中編5
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ラセン階段

ラセン階段

私は仕事の都合でよくアパートを換わった。

そのたびに妻や子供に迷惑を掛けた。

今回も仕事を辞め新しい会社の近くの

アパートを捜していた。

アパートの条件や住み心地を確かめ

後は妻や子供の意見を聞き住む事にしている。

そのアパートは会社から10分と通勤もほどほどで

意外と早く見つかった。

アパートを確かめるべく私と妻が向かった。

近所は色々同じようなアパートが立ち並び

どこも同じように私には見えた。

しかし妻はここが良いとアパートの前で指差した。

そのアパートは少し回りのアパートより古びていて

そのさびれ具合が他のアパートより重々しく感じ

られる作りであった。

中に入り色々条件を聞き、私たちの条件に合った

ものだった。

5日後

仕事が始まり、私はあさから忙しく出かけて行った。

そして昼過ぎ、妻からTELが来た。

「今日から3日間エレベーターが止まる。だから脇の非常階段から

上がってきて」と言う電話だった。

「非常階段?」私は仕事の事だけを考えていてアパートの作りや非常階段まで

調べてなかった。

仕事を早く切り上げアパートに向かった。

車を駐車場に停めて非常階段を捜した。

駐車場とは反対側のアパートの端に「らせん状」の階段が

アパートの上に向けて垂直に建っていた。

踊り場は各階にあり、階段の脇は転落防止のためか、網が張り巡らされて

絶対に踏み外したり転落の恐れがないように配慮されていた。

私は階段を登り5階の妻たちが居る私の部屋に向かった。

意外と階段はきつく登りずらかった。

各踊り場にも、網が張り巡らされていて転落の危険は避けられると

考えながら登った。

私は登り終わると色々部屋の安全面も確かめた。

ベランダも子供が抜けたり、登ったりできないように

細かい網が張り巡らされていた。

色々な面で気配りを感じた。

しかしラセン階段は異常なほど気配りがなされていて、

普通のアパートではない事がうすうす感じられた。

エレベーターが故障して2日目。

また妻からTELがあり、帰りに買い物を頼まれた。

「どうして自分で買わない」と聞くと「夜はラセン階段は

子供連れだと危ない」と管理人から言われたとの事だった。

私は仕方なく会社の帰りに買い物をして

片手に買い物袋と片手には会社のバックを持ち

ラセン階段を登り始めた。

時刻は残業が終わり帰宅したら8時半を過ぎていた。

3階のあたりまで来ると、風が吹いてきて私の周りを風が

過ぎていった。

荷物は結構重い。我慢して登ってゆくと、ふと4階の踊り場で

足が止まった。意識して止まったのではなく自然と止めた。

何気なく踊り場にカバンを置き、一休みするべくあたりを見回した。

風は今度は下から吹いてきて私も心地よく感じた。

気を取り直して後の階を登ろうとして上を何気なく見上げた。

その時。

5階の踊り場から下に向けて、高校生らしきセーラー服の

少女が下に向けて飛び降りた。あっという間に私の目の前を

白と紺色の布の固まりが通過した。

私は驚き、持っていたカバンや買い物袋を踊り場に

置きフェンスの隙間から下を見た。

誰も居ない。下には今落ちた形跡が無かった。

今落ちたものは何だったのか?

納得いかないので下まで階段を下り確かめました。

誰も落ちてない。

私の錯覚だろうか?

また登りなおして踊り場に残した荷物を持ち

部屋へと向かった。

部屋に着くと今のことを妻に話した。

妻は「疲れているのよ早く寝なさい」と言うと

夕飯の仕度をし始めた。

そして1週間。

残業が続き、帰宅は9時を過ぎていた。

直したエレベーターに乗り5階の部屋に向かおうと

ボタンを押した。

すると5階を通り越し6階の最上階まで登ってしまった。

私は「確かに5階のボタンを押したのに」と思いながら

また5階のボタンを押し、ドアを閉めるボタンを押したが

6階で止まったきり、エレベーターは動かなくなった。

仕方なく「故障か」と思いながら、非常口のラセン階段に向かった。

非常口に着き非常扉を開けると、そこにはこないだ飛び降りたであろう

セーラー服の少女が血だらけの頭と折れて曲がっている腕を

私に向けて見せてきた。

いきなり向かってきたので、怖くなりいきなり非常ドアを活き良いよく

閉めた。

そしてまたエレベーターに戻り

ドアが開くか開かないうちに駆け込み

5階のボタンを何度も押しなおしていた。

エレベーターは何も無かったように動き出し5階に止まると

ドアが開いた。

一目散に自分の部屋に戻り、妻に今のことを話した。

妻は信用して無いようで2つ返事で答えて終わった。

その夜は血だらけになって腕が折れている少女を思い出して

眠る事ができなかった。

翌朝下に下りると管理人に昨日起きた話しをした。

「そんな事はない。あなたの勘違いだ。幻覚だ」と言われ

私は納得いかないまま、会社にむかった。

ギクシャクした時間が過ぎ会社を後にして、アパートに帰宅した。

アパートのエレベーターに乗るのが怖くなった。

また6階で止まったらどうしようと言う考えが頭から抜けなかった。

5階のボタンを押してドアが何時ものようにしまった。

すると今度は6階ではなくて4階と5階の間で停電が起きた。

しばらくすると非常灯が着いた。その瞬間後ろに人の気配が。

乗ったのは私一人だが今は私の後ろにもう一人居る。

私は恐怖で振り返る事ができない。

エレベーターの銀色の扉には、後ろに居る人の影であろう者が

映っていた。

私は硬直して身動きできない。そのうちに耳鳴りが始まった。

3分ぐらいこの状態が続きエレベーターの非常電話が鳴った。

そうすると硬直は解け電話に出ると後ろの気配が消えた。

電話に出ると、「もう少し後1分ほど待って欲しい」と言われた。

待っていると「ガタン」と言う衝撃と一緒に動き出し

5階に止まってドアが開いた。

私は降りると部屋に入り妻に今までのことを告げた。

その日から数えて7日今のアパートを越した。

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私反省してるのです。

に、兄さん!おコメントのお返事がいつになく気品に溢れ、ご丁寧な気がするのは、僕の気の所為でせうか?…ひひ…

ロビンM太郎さん
怖いとコメントありがとうございます。
やはり、何処にでもある空間の狭い何処
に恐怖を見いだすのでは無いでしょうか?
ヒッチコックにも閉所恐怖症の男を扱った
小説があります。やはり大変怖いです。

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はるさん
コメントありがとうございます。
書籍化は未だ未だです。立派な金印の方が先ですね。文章力が無いので、もう少し勉強します。
また、次次載せますのでご期待下さい。

タイでのお話は怖いですね。 以前、お経も効かないと仰っていらしたから…逃げるが勝ちですね。ご無事で何よりです。
光道さんのお話を是非書籍化して残していただきたいです。

mamiさん
毎回怖いありがとうございます。
映画ですか?
そう言ってもらえると、本当に嬉しいです。
元々、映画が好きです、映画を作れないかと思い書き始めました。でも、今は未だ5歳の子供に何か残せないかと思い書いてます。

あんみつ姫様
コメント怖いありがとうございます。
タイのアパートは、意外とこういう話しや
お化けがいます。女の人は激情タイプが多く良く自殺します。やはりお国柄でしょうか
男性が少ないせいでしょうか?

まるで、映画を見ているような緊張感でした。

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珍味さん
コメントありがとう御座います。
タイでも、セーラー服ですよ。
家の娘5歳になりましたが幼年部でも日本と同じような肩につばがついて
胸元はリボンをつけてます。色は白に紺です。
ですので、タイでも通用しますね。
今、新し物書いてますが、題材捜すのに一苦労です。

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