぇ〜」

と、言います。

私も、

「泣いてるんだって、たすけてぇ」

と、言い、、

お願いします!と頭を下げ、

ふと顔を上げた時、

下の子が、

「あれぇ!いない!

居なくなっちゃったよ!」と言いました。

どこ?ドコォ?と探そうとする下の子の手をパッと持った長女が、

「神さんが、お家に連れて行ってくれたのかもよ。もう泣いてないよ、きっと。

だから、ドコォ?って探したらダメ!」

と、言いました。

下の子は、

「わかったぁ、もう泣かないねぇ?」と長女に聞き直し、

長女は、

「大丈夫、大丈夫!神さんが一緒だから大丈夫!」と言い、

さぁ、帰ろうと家路に着きました。

下の子は、ちょうどそういう年頃かもしれませんが、好奇心旺盛で、

なおかつ、少し感の鋭いところがある子なので、少々の不思議体験も、まぁまぁ納得のしようはありますが、

長女の対応ぶりが、何とも、落ち着き払ってて、

いつも不思議なのはこの子の方では?と思わずいられません。

この日も、聞いてみました。

「チビの言う、『泣いてる子』、あんたには見えた?」

長女は、

「全然。」

即答します。

ただ、この日は初めて、

「見えて、それが何でそこに居るのか分かるから怖いんで、

私には見えないし、分からないから怖くない。

チビはまだ、あまり怖いの概念がないんだろうね。」

と、言うような事を口にしました。

なんだか、そういう事を、昔に、ばあちゃんと話したことのあるような気がして、

会ったことのないひ孫と曾祖母の関係となる2人に、

とても深い縁を感じた出来事でした。

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mamiさん、コメントありがとうございます。

私も、下の子の視線の先が怖くて、
そちら側だけ、変な汗が出そうな感じでした(´Д` )笑
長女が居てくれて、のほほんと、解決してくれて、
見えてないのに、いる様に、普通に接する姿を見ますと、何とも不思議な気持ちになります。
普段、のんびりで優しい長女を、下の子が振り回して遊んでいますが笑
こんな時に長女を見る目は、
純粋に、姉を信頼してる妹の目なんですよね〜。
2人の姿を見てると、羨ましい気持ちにもなります笑

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マコさん、コメントありがとうございます。

娘達第2弾、楽しんでいただけたようでなによりです(^-^)

普段は、のんびりしすぎに感じる長女が、

こんな時は、とても頼り甲斐のある存在になります。
長女だからこそ、なせる技なのかなぁ〜と、
親バカでしょうが、感心しています。

また、娘達のお話をお届けできればいいなと思っております(^-^)

沙羅さん、コメントありがとうございます。

長女を見ていると、バァちゃんの言う
「見えるのみが在るではない」を実感致します。

娘に、ばあちゃんとの不思議な出来事を話したことはないのですが、
長女は、どうやら自然とそれが身についているようで、単純かもしれないけど、
「すごいな、あんた(´Д` )」と思っています笑。

下の子は、このまま大きくなるのか、鈍くなるのか…。
私が鈍くて頭が硬いので、今はとにかく、その時その時に任せてみようと思っています笑。

鏡水花さん、コメントありがとうございます。
表紙に選ばせていただいてる画像、鏡水花さんが投稿してくれていたのですね。
訳も分からず、ご挨拶なしに、失礼いたしました。
話の中身と合う表紙を探して選んでいたのですが、雰囲気のある画像だなぁ、と、感心しているのみでした(´Д` )💦
こちらこそ、いつも素敵な画像をありがとうございます。

娘達には、私は反面教師の部分が多いのではないかと思っていますが(´Д` )💦笑
お互いの話を、上は上なりに、チビはチビなりに飲み込んで、何無し解決しているようで、いつも親ながらに感心している次第です。

ほほほ。待ってましたぞ!

長女さんと下の子さんの話を!

色んな意味で、バランスが良いですね…。
お子さんのこれからの成長を楽しみにしております!

にゃにゃみさ~~ん♪
こんばんにゃ(*^^*)

またしても、長女ちゃんの機転の利く行動に感動すら憶えた私です♪
下の子ちゃんにも、いつかソレらが何者なのか、声を掛けて良いモノか悪いモノか判る日が来ますね。

中途半端に見えて何も出来ない私より、ずっとスゴイ!!!
長女ちゃんに乾杯!!!(*゚ω゚)ノ∀☆∀ヽ(゚ω゚*)

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マガツヒさん、コメントありがとうございます。

持って生まれたものなのか、何とも言えない長女ならではの対応に、我が子ながら不思議でしょうがありません笑。
どうしたもんかと悩む間もなく、動ける行動力や対応力、母としては他の事でも発揮してほしいものですが笑

チビさんは、好奇心旺盛で常にアンテナ出してるような子なので、変な概念がない分、
不思議な出来事ともアンテナがあってしまうんでしょうね。
しょっちゅう、何にもないところに向かって、話しかけています(´Д` )笑

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