短編2
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ありがとう…

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彼女は俗に言う‘視える人’では無い…

俺と一緒に居る時、俺には視えていても彼女には視えていないなんてことは当たり前のようにある…

だけど、彼女は夢を見る…

とても不思議な夢を…

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その日は、朝からとても忙しかった…

俺の人生の中でも一番と言えるくらいに…

部屋の中で準備に追われる俺の所に、彼女がやって来たのは予定の時間を15分ほど過ぎた頃だった…

俺『何してンの?早く用意しぃや!』

彼女「ねぇ、あんたのおじいちゃんとお婆ちゃんの写真ってある?」

俺『はぁ?急になに?』

彼女「今持ってる?」

俺『いや、今持ってないけど、親が持ってくるんじゃないかなぁ?』

彼女「そうだよね…」

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俺『あぁ、携帯のアルバムの中にばぁちゃんの写真ならあると思うけど…』

彼女「見せて!」

俺は、準備を中断し携帯を彼女に渡した…

携帯をのぞきこむ彼女…

彼女「やっぱりね…」

俺『はぁ? なに?』

彼女「今朝、夢を見たんだけど、お婆ちゃんが出てきたの。一緒にいたのは多分おじいちゃんだと思う。」

俺『…』

彼女「背が高くて、杖をついてた。おじいちゃんは一言も話さなかったけど、ずっとニコニコしてた。」

俺『多分じぃちゃんで間違いないな。黙ってニコニコなんてじぃちゃんらしいわ…』

彼女「ずっと、あんたのことをよろしく頼むってお願いされた。自分が辛くてもそれを隠して無理する子だからって…」

俺『それを伝えにお前の所に?』

彼女「今日も、見てるからって…」

俺『そうかぁ、来てるんだ…』

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俺と彼女は並んで座っていた…

彼女「ねぇ、夢の中でおじいちゃんとお婆ちゃんが座ってたのって、あの辺だと思うんだけど…」

指を指した方向に目を向ける…

居た…

懐かしい顔だ…

俺が高校の時にこの世を去ったじぃちゃん…

2年前に同じくこの世を去ったばぁちゃん…

俺『居るよ。ばぁちゃん泣いてるよ。じぃちゃんは相変わらずニコニコしてる…』

彼女「やっぱりね。来てくださってありがとうございます。」

そう言いながら、彼女はその方向に向かって深々と頭を下げた…

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もう気付いてる人もいると思うけど、これは俺と彼女の結婚式の日の出来事…

式も終わり、出席してくれた人達を見送る…

一番最後の人を見送った後だった…

「おめでとう。しっかりな。」

大好だった、じぃちゃんとばぁちゃんの声が聞こえた…

Concrete
コメント怖い
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光道さん、初めまして!
コメントありがとうございます。
沢山の怖い話しの中でほっと一息ついていただければ嬉しいです(^_^;)
まぁ、たまにはアリですよね(^_^;)

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マコさん、いつもありがとうございます。
ホントにこの度の1件で色々と支えられて生きてるんだってことを再認識しました(;つД`)
当たり前の日常を過ごせることの幸せを改めて思い知らされた出来事でした。

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烏賊さん、いい話なのでポチリ。

この世界に生まれて来た事に 感謝 デスね!

良か話ば ありがとね!

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トドさん、コメントありがとうございます。
多分見守ってくれてるんだろうなぁって思ってます。
小さい頃からおじいちゃんッ子だったんで、願望もありますが…(笑)

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マガツヒさん、初めまして。コメントありがとうございます。
そう言っていただけて嬉しいです。

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はるさん、コメントありがとうございます。
怖い話しの中のほっと一息ついていただければ嬉しいです。

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烏賊サマ師様
とても良いお話しを拝見させていただき、ありがとうございます。 心が温まるお話しで怖いしか無いので、押させていただきました。

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