中編3
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記憶喪失

私は酒を飲むと前の日の記憶がすべてなくなります。

怖いのは飲んで寝たときです。

家で飲むときはよいのですが飲み屋で飲むと

途中で眠気が起きるのがとても怖かった.

そんなある日。

私は酒を飲みすぎてどこともわからないところで、寝てしまいました。

何時間道路で寝たかわかりませんが寒さで目が覚めました。

時刻を見ると0時を過ぎたところでした。

周りを見ると路地裏のゴミ箱の脇で,

周りにはごみや食べ残しの食材が散らかってました。

「危なかった、道路の真ん中でなくてよかった」と

ホッとしたのも束の間、

ちょうど私の真正面に誰かうずくまっているような

真っ黒な塊が見えました。

その塊はヨーク目をこらして見ると

人がうずくまってるように見えました。

私は私と同じようにうずくまって寝ている人が居るのだと思いました。

しばらくすると私は起き上がり通りに向かい歩き出そうとしたときです。

その黒くうずくまったものが、「ムクムク」動き出しました。

「それが何かわからず、恐怖で立ち尽くしておりました。」

その影は起き上がると私の方に向かってきました。

近づいてくると、それが人であることが確認できました。

私は少し安心して話しかけました。

顔は無精ひげが10cmぐらい伸び、ぼろぼろの背広に色々な合わせ着を着て

寒さをしのいでるようです。俗に言うホームレスです。

「あなたは私と同じフォームレスですか?」とその男が聞いてきた。

「私はあなたが酔ってきてすぐ私の前で寝たので

てっきり私と同じだと思いましたよ。」男は笑って話しました。

私から恐怖は薄れ男に話しかけました。

「あなたは何時からここに居るのですが?」

「どうしてフォームレスになったのですか?」

と立て続けに聞きました。

しかし男は笑ってごまかしました。

私が相手をしなくなり立ち去ろうとしたときです。

男はもじもじと私のそばに来て、

「二カー」と黄色い歯をむき出して笑いました。

私は薄気味悪くなり逃げようとすると私の腕を強くつかみ、

行きよいよく引き戻され、私の耳のそばでつぶやきました。

「俺は人間じゃない」

「俺は3年前にこの場所で死んだ後、自縛霊になった。

この場所から逃げられない。その俺が見えるお前はよほど霊力が強い

そこで相談がある。俺を成仏させてくれないか?」

私は驚きました。

私が「自縛霊を成仏させる?そんなことが出来るわけがない」と考えると

男に向かい「俺には力がない」と答えました。

しかし男は「おれはここで3年待っていた。お前が立ち去ると俺は永遠に

ここに居なくてはいけない。どうか助けてくれ」と私の心に訴えてきました。

私は哀れになり男がどうすれば成仏するか考えました。

私は男を私の前に座らせてお経を拝み始めました。

お経は私が小さいときからおばあさんに教わったものです。

お経を拝み始めてから1時間、男の様子が変わりました。

足の方から薄く透け始めました。

そして20分。

顔まで透け始めた時、男がつぶやきました。

「あ、り、が、と、う」

その言葉とともに男の姿は私の前から消えていった。

私はお経をやめて、成仏したことを確かめて、その路地を後にしました。

もう白々と夜は明けていた。

その事があってから、わたしは酒を辞めた。

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