中編3
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裏山の祟り

昔,

私の家の裏には小高い丘があり,その丘の名前は「平ら山」と呼ばれてました。

「平ら山」の向こうには、左手に神社、右手にお寺があり

50mほどの下り坂があり、獣道のようになってお寺と神社に続いてました。

お祭りがあるとその道を伝って神社に遊びに行きました。

そんなある日、

この山を切り崩して住宅を建てようという市の計画が持ち上がり、

工事が始まりました。

重機が持ち込まれ工事が始まる前に市から町内のみんなに

迷惑がかからないようにという集会が開かれました。

私のおばあさんはこの集会に行くと

この計画の説明の席で反対を表召しました。

おばあさんは

「あの山には、昔お墓がいっぱい建っていて無縁仏が今でも眠っている。

掘ったら、祟りがある。」といって聞きませんでした。

親もおばあさんが裏山の事を話し始めると逃げ出す始末でした。

そんなある日、

裏山で大きな事故が起きました。

ブルトーザーのキャタピラーが外れ周りで作業をしてた人

5人が重軽傷を追いました。

その影響で工事が中止されました。

おばあさんは「祟りだ」と言って仏壇に向かい拝み続けてます。

親は「偶然だ」と言って、おばあさんを馬鹿にしました。

私はおばあさんがかわいそうになり、一緒に拝みました。

おばあさんは「お前だけだね。信用してくれるのは」と言って泣きました。

一週間してまた工事が始まりました。

それから10日目のこと、

何かショベルが硬いものにあたり工事が出来なくなりました。

手作業での掘削が始まりました。

1mほど手堀をすると大きな石ではなくて、墓石が出てきました。

地表調査が行われ、墓石は20m四方に転々と存在してることがわかり

また工事が中止になりました。

おばあさんの言ってることは本当だったのです。

市の職員や県の郷土史家も着ておばあさんと話をしました。

おばあさんは家に伝わる古文書を出してきて、

「これに載ってることはすべて本当だと言いました。」

古文書は母方のもので、村の庄屋時代のことが書いてありました。

「お寺と神社が両脇にあるのだから墓が在って当然だ」と

おばあさんは言ってました。

墓石は関東大震災(大正12年)にすべて倒れた。

そしてそのままになり、埋もれていったとことがわかりました。

その日の夜、

人魂らしきものが多く目撃されました。

夜中に白い影が墓のあった場所から歩いている姿も目撃されました。

墓は、お寺の住職のお経の後

翌日より掘り起こされ別の場所に移転されました。

おばあさんは「土の中の骨や魂はまだ成仏してない。

あの土地の上に家が建てばどうなるか?」

あれから20年、

家はもう20軒以上たちました。

その20軒以上建った家に何か祟りがあったかは判りません。

しかしおばあさんの言ってることは本当です。

そのおばあさんももう亡くなりました。

この事実を伝える人は、誰もいなくなりました。

ただ、家の下の土には、無数の人の骨が眠っているのです。

Concrete
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トドさん
今も家は一杯建ってますが、みんな知らないようです。
知らぬが仏です。
昔から居た人たちは知っていて、絶対近寄らないようです。
これは、京都でも、京都人は嵐山には近寄らない。と同じです。

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りこさん
何時も出すたびに怖いありがとう御座います。
今後ともよろしくお願いします。
ご感想がありましたら、お聞きしたいのですが
いかがなものか?

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