短編2
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カラス

部活で凝った肩を回し、夕焼けが熱くて日陰を歩く。

吸っても吸っても吸えないような息苦しい熱風に顔を顰め、湿気の籠った太股をどうにかしたくて長いスカートの端を持ってパタパタするも、元々外の湿度は98%なのだから太股付近の湿度が下がる事もなく「ああ、もう!」とうんざりした声を洩らして早く帰って着替えようと足を急がせる。

時期は夏

セミが大合唱し、足元に汗に引き寄せられた蚊がまとわりつく。

制服と皮膚が汗で張り付き、なんとも言えない拘束感を感じながら虫達にも急かされるように足を急がせて帰路につく。

いつも通りの泥に薄汚れた白い塀の横を通り、木々の合間から射し込む夕日に目を細めながら道を曲がったところで足を止めた。

オレンジ色に染まった空をバックに逆光に黒くなってる電柱とその電線でウゴウゴと蠢く黒い無数の塊。

私は一瞬何だかわからずポカンとしたがすぐにガーと塊の1部が声をあげ、理解した。

20羽程ののカラスが電線にとまってたのだ。

辺りを見渡せば屋根にも木にも駐車場にも車のボンネットにもいるいるいる。

100羽近くのカラスの大群に私は何事かと驚き、立ち尽くした。

コツン……。

微かな音がした。

見れば電線の向かい側、三階建てのアパートのベランダに1羽いて窓ガラスを突っついていた。

コツン…コツン…コツコツ

バサバサバサ

それに触発されたのか新たに電線と車のボンネットから移動した2羽のカラスが加わり、コツコツとベランダのガラスを突っつき出した。

コツコツ

コツコツコツコツ

コツコツコツコツコツコツ

コツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツコツ

何かあるのか…?

3羽のカラスが嘴でガラスを叩くのに不信感を感じた私はジッとガラスの奥のレースのカーテンを見つめた。

その時だ。

微かにレースのカーテンに人影がうつり、項の毛が総毛立つような嫌な予感がした私はたまらず踵を返して走り出した。

「〜東京都○○区○○台、△△アパートで一家が惨殺される事件がありました。長男は首を切られ、母親は腹と胸を刺されて死亡しており、警察は行方不明の父親が何か事情を知ってるのではないかと行方を追っています〜」

私が見た人影はいったい誰だっただろうか…

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光道様
コメントありがとうございます。
夏の情景と制服の窮屈さを思い出しつつ書きましたがちゃんと伝わって良かったです(o´罒`o)♥

カラスそんなに嗅覚が凄いんですねΣ(゚ロ゚;)
頭が良くて嗅覚が凄いなんて最強じゃないですか。
悪知恵だけでここまで進化したものだと思ってましたよ。
カラス凄い!!!

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文章力は十分です。
私より数段上です。たいした物だ。
カラスは死んだ人の腐敗臭をかぎ分ける力が
ジャッカルや剥げたかやとんびと同じぐらい強いようです。
それでよってきたのではないでしょうか?

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トドさんコメントありがとうございます(´∀`)
書いた後なんか違うなーと思いつつ投稿したのですがきちんと怖さが伝わって良かったです(。-∀-)

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初めまして!お邪魔致しますm(_ _)m

文章力が無いなんて、とんでもない!
しっかり情景が浮かびます。そして、怖い
( ; ゜Д゜)
実話って、結構その時の恐怖を表現するのが難しいですよね…

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のりたま子様
実体験です。
この体験以来、カラスを見るとおもわず他に居ないか探してしまいます(笑)
幸いこれ以降は5羽以上のカラスの群れは見た事はないですが……
大量のカラスを見たら近くに死体があるかもしれないので1人では近付かないようにして下さいね( ´ⅴ`)

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まりか様
コメントありがとうございます。
中学生の頃国語はオール1でしたし、文章力なんてまだまだです(´>∀

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黒うさぎ様
実体験でしょうか?!充分怖かったです(´;ω;`)
文章力に思わず惹き込まれました!

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