中編2
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きさらぎ

突然どうしたんだと、まず心で驚く。

 

驚きながら、とりあえず声をかけてみた。

「突然、どうした?」と。

彼女は興奮状態にあり、ふんふんふんふん言っている。

鼻息だけではなく、声としてもふんふんふんふん言っている。

泪まで浮かべてふんふんふんふん言っている。

 

どうやら…

僕が何かしたらしい。

身に覚えはないけど、一人の女の子が涙を浮かべてふんふんふんふん言っているなんて、普通ではないから何かをしたんだろう。

塵も積もればなんとやら、お金は積もれてないが、不満はふんふんふんふんと噴火直前まで積まれて、かなり成長したようだ。

 

恐ろしい。

いつ噴火するのだろうか。

人は皆、活火山なのだろう。

噴火したら流れた泪がカルデラを作り、平静さを取り戻すようだから、噴火するなら早めが嬉しい。

何れにせよ目にするのであれば、荒れ狂う景色より美しい景色がいい。

 

「あのね。もう我慢できないよっ。」

 

え。

なんだろう、ナニが我慢できないんだろう。

 

「なんでカーテンあけっぱなしなの?」

 

え。

朝がきたら、カーテンは開けるものだと思います。

 

「は!?すっぽんぽんでしょいま!ばがー!」

 

そう叫ばれてやっと飲み込めた。

僕がなぜ、カーテンをあけてすっぽんぽんだと彼女はイライラするのか。

 

隣は女子大なんですよね。

 

えぇ。

 

そりゃ、捕まる!とわめくわけです。

だから言ってやったんです、僕。

 

「見えないくらいちっちゃいんだからそっとしてくんない……この距離なら言えるよ。安心してください、見えませんよ。てね。」

 

 

 

 

ふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふん

 

やばい、噴火のカウントダウンがはじまった。

もう無理だ。

そう悟った僕はトイレに避難した。

すべて水に流してほしかった。

だから本当は僕がトイレに行くんじゃなくて、彼女に行って欲しかった。

 

その想いは口にでていた。

 

ふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふん

 

トイレのドアの前に火山が移動している。

地動説は正しい。

 

だれか助けてくれ部屋に帰れないんだ。

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光道さん、ご返事遅くなりました。
すみません。
いや、きさらぎというはなしで、
帰りたいのに帰れない、
誰か助けてくれ家に帰れない、というニュアンスがあるので、このときの僕の心情はきさらぎだなぁ……と思って書いた次第です。

来道さん
昨日きさらぎ駅と言う題名の怖い話読みました
その近くなのでしょうか?

Toroさん
はじめましてこんにちは。
ありがとうございます。
じわりじわりとくるんです・・・
あぁ、こりゃあだんだんやばいなぁ。って感じなんです・・・
気づいた時にはMAXやばいんです。
明日からも頑張っていきます。

初めまして。
この怖さは一体どこから来るのでしょうか…。
「ふんふんふん」が『ゴジラのテーマ』や『インペリアル・マーチ(ダースベイダーのテーマ)』。はたまた『ジョーズのテーマ』のようにじわりじわりと迫ってくる恐ろしさを醸し出しています(笑)

まりかさん
ありがとうございます。
ふんふんふんも度が過ぎると怖いです。
なんだふんふんふんって!と思ってましたが、
目の前でふんふんふんとずっといわれると、
それなりに「本気でおこってんな」と思わせてくれます・

光道さん
いつも山形の話を楽しみにみています。
トイレ、がんばります・・・
いやー実際は「はやくどいてくれないかなぁ・・・」ってひたすら考えていました・・・

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ネタバレ注意

怖い話かと思いました、昔のトイレと同じですね。
トイレの執筆力があれば、怖い話を書かせたら
それこそ、凄い話が生まれるように感じました。
来道さんがんばってください。
光道