短編2
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くねくね

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数年前のある冬の夢の話。

僕は夢の中で旅館の一室にいた。

だが、何かがおかしい。

僕はふと辺りを見渡した。

すぐに違和感の正体が分かった。

その部屋には窓、というか出口が一つもなかった。

本能的に「ここは怖い」そう思った。

もちろん、出れるはずもないのだが。

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部屋に一台、テレビがあることに気がついた。

少しでも気を紛らわせるためにと電源を入れた。

そこには、なぜか薄暗い和室の隅ずっと映されていた。

気味が悪いのでチャンネルを変えるも、ずっと同じモノしか映らない。

「おかしいな」

そう思い何度もチャンネルを変えてみるが変化はなかった。

すると突然テレビから小さな声で

「-------くね-------くね-------くね」

と断続的に聞こえ始めた。

僕は気になって音量を上げた。

「まだ聞こえない」

「まだ音が小さい」

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僕は音量を上げ続け、ついに最大音量まで上げてしまった。

それでもその声は聞き取れない。

「壊れてんのかな」

その次の瞬間

耳元から大音量で

「イクネイクネイクネイクネイクネイクネイクネイクネ」

と女なんだか男なんだか分からない声が響きわたった。

そこで目が覚めた。

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目が覚めるとままだ夜の3時だった。

「変な夢だなぁ」

そう思いつつ、僕はもう一度眠りに落ちた。

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それから何年かたった。

僕は今、一人で旅館に泊まっている。

問題は、この部屋に窓が一つもないということなんだ。

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