短編2
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~助けて~

数年前の津波で救助された人のお話です。。

レスキュー隊?消防?判りませんが、胸の熱くなるお話を・・・・。

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その日、救助に向かった人の語った話がどうしても焼き付いて離れない。

・・・

家よりも高い水位で、老夫婦が必死に板切れに摑まっていた。

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隊員は、何とかゴムボートでその老夫婦を助けようとした。

・・がしかし。。

断られたのだという。

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「さぁ!もう大丈夫ですよ!手を伸ばして!」

そう言った隊員に、お爺さんが弱々しい声で応えた。

『ワシらは、もう十分生きた。あっちの若い人を助けてくんねぇか?』

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隊員がお爺さんの視線の先を見ると、やはりポリタンクに何とかしがみついている若者がいた。

隊員はお爺さんに言った。

「彼らも助けますから!さぁ!手を伸ばして!」

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だが、お爺さんは全身を水で凍えさせたまま、お婆さんを小脇に抱えたまま、同じ事を言う。

「あっちの若い人を頼むよ。なぁ?婆さん?」

老婦人も目に涙を浮かべながら、隊員に頷いた。

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そんなやり取りの中、隊員は、お爺さんの手を掴むことに成功した。。。。

が、剥がれて無くなった爪を立てて引き剥がしたお爺さん。

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「ありがとう。これで若い命が救われる」

隊員にそう言い残し、お爺さんは、掴んでいた板切れを手放し、お婆さんと共に水に沈んでいった・・。

その老夫婦の沈みゆく表情は穏やかだったという。

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・・私がとある公的機関でバイトしてた時にVTRで流されていた内容だ。

それを語る隊員の目を赤くした姿に私も涙した。

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・・自分達が助かりたくて必死に板切れに摑まってたんじゃない。

若い人を・・未来のある人を助けてやって欲しい。

その一心で板切れにしがみついてたんだろう。

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自ら救助の手を振りほどくのに、どれだけの勇気が欲しかっただろうか。

それを思うと。。

涙が止まらないんだ・・・

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コメント・ポチ、下さった皆様、本当にありがとうございます。

あたたかな心のまま、【死ぬときも一緒】で去っていかれた、この老夫婦。
このVTRで語られた内容が、もっと広くたくさんの方々に伝わったらいいのに。
そう思えてなりませんでした。

追悼特集。。毎年どこかしらの局でやりますが、直視出来ずに居ます。
心が痛くてやりきれない思い出がありすぎて。。

直視出来ない代わりに、この老夫婦のお話だけを胸に刻んでいます。

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お久しぶりですね。

体調、キチンと直して元気になって ロビン氏イジメようよ!

とは、冗談です。笑

でも、お話 凄く深いですね。自分の命とそれに伴侶の命までも 責任を持って引き取った。到底、凡人では出来ないです。

その老夫婦は 必ず天国へ導かれたでしょう。
そしてまた、誰かの子供として生まれ変わって来てくれることを祈ります。

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沙羅さん、こんばんは!

本当に胸が熱くなるお話ですね…。
温かくて…切なくて…やっぱり涙がでちゃいました…(/ _ ; )

そして、自分のことも見つめ直さなくちゃ…なんて反省してますT^T

沙羅さん、体調がすぐれないご様子…(・・;)
大丈夫ですか?
無理をしないで温かくしてゆっくり休んでくださいね!(とは、言ってもなかなかねぇ(^_^;))

そして、またあの元気な『沙羅さん節』聞かせてくださいませませ(#^.^#)