長編14
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鬼門

この作品は、ロビンの祝いとまったく関係ないので

スルーしないでください。

かれこれ35年前になる。

私は家に帰り、家の手伝いをして過ごしていた。

お婆さんは、「早く就職して働かないと駄目になる。」と何時も言っていた。

そんなある日。東京の次女のおばさんから電話が来た。

長女はとっくに他界しており、次女が家を継がなくてはいけないのに

三女である私の母が家を継ぎ、何処にも行かず家の切り盛りをしていた。

次女の叔母は2年ぶりぐらいに連絡をよこした。

私も、おばの家に一度学生のときに泊まりに行き、泊められた部屋で異常な

体験をしてきた。その思いがあり直ぐ電話は母に引き継いだ。

母が出ると、30分ほど話して電話を切った。母の顔が曇っていた。

母が電話を切った後の様子を見た私はただ事ではない事を察した。

母はみんなが集まる食事の席で話し始めた。

「姉さんのだんなさんが、病気がちで会社を首になりかけていて、生活が大変らしい」

と言うと「どうも息子夫婦と同居し始めて、

部屋を移った後に病気や会社でのトラブルが置き始め休みがちになった。」

との事を言った。

お婆さんはその話を聞くなり「勝手に嫁いで今になり何を言ってるんだ。自分で選んだ道だ

自分で解決すりゃいいんじゃ。」そう言うとご飯もそこそこに自分の部屋に引き上げた。

母は困り顔で、私と父に話した。「おじいさんが居れば,直ぐ行ってやれと言うのに

お母さんは意地張りだから直ぐ怒る。姉さんが部屋を替わってから起きた事で

部屋を見てほしいと言ってるだけなのに。」そう言うと私を見た。

私は母が何を言いたいか察して、お婆さんの部屋に行く途中もう一度、

東京のおばさんに電話して詳しく聞いた。

その部屋は、私が以前大学生のとき泊められた部屋である事がわかった。

私も3年前に新築した部屋に泊まった事を思い出した。

玄関を入ると左にすぐ6畳間が別室のようにあり、

向かいはリビングと台所廊下を挟んでトイレと風呂があり二階に昇る階段がある

私は玄関を入ると直ぐの6畳間に泊められた。

その部屋で、夜中に異様な事が起きた事を思い出した。

家はまだ建てたばかりで、畳の匂いがしたり、柱のニスの匂いが抜けない状態だった。

叔父さんからビールを勧められて飲み心地よい気分で、寝床に着いた。

そして、12時を回ったころ、人の話し声が聞こえてきた。

私が寝ている頭の上や足元からも聞こえてきた。

話の内容がわからないが、私は叔父と叔母がリビングで話しているのだなと思うと

また寝ようとしたとき、今度は私の脇を「ドタドタドタ」と足音が通り過ぎた。

驚き通りすぎた方を見ると、そこには大きな足が二つ並んでいた。

驚き起きるとその足は消え、今度は天井から「ケタ、ケタ。ケタ。」と笑い声がして

見上げると、真っ白い顔のおじいさんが天井から釣り下がるように体を出しこちらを見ていた。

私は驚き、布団をかぶると布団の隙間から光る眼が見えた。

私は何時しか、気を失って朝を迎えた。

その事を叔母に話したが信用どころか、怒り出す始末でどうしようもなくなり

家を後にして、それから一度も行かずしまいだった。

その事をお婆さんに告げると、お婆さんは「お前が行くのならわしは付き合って行こう。

嫌ならわしも行かん。」そう言うと私にそっぽを向き、仏壇に向かい拝み始めた。

その事を母に話すのを父が聞いていて、「二人で行ってきなさい。仕事も忙しくないし

お婆さんに東京見物でもさせて来なさい。」と言うと私に10万ほどお金を持たせた。

翌日の朝、お婆さんに「俺と一緒に東京見物を兼ねて、叔母さんの家に泊めてもらおう。」

と言うとおばあさんはにっこり微笑んでうなずいた。

内心は自分の娘の事が気になっていたのだと私は思った。

お婆さんは私が告げたことを思い出すと色々な物を用意し始めた。

百目ろうそくや数珠、その他にも鏡やお払い用の水や粗塩、線香の粉それをバックに詰めた。

私には方位磁石を用意するように言いつけた。

見送る母は、心配そうにおばあさんと私に手を振った。

列車に乗ると、子供のように外を眺めたり、車内食が来ると買って結構楽しそうにしていた。

上野に着くと叔父夫婦と息子が待っていた。

お婆さんと私は挨拶もそこそこ家に向かった。

お婆さんは車の中で、叔母を怒っていた。

かなり根が深いようで色々叔父にも口説いていた。

お婆さんは家に着くと早々玄関で、立ち止まり動かなくなった。

私を脇に呼ぶと「この家に入りたくないとそっと言い出した。」

私はその様子や顔色を見るとただ事ではないと悟った。

お婆さんの荷物を降ろすと、早々バックを開け、

粗塩を出すと庭先や玄関、駐車場、家の周りに撒き出した。

私も手伝い撒いたが塩が足らなくなり叔母が買いに行く始末だった。

叔父さんは「そんなにこの家凄い状態なのですか?」とお婆さんに聞くと、

お婆さんは「こんな凄い気配や気を感じたのは生まれて初めてじゃ。」と言うと

私に「お前、こんな家に良く泊まったな?霊が判る人は絶対泊まらない」そう言うと

私に近所の旅館を探すように言いつけた。

私は叔父や従兄弟の手前、切り出せなくて困った。

そして玄関先でこの事を正直に話すと叔父が困った顔をしたが、従兄弟がすかさず、

「この近くに旅館があるので案内する」というと荷物を取り私と二人歩き出した。

そして従兄弟は話した。「僕も、あの家がおかしい事は結婚する前から判っていた。

夜中にトイレに起きると誰も居ないトイレから水を流す音が聞こえたり、

妻と寝ていると階段を上がる音がしたり、風呂に入ると窓に人の影が映ったり

まだまだ、沢山奇妙な事があったが、母さんに話すと怒り出すから言えなかった。

親父があの部屋で変になり始めてから、母さんは騒ぎ出した。もう少し早く気が点く

べきだった。」

そう言うと「お婆さんが旅館に泊まると言うのも納得いく」と言うと

旅館の部屋を予約した。

18年ぶりぐらいに、お婆さんと一緒に寝た。

夜来る朝。

お婆さんは朝5時に起きると「あの家の庭に行くから、お前も付き合え」と言うと

サッサと支度をして出かけた。

まだ、誰も居ない庭に入るとお婆さんは、

私に方位磁石を出すように言うと方位を探り出した。

お婆さんは私に教えるように言い出した。

「進。方位を見て、北東の方向に向かい何があるか紙に書いて私に見せなさい。」

そう言うと庭においてある石に腰を降ろした。

私は言われた通り北東に向かいある物を書き出した。

家の庭を過ぎると立ち木が一本と石が2つ、柱があり中に通じる扉、と言った具合に

書き込んで言った。

叔母さんや叔父さんを起こすと家の中に入り北東に面したものを書き出して言った。

叔母さんも叔父さんも、まだパジャマ姿で、お婆さんが庭に居ると言うと

慌てて、庭に向かった。

叔母さんは「まったく、お母さん家に泊まらず、

旅館に行ったかと思ったら今度は朝早くから家のあら捜しですか?

ここは田舎と違うのよ。」と言うと怒った。

すると、お婆さんは「お前の親父はこのままだと死ぬぞ」と下から目を上げてささやいた。

叔母さんは震え上がり、その場で立ち尽くした。

私は調べ終わると従兄弟に「この家のおじさんたちが寝ている寝室は丁度北東だ。」

と告げるとお婆さんに紙を渡した。

それを見るお婆さんの顔は今までに見たこともないほど、険しい顔に変わった。

「この家潰して建て直さないといけないね。」とポツリとつぶやくと

座った石から立ち上がり「進、山形に帰ろう」と言い出した。

私と従兄弟は、「お婆さん何とかして、この家の悪霊を出して欲しい」と頼んだ。

お婆さんは「孫が二人して頼んでるんだから何とかしなきゃ仕方ないね。」と

叔母さんに向かい言うと、叔父さんに向かい「今寝て入る部屋を早く移りなさい。

今日中にあの部屋にあるもの全て片付けなさい。」そう言うとお勝手口から

上がり込んで行った.

叔母さんは自分の母親がすることをただ見ているだけだった。

叔父さんと従兄弟は会社を休み、嫁にも手伝わせて、荷物を二階の部屋と居間に運んだ。

それから2日間。

私とお婆さんの死闘が始まった。

お婆さんはその部屋に入る前に、お寺で貰ってきた清水をまいた。

畳一面に撒くと私とお婆さんは立ち込めるものすごい悪臭で中に入る事が出来なかった。

しかし、叔父や叔母、従兄弟、嫁は何もにおわないと言っていた。

もう、私とお婆さんの世界だった。

お婆さんに言われ、足らなくなった清水を近くのお寺の住職に頼み、一升瓶に3本ほど

分けて貰い次に祭壇を机を並べ作り、白い布をかけて中央には、お婆さんが用意してきた

お札と鏡や清水や百目ロウソク、庭で切って来た花をお供えした。

祭壇は出来上がった。お婆さんは、

私に「拝み始めたら,何処からあの匂いがするか確かめなさい。」

と言うと私の持っていた磁石を眺め始めた。

磁石の示す針はその部屋ではグルグル回り止らなかった。

お婆さんは「この部屋のどこかに、出入りする門がある」と言うと見渡した。

お婆さんが拝み始めると叔父叔母従兄弟夫婦が後ろに座り、一緒に手を合わせた。

そして、1時間拝み続けるお婆さんの周りで異変が置き始めた。

まず、天井の蛍光灯が勢い良くはじけて「パーン」と言う音と共に全て割れた。

そして、百目ロウソクの炎が両方消えた。

それに続き、花瓶がたたみに落ちて転がった。

次に庭に面したガラスの全てにひびが入った。

最後に畳の下から煙が立ちこめ、おばあさんを包んだ。

それを見た、叔母をはじめ家族はおびえて、周りをきょろきょろ眺めていた。

私も、これから起きる事に不安だったが、

お婆さんの言ってる通りに事を進めなければと

思い必死だった。

お婆さんは、お経を辞めて「たたみに清水をマケ」と命令した。

私は一升瓶をつかむと、親指で栓を外し上下に振りながら水を畳一面にまいた。

湯気のように立ち込める白い煙に部屋が包まれた。

叔母、叔父はあっけに採られてその様子を後ろで見ていた。

従兄弟と嫁は抱き合い震えていた。

30分ほどすると煙は収まり、畳がぶよぶよになった。

叔父がつぶやいた。「ただの水でたたみが使えなくなるなんて。それに煙が。」

その言葉しかでなかった。

お婆さんは、叔母を見ると「まだ終わってはおらん。これからじゃ。」そう言うと

また、消えた百目ろうそくに火をつけて拝み始めた。

私は従兄弟の横に座り「まだ、俺にも凄い霊気をを感じる。何処から来るのかが問題だ。」とつぶやくと、

お婆さんのお経がやんだ。

「進。畳をはがせ。」そう告げるとおばあさんは、その場から台所に引いた。

台所に引き上げたお婆さんは「腹が減った。悦子、飯の仕度だ。」と騒いだ。

叔母は、呆然としていたが我に返り、嫁と二人で台所に向かった。

食事の仕度の間、私と叔父と従兄弟は畳を剥がし庭の木に立てかけた。

その時だ。畳の裏が真っ黒に焦げたような痕が至る所に広がって見えた。

畳を剥がし終わると、床の板を一枚、一枚剥がし、土が見える状態にした。

外から入る光で白い土の色が部屋に反射して

不気味な模様を天井に映し出していた。

ご飯を食べ終わるとお婆さんは部屋の様子を伺った。

一通り見終わるとうなずき、「今度はシャベルを持ってきて、お前たち男全員で、

床の土を掘れ。」と命令すると叔父と従兄弟がシャベルを借りに近所の家に向かった。

間もなく戻ってくると、3人は分かれて隅の方から掘り始めた。

掘って30分土は外の庭に置かれた。

そして、1時間。

もう昼を迎えるころでした。何か硬い物にシャベルが当った。

その物の正体を見極める為に手で土を掻き分けた。

どす黒い、板のような12角形のようなものが姿を現した。

それを見たお婆さんは叫んだ。「そのもの触れてはならん。」

「それから、よーくお聞き。」みんなを見据えるように話し始めた。

「進お前もこのような体験は始めてだから、粗相の無いようにお聞き.」

「この家は鬼門「北東」に建てられていて霊の通り道じゃ。

それに輪をかけるように陰様道での鬼門も重なっている。

霊がわんさかやってくるところに家があるのだ。

それの証拠に、土の中より陰様版が出てきた。

今まではその板で防がれていたが

割れておる。すなわち効き目がなくなっている。

だからこの部屋で寝れば霊魂の餌食になると言う事じゃ。」

叔父さんは聞いた。「どうすれば防げます。」

お婆さんは「建て直すが潰してしまうほか在るまい。」

そう言うとまた叔母さんを呼んだ

「悦子、神主じゃ神主をを呼んで来い。」そう言うとお婆さんは、

「神主がくるまで休憩じゃ」

と言うと居間に横になると寝てしまった。

私をはじめ、みんなはお婆さんに振り回されてくたくただった。

寝る事もできずに居る5人だった。

叔母と叔父が神主を呼びに出かけた。

お婆さんは長椅子でぐうぐう寝ていた。

お婆さんの心臓の強さは私には真似ができないと悟った。

そして、3時過ぎ神主が到着した。

お婆さんは、神主と20分ほど話すと神主がお払いを始めるべく、

玄関や水周りのあるところ、最後に6畳間に来てお払いを行うと、

先ほど土の中より出てきた木の板に何か呪文を唱えると、

その板を持ってきた布に包み、持ち帰りまた2日後に来ると言うと家を後に引き上げた。

お婆さんは神主を丁重に見送ると「お前たち全員今日から旅館に泊まれ金はワシが出す。」

そう言うと、私を連れて引き上げた。

みんなは旅館に泊まり、夜が明けた朝5時私はお婆さんに起こされて

家に向かった。

「進よーくお聞き。今日があの家の正念場だ。お前の霊力も必要になる。

神主が着たら私の後ろで、必死に拝め判ったな。何が起きても動じちゃいけないよ。」

家の前に来ると家を見据えて、合掌した。

中に入ると6畳間は別の世界のように暗く闇が広がっているように見えた。

私は「お婆さんこれからどうするの」と聞くと

「神主が持ってくる新しい封印を置くまでが勝負じゃ。それに負けると私とお前は

どうなるか判らない。しかし、お前は後取りの一人息子じゃ。わしが変わりにお前を

生かす変わりに死ぬ事になる。」そう言うと神妙な顔で私を見つめた。

私は「お婆さんそこまでする必要はない。家を捨てれば済む事だ。」と言うと

お婆さんは近所に響き渡る声で「馬鹿もーん」と大きな声を出した。

「いいか、進ここで逃げたら私とお前に一生この世に居る限り、それ以降死んでも、

餓鬼や外道や鬼や妖怪が着いて来る。それを避ける事はここまできたら出来ないのじゃ。

もう、昨日お前と私はこの鬼門を通じて戦線布告してしまったのじゃ。」そう言うと

気を取り直し「これから出てくる霊を一つ一つ、お前とわしで消して行く。消せない物は

全て、お前とわしに獲り付く。覚悟してかかれ。」そう言うと

黙ってしまった。

私はこれから起きる事におびえて、手や足がガクガク鳴るほど震えた。

二人で、部屋に入るとロウソクに火をつけ、まずお婆さんが拝み始めてから

続けて、私は拝み始めた。

もう電気も点かない部屋で百目ロウソクの炎だけがユラユラと揺れていた。

朝7時を過ぎたころ、叔母たち家族が部屋に来ると、昨日とはまた違う空気に

驚いて、中に入るのをためらっていた。

もう掘り起こした床はポッカリ口をあけており、畳2畳ほどの所で二人は必死に

拝んでいる。その姿は不気味以外の何者でもなかった。

しばらくすると、畳と板をはがした所から湯気のような煙が一筋上がってきた。

少し振り向いたお婆さんは、お経を拝みながら私に目を向けると

鏡を渡してきた。

私はお婆さんの目を見るとこれから何をするのか察した。

一筋の煙は天井まで長く伸びると、私に向かい生き物のように

攻めてきた。私は鏡をかざした。何処からともなく

「ギャー、ギャ、ギャーー」と言う声とともに

鏡に煙が吸い込まれてゆき、跡形もなく消えた。

その間もなく、今度は天井から、また大きな目が迫ってきた。

私が鏡を向けるがそれには聞かなかった。

私はすかさず,お婆さんを見ると線香の灰を目で射した。

私は線香の灰をつかむとその目、めがけて投げつけた。

大きな目は灰を浴びると私の目の前でチジミ失せた。

こうして、神主が来る間、私とお婆さんは戦い続けた。

3時間はこの戦いを繰り返したころ、ようやく神主が現れた。

神主は家主や叔母、従兄弟が呆然と立ち尽くす脇をイソイソと潜りぬけ

お婆さんのところに来た。

お婆さんは呪文を止めた。すると待っていたかのように壁が盛り上がり

壁に顔が現れた。顔は睨みを利かせ迫ってきた。

すかさずお婆さんは叫んだ。「進、今度は清水じゃ。」私は一升瓶をつかむと

壁目がけて降りかけた。何処からともなく「ギャー」と言う声と共に

壁の盛り上がりは失せた。

お婆さんは「休憩じゃ」と言うと祈りを辞めて、神主を迎えた。

神主は「凄い有様ですなー」と言うと部屋の周りを見た。

その時初めて私とお婆さんは気が点いた。

まるで、祭壇の周りは清水と灰のシミが出来て、わずか3時間ほど前の部屋の

面影は無かった。

神主は「ご隠居。今度は割れないように銅と鉄とで作ってきました。」そう言うと

封しの板を見せた。

お婆さんの顔にようやく笑みが戻ってきた。

封しの板をお婆さんに渡すとしげしげと眺めた。

「凄くよい出来栄えじゃ。これなら例え1万の霊が来ても大丈夫じゃ。」

そう言うと、祭壇を後に立ち上がり台所に向かった。

私はいつの間にか左手に一升瓶、右手に灰、腰には鏡を配置してる姿を見ると

可笑しくなった。

叔父や叔母、それに従兄弟夫婦は呆気に取られていた。

お婆さんは水を飲み戻るとまた祭壇に向かい拝み始めた。

今度は神主も一緒に拝むと先ほどとは一転して部屋が静まり返った。

お婆さんは私に床板を外すように指示を出した。

床板を外すと土の60cm四方が、濡れたように色がついていた。

お婆さんと神主が拝み終わると、その濡れた土に先ほどの封止の板を置く準備をした。

「進よーく見ておきなさい。これが鬼門じゃ。」とお婆さんはつぶやいた。

神主が板を置くと、不思議な事に濡れたように見えた土が周りの色と同色なった。

神主は「ご隠居。これからどうしましょうか?」とお婆さんに聞いた。

お婆さんは「封止の板の周りをコンクリートで固めてしまうか?」そう言うと

「悦子、これからコンクリートを買っておいで。早く買わないとこの家が潰れるぞ。」と

脅すと旦那と一緒にホームセンターに向かった。

緊張した私を見るとお婆さんは元のにこやかな顔に戻り、

「進、もう終わったよ。私たちは生きていたね。」そう言うと私の手を握った。

間もなくコンクリートを封止の板の周り1mほどに敷き詰めた。

従兄弟と私ははがされた板を元通りにすると祭壇に使ったテーブルやガラスの破片や

色々な物を片付けた。

お婆さんと二人旅館から家にもどり、叔母や叔父にこれから、どうするか

お婆さんは聞いた。

叔母も叔父も無言だった.

お婆さんは「悦子もう山形に帰ってこないか?親父も一緒に来ないか?」と言うと

微笑んだ。

そして、おばあさんと私は東京見物もせず、次の日に山形に帰った。

そして、半年。叔父さんは山形の支店に栄転するように願いを出して

叔母と二人、実家の近くに古い家を買い住み始めた。

東京の家は息子に譲りました。

お婆さんは叔母さんが越してくると毎日、叔母の家に出向き、

あれやこれやと世話を焼いてます。

私はその姿を見ると幸せな気持ちになりました。

時々外にも響く声で「悦子、お前何をやってるんじゃー」と言う

雄叫びが聞こえました。

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鬼門。初めてこのサイトに出して、29の怖いと色々なコメント貰いました。
お仕事の合間、家事の合間に見てくださった方、本当にありがとう御座いました。
初めて、4位になりました。うれしいです。
これからも、色々載せて行きますので、変わらぬ応援をお願い致します。

怖いをつけてくださった皆さん
本当にありがとう御座います。
一人ひとり、挨拶したいのですが、
今のところ新しい投稿や本来の仕事が忙しく
御挨拶できません、
ほんとうにありがとうございます。
コメントに関しましては時間がたちましてからでも
御返答いたします。

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ネタバレ注意

面白かったです。家を建てたいと最近主人が頻りに言っており勉強になりました、やはり方角等きちんと見ないとですね。実家の家や土地を継ぐと因縁も継ぐのでしょうか…長男の嫁でして、お墓の問題もあり、どこまで次男さんに任せる事になるのか今後の課題です。

怖いを付けてくれた皆さん
本当にありがとう御座います。おかげで22といままで、51作中最高の好成績でした。
これからも、長編、短編載せて行きますのでよろしくお願いします。
なるべく、スルーしないで見てください。
これから怖いを付けようかなと思う人も含めて、ありがとうございます。

マガヒツさん
建築家はちゃんと考えて建ててます。
後は昔の大工さんは神主さん呼んで建てる前に
お払いと方位を確かめてます。
東京の場合、土地が密集してますので
それなりに、方位など関係なく建てるケースが多いようです。
この話は、私の友達の1級建築士が言ってました。
昔ながらの大工さんに建ててもらうのが、一番との事も言ってました。
同じ間取りの家をそのまま土地にドーンですから
やはり、方位とか鬼門とか無視してしまいます。
しかし、叔母のの家は、鬼門が判っていて建てたのですね。
その証拠に方位版が土の中に埋まっていた。
これは、かなり、悪質です。後にこの家売りに出して
千葉の方にあたらしい家を従兄弟が買いました。
あの家は?と聞いたら知らない、不動産屋が何とかするだろう
お金は貰ったから関係ないと言ってました。
私は、あの鬼門封止の板が壊されないことを祈ってます。

みぃねこさん
お答えします。
方位磁石はありますか?基準は玄関です。
間取りにもよりますが、北東に水周りが全て同じ方向にあるのものが悪いです。
鬼門は鬼が出入りする門です。水周りや人間が出入りする門がそこにあると凄く嫌い
縁起の悪い事が起きます。
後玄関が北東にあるのも縁起が悪く、憑き易いです。
後は水周りの延長に寝室や居間があると真っ直ぐそこに縁起が集中します。
水は流れるというでしょ。流れるところに寝室や居間があると水がせき止められてしまう。
すると、鬼が出入りする門にも水の危害が出るといわれています。
おばの家は’門も北東全て北東でした。
調べてみてください。建築士がちゃんとしてると絶対この方位にはよほどの理由が無い限り
家は建てないと思います。

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ネタバレ注意

よもつさん
コメントありがとうございます。
私の書いているものは全て体験から来てるので
文章力もないし、まるで初心者です。
ですので、よもつさんのようにフィクションを生み出す
素質がまったくありません。書き始めると何かの真似になってしまい
気がつくと捨ててますね。
逆に私はよもつさんがうらやましいです。
お婆さんシリーズで書いてますが、実際は本当に大変でした。
振り回される事が多く、娘たちは全て嫌ってましたね。7人の娘が居ましたが
唯一一番おとなしい三女内の母があとを継いだようです。
しかし、霊感は0おまけにおっとりしていて、何でもスローでした。
だから、お婆さんの勝気な性格についてこれたのだと思います。

長編大作、お疲れ様です。
私にはこのような体験は無いので、とても書けません。
私の祖母も信心深い人でした。
幼い私を寺に連れて行き、熱心にお坊様の説法を聞いてお経を唱えていたのを思い出しました。

あんみつ姫さん
コメントありがとう御座います。
お婆さんシリーズこれから、時々載せます。
私がおばあさんと過ごした、20年間に色々な体験をしました。
幼いころから青年までには怖い目に何度もあってきました。
そのつど、お婆さんが助けてくれましたが、今はおばあさんも他界して
居ませんので、生まれ変わりであろう娘に助けてもらおうと考えております。
でも、本当を言うと娘は普通の子に育って欲しいです。
もう、学校に行ってますが、先生にかみさんが呼び出されるのが日常になってるようです。
喧嘩はもちろん授業中にも何かを見て居なくなって、体育館に居たり、友達を怖がらせたり
お化けが見えると脅かしてみたり。かみさんはヒステリーを起こしてます。
これも、お婆さんの仕業かと思うと怒るに怒れない私です。

鬼門
とても、怖かったです。
お婆さまは、本当にすごい方だったのですね。
光道様のお嬢様が、その生まれ変わりだとしたら・・・・
お父様の光道様の複雑なお気持ちが手に取るように解ります。

その後おばさまのご家族は、皆様お元気でいらっしゃるようで、ほっとしております。
実話の持つ 本当に怖いお話 ありがとうございました。

はるさん
コメントありがとうございます。
お婆さんシリーズは後3作ですので今回のように
思い出しては書くしかないです。
今日はその3作のうちの一作午後より載せますので、楽しみに
色々見てくださり本当にうれしいです。

お婆さんシリーズ、最高です!
写真も拝見させていただきましたが、体験なさった事はインパクトもグロさも少なくて、より一層の恐怖がある様に感じます。
光道さんのお話は昔ながらの日本の怪談の様です。 本当に素晴らしい作品を無料で楽しませていただき感謝しております。
次回作も楽しみにお待ちしておりますm(_ _)m

マコさん
今あるストックにはお婆さんが出てくる物は4作ぐらいしかありません
また、思い出し書きますので少々お待ちください。

mamiさん
久しぶりですね。
どうしてました?
50ぐらい載せた前作消しましたがリクエストがあれば載せます。
mamiさんズートスルーでしたか?
新しい物は少し前より怖さを増したと自分では思いますが、
このサイトの投稿者を見ると、まだまだです。
書こうと思うとわざとらしくなり、受けが非常に悪い。
ロビンさんのようにアワード狙いたいのですが、中々私の力量と経験を書いてるので
本当に怖い作品が書けません。でもmamiさんをはじめ私の書くものに怖いをつけてくれる方のために書いたもの載せて行きます。
よろしくお願いします。

久々の長作、お疲れ様でした。

見てて、面白いお話でした。

お婆さんのお話、もっともっと見たいです!

お願いします。

光道さん、お久しぶりです。
私も、おばあ様のお話しは大好きです。
随分前…と言っても、一月くらい前ですが、コメントもさせてもらったのですよ。
ただ、最近読むペースが遅くて…なかなか新作までたどり着けないのですが、おばあ様のお話しは順に読んでいきたいと思っておりましたら…光道さんの投稿ペースに置いていかれるばかりとなっております。

ゆっくりではありますが、以前のお話しももちろん、読ませていただきます。

兄さん、コメサンクスです!このお話は夜、寝る前にじっくりと読ませて頂きます…ひひ…

珍味さん
コメントありがとう御座います。
後2作同時進行で進めてますが中々、はかどりません。
通常は2時間で書き上げてます。
早いのだけが取得で中身がないので、少しじっくり書いてみたいと
考えております。やはり私の作品軽いですよね。
自分で書いててそう思う。
題材を探してますが、タイでは見つかりません。
ま、もう少しお婆さんシリーズに付き合ってください。