短編2
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虫の知らせ

霊能力はまるでないのに

あの時だけは見えてしまいました…

私が残業が多い職場にいた頃の話です

それはまだ日本も景気が良く

私の職場も残業してもしても

終わらないほどの仕事がありました

中には残業が辛くて

辞める人もいたくらいでしたが

私は給料明細を見ると

辞めたいと思う気持ちは消え

体調を持ちこたえながら

毎月働いていました

ある日のこと

自分の作業部屋に荷物を置き

直ぐに一番奥の食堂へ

朝礼のために向かいました

食堂まで行く途中

作業別に部屋が3か所あります

そこは見学者のために

全ての部屋がガラス張りで

廊下から部屋の中が丸見えでした

その一部屋ではもう作業台につき

作業を始めている私の後輩がいました

声をかけようかと思いましたが

きっと急ぎの仕事を早く出勤して

終わらせようとしているのだろうと思い

私はそのまま食堂へ直行しました

工場長が来ると

まだ後輩が来ていないのに

朝礼が始まってしまいました

(…何やってるんだろ)

いつもなら人数を確認してから始まる朝礼が

直ぐに始まったことに違和感を覚えました

だけど後輩と同じ作業部屋の人間は何も言いません

(後輩が来てるのを知らないの?)

すると工事長が神妙な顔をして言いました

『今朝、◯◯さんが交通事故で

意識不明の重体で病院に運ばれました』

え!?じゃあ、あれは誰?

この会社は制服がありませんが

デニム生地の厚めのエプロンが支給されます

みな私服のトレーナーやシャツに

エプロン姿で作業するのが定番です

さっき後輩だと思っていた後ろ姿と

同じ私服を着ている人もいなく

あの後ろ姿は間違いなく後輩で…

後輩は猛スピードで無理な追い越しをした対向車に

正面衝突されて亡くなりました

この出来事は私の人生の中で

未だに謎な出来事の一つです

この時期とても忙しかったせいか

他にも不思議な事がありました

それはまた

別の機会にでも書きたいと思います

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珍味さんへ
この会社にはもともと何かいたようです。
私は霊感が無いので見たことはなかったのですが…
でもこの時に異変を感じていたのは私だけ。
今でもこの世には不思議な現象があるもんだなと思っています。
コメントありがとうございました

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