皆殺しの家【リレー作品②】

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皆殺しの家【リレー作品②】

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music:4

・・・・・

私は、野呂 夏美。

17歳の女の子。

・・・

今日は、兄の野呂 太郎にそそのかされて、結局、こんな深夜に狩り出される事になった。

・・・

どうしてかって?

それは、私が他の人よりほんの少し・・・霊感があるからだ・・・

こんなモノはなくても良いのに!!

とは思うモノの、兄の太郎は邪の塊の様な男なので霊に憑りつかれやすく、結局、いつも私が強制的に兄に憑りついた霊を祓う羽目になる。

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これから向かう先は、ネットでも評判の、かなりヤバいところみたい!!

・・・

「ねぇねぇ~皆聞いて?

今ね、これから向かう先の別荘を調べてみたらねぇ・・・」

兄の運転する車の後部座席に座る夏美の隣の隣に座る川久保 史華が舌足らずな甘えた声で、暗闇をそこだけ明るく照らすスマホを手に話し出す。

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「これから行く別荘はねぇ・・・ある一家が所有してたんだってぇ。

その年は、子供3人とそのお父さん、お母さん。

そして、その別荘の所有者でもあるお祖父ちゃんとお祖母ちゃんの7人で行ってたんだってぇ・・・。

その別荘地には、代々、別荘の管理人をしている一家がいてねぇ、いついつに来るって連絡が入れば別荘に来た人がすぐに寛げるように掃除をしたりシーツを交換してぇ、ベッドメイキングなんかもやっていたらしいのぅ。

シーズンオフの時も、不審者が入り込んだりしない様にぃ・・・」

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「なになに?どこにそんな詳しく載ってるのー?どのサイト?」

助手席に座る兄の彼女の平坂 洋子が後ろを振り向き史華に聞く。

・・・

「え~とぉ・・・これ!!今、URL送るねぇ!」

すると、狭い車内に軽快な着信メロディーが流れ、洋子はたった今史華に送られたURLを開き、この事件についての“まとめサイト”を読み出した。

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「うんうん・・・それでその管理人は、一家のお母さんに惚れちゃってた訳だー。

そして、自分の募る想いが叶わない事を嘆いて、自分のモノにならないならいっそ・・・って、一家全員を惨殺しちゃったみたいねー。

電柱に登って送電線切って、別荘一帯を停電にしちゃってー

それから電話線も切ったらしいね!

でも、携帯があるじゃんw」

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「それじゃ、まるでストーカー殺人みたいじゃね???」

兄の太郎がハンドルを握りながら答える。

・・・

「うん・・・

でもさ・・・」

・・・

夏美の隣に座る兄の親友の龍田 進が神妙な声で話し出す。

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「別荘のシーズンなんて、1年のうち長くても数か月だろ?

1ヶ月もいないよな?

犯人の男の一家は、代々その地で管理人をしていたとするなら・・・

人里離れたそんな場所に孤立していたとするなら・・・

精神を病んでも、ある意味頷けるよな・・・

人数の違いは有るけど、俺は“津山三十人殺し”が頭に浮かんで来るんだ・・・」

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「なにそれ?“津山三十人殺し”って?」

太郎が進に聞く。

・・・

「“津山三十人殺し”って言うのは、昭和13年に、実際にあった事件だよ。

僅か2時間足らずで30人の村人達を、猟銃と日本刀で殺害して、犯人も自殺したんだ。」

・・・

「ひ・・・マジか・・・頭のイカれた奴だな・・・w」

太郎の言葉に返事もせず、進は話を続ける。

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「両親を結核で亡くしていた犯人は、祖母の家に引き取られて住んでいたんだ。

当時は割と裕福な家庭のお坊ちゃんだった訳だが、戦争が始まり、村の男達はどんどん兵隊として出征して行く。

男達の少なくなった家庭の主婦達や村の娘たちは、自分の欲求を年若い犯人で埋めていたんだ。

犯人の都井 睦雄(とい むつお)も20歳になって徴兵検査を受けるんだが、結核で不合格になったんだよな・・・

結核なんて、当時は不治の病だろ?

それまで睦雄と関係を持って来た主婦達も、やがて睦雄を邪険にする様になるんだ。

そりゃそーだよな?

自分までそんな病気に罹りたくないもんな!

でも、睦雄って言うのが・・・これまた、太郎!

お前みたいな奴だったんだよww」

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「ええッ???俺???」

真剣に進の話を聞いていた太郎は、いきなりフラれてビックリした声で言う。

・・・

「wwwそうだよwww

太郎みたいな、異常性欲の持主だったんだwww」

・・・

「えええッッ!!!!!」

太郎の声を聞きながら、夏美は運転席に座る兄のシートを後ろからドフッと思い切り蹴る。

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「ゲフホッ・・・」

どうやら蹴られた衝撃で、ハンドルに胸を打ち付けた様だ。

車内が笑いに包まれる。

・・・

「ヒーヒーwww・・・そんな、太郎みたいな異常性欲の持主の睦雄が、女なしでいられると思うか?」

進が大笑いしつつそう話し出すと

・・・

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「ブホヘッ・・・」太郎が又変な声を出す。

どうやら今度は助手席の洋子に肘鉄を喰らった様だ。

・・・

「ブワハッハッハwwwww・・・」進は笑いながらも話を続ける。

「夜這いしても、雨戸を開けて睦雄を迎え入れてくれる女はいない。

だが、溜まって来るモノは溜まって来ちまうしww

それで睦雄は、嫌がる女達を【殺すぞ!!】って脅しながら、コトに及んでいたんだ。

独身の女は勿論、旦那のいる女まで、本当に・・・太郎みたいに?w女なら見境なく?w」

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「ゲフブフォッッッ!!」

今度は、後部座席の夏美と助手席の洋子2人に鉄槌を下され

「進!頼む!!俺はそんな男じゃない!!

頼むから俺の名前は出さないでくれ!!!」

太郎は涙声で進に頼み込む。

・・・

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「悪かったwwwww

そのうち、睦雄は自分を拒否する女達に激しい憎しみを抱く様になって・・・。

その中でも、自分と関係を持ちながら他の男と結婚をした2人の女に対して、特に強く・・・。

・・・

その頃から睦雄は、祖母の田畑を担保にして、銃や刃物を集め始め、着々と大量殺戮の準備を始めていたんだ。

・・・

そして、決行当日、村の送電線と電話線を切断。

・・・

初めに、寝ている祖母を殺害すると、深夜1時から3時の間に33人の人を、銃や日本刀や鉈を使って、次々に殺害して行ったんだよ・・・

その中の3人だけは、怪我は負った物の、命は助かった。

・・・

そして、睦雄自身は、殺戮の夜が明けると、村を一望できる山の高台で、猟銃を使い、自らの命を絶った・・・

・・・

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ホラ!!フケだらけのボサボサの頭にパナマ帽被って、羽織袴に下駄履いて・・・ヨレヨレのマントみたいなの羽織ってる探偵の出て来る映画・・・あるだろう?

《祟りじゃ・・・祟りじゃ・・・八つ墓の祟りじゃー・・・》って、頭に蝋燭立てて走ってるやつ!

この津山三十人殺しは、八つ墓村の基になった事件なんだよ。」

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・・・・・

確か・・・父が存命だった頃、一緒にテレビのロードショーで観た様な記憶がある。

母に「小さい子に、こんな映画観せないで!!」

そう父が叱られていた事を夏美は思い出していた。

・・・

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「着いたぜ!!!w」

太郎の声で、皆がハッとする。

・・・

それぞれが手に懐中電灯を握り、静かに車を降りた・・・。

・・・

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車のライトを消した今、明かりは5つの懐中電灯の明かりだけ。

空には月も無ければ星も見えない。

周りには、虫の声も獣の声も聞こえて来ない。

・・・

ただ、静かな闇に圧し掛かられる様な、重い空気が辺りを包む。

・・・

そして問題の別荘の周りには、来る者を拒むかの如くフェンスがグルリと立ちはだかる。

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「どっから入れっかなー?あんだけ話題になる心霊スポットだろ?

どっかに穴が開いてんだよ・・・きっと・・・」

太郎は懐中電灯の明かりでフェンスを隈なく照らしながら、独りごちる。

・・・

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《ここ・・・マジでヤバい・・・》

夏美の全身が総毛立つ・・・

・・・

気をシッカリ持たなければ、兄を守るどころか・・・自分まで魅入られてしまう可能性もある。

夏美は下腹部に力を入れると、大きく深呼吸をした。

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すると

キャンキャン騒いでいる太郎、洋子、史華を呆然と見詰める進と目が合った・・・様だ。

・・・

進は懐中電灯で自らを照らし、【グッッ!!】と親指を立てて夏美を安心させてくれる。

・・・

夏美も同じ様に親指を立てると、意を決して問題の別荘の真正面に立った。

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「おーーーいっ!!

夏美ぃーーー!!

進ぅーーー!!

こっから入れんぜ♪」

太郎はフェンスの下に開いた直径50cmほどの穴を照らした。

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「進くぅ~ん♪史華怖いから、一緒に行ってね?」

史華は、チラリと夏美を見ると進の袖を引っ張る様に連れて行く。

・・・

夏美が穴を懐中電灯で照らし、兄と洋子が入ったのを確認すると、進が先に入れと言うように自分の手にした懐中電灯で合図をしてくれた。

夏美は頷き、地面に近い穴から入ろうと・・・

目の前のフェンスを無意識に照らした・・・

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《ッッッ!!!》

いつの間にか、夏美の目の前に女が立っている。

フェンスの向こう側から助けを求める様に、ガタガタとフェンスを揺らしている。

・・・

進をみると、懐中電灯で照らされた女の姿を見、そして夏美を見た。

・・・

夏美と進以外の人には見えていない様だ・・・。

・・・

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・・・

夏美は、下腹部に力を貯めたまま指で九字を切る。

・・・

そして兄達のいる別荘敷地に入り込んだ・・・。

・・・

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・・・

【続く・・・】

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マミちゃん(*≧艸≦)♡
早速読んで頂いて・・・身に余るお褒めの言葉で、脇の下がムズムズする様でくすぐったい(//艸//)ww

私には才能なんてありませんよぅ(;´・ω・`)ヾ

いつも一つの作品を作り上げるのにも、数日・・・下手したら数十日かかります(;⌒∇⌒)
そして、作中に使う画像を拾って来るのに数日・・・
それを加工するのにも数日・・・
天才と呼ばれる方は、短時間でしかっりした構想、そして作品作り、画像もアッと言う間に加工投稿出来る方を言うのですよぅ(*´∇`)ノ

今回の画像は、以前からストックしていた画像を投稿しましたから、そんなに時間もかかってなぁ~い(⌒艸⌒)

そうそう!
マミちゃんが作中に画像を使うなら、リレー用だけじゃなく、私の投稿してる画像で良いのが有ったら、【※使用不可】になってるのでも何でもお使い下さいね(*´∀`)ノシ

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りこちゅわぁ~ん(*≧з≦)♡
今日も早寝早起きの鏡水花は、朝の4時過ぎから無駄に早起きしております(_ _)ヾ

りこちゃんに褒められるなんて・・・
りこちゃんに褒められるなんて・・・

もう、感無量(T^T)

既に、バトンを引き継いだ第三走者の番長の作品がupされてまぁ~す(*´∇`)ノシ

期待を裏切らない、ゾクゾクする話(||゜艸゜)

次は姫ちゃんにバトンが引き継がれましたぁ(*⌒∇⌒)ゞ

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ピノちゃぁぁぁん(*≧∇≦)ノシ

早速読みに来てくれて、ありがとう(つДT)♡

可愛い弟からのお誘い、ワクワクすぐに飛び付いちゃった(*≧艸≦)ウフフ

どうしても、ロビちゃん・・・じゃなかった!
太郎・・・wwをイジってしまうんだけどねぃ(⌒∇⌒)www

昨日お返事する予定だったメッセ、バタバタで行けなかったから、後でマイぺにお邪魔しまぁ~す(*´∇`)ノ

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ロビちゃん♪
今回はお誘い頂きありがchu~(*≧з≦)♡

先日のよもつさんとマガちゃんの【モンハン】リレーもウズウズしてたんだけど・・・
いかんせん、私はモンハンをやった事がなぁーいッ(||゜□゜)!!!

だから、ロビちゃんのお誘いメッセもらってすぐに飛び付いちゃった(*≧艸≦)♪ww

しかも・・・主人公は《太郎》・・・
妹は《夏美》と、来たら・・・
もう・・・自然と張り切っちゃうよね(⌒∇⌒)ww

そして、やっぱりお笑いも・・・( ≧艸≦)wwwww

画像はストックしといた物を、急遽加工した物ばかりだから、皆さんに使ってもらいたくて(*^^*)

使う画像からも、ほんの少し話に繋がれば・・・と思ったんだ(⌒▽⌒)

もし又、変な奴が出現して来たとしても・・・

そんなん無視して、楽しんじゃおうね♪♪♪

ロビちゃん!
いつも皆を楽しませてくれて、ありがとう(*゜∇゜)_旦

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龍田詩織さま♪
はじめまして!鏡水花と申します(*゜∀゜)ノ
ロビちゃんの仕掛けた新年のお祭り、ご参加くださるのですね(≧∇≦)♪

昨年から、エレベーター祭り、カラス祭り、ほんの少し(?)土左衛門祭り(?)ww
等、投稿者、読者の方で楽しんで来ました(*^艸^)♡

中にはご賛同頂けない方もおりましたが、色々チャレンジする事は悪い事だと思っておりませんので、ご賛同頂けない方には無理にお読み頂けなくて結構です(゜∀゜)!

固い頭を少し柔らかくして、楽しんじゃった者勝ちです(*≧艸≦)

堅苦しい事に捉われず、龍田さまも楽しんでくださいね(*´∀`)ノ

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面白かったです。
車の中の会話が特に。ここからどうなるんだという所で終わりましたね。
次の方はプレッシャーが凄いのではないでしょうか?
ロビン様にお誘いいただいているのですが、喜んで参加させて貰います。
ここで返事しちゃいましたが大丈夫ですよね?

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しっかりと鏡水花さんらしさを出しつつの〜ロビンさんを引き継ぎの〜見事です*\(^o^)/*
続きが気になる展開で…どうなるんでしょうか? いつもズルして最後を先読みしちゃう私には辛い展開です(>_

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鏡姐さん、見事に皆さんの期待に応えた走り…
あんひめ様にも言ったのですが…才能があり余っておられるのでしょうね…
しかも、バトンを受け取って、話を進めながらも、背景を描いて、導き易くされる…さすが、長女サマ。
と、言うか…天才か⁉でした。

【横溝正史】の中でも“八墓村”が一番好きなので、お話しがすぅっと入ってきました。
普段は、背景画なしの文章で読んでおりますが、今回は画の方も楽しませていただきました。

本当にお疲れ様でした。

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ていうか!が、画像が凄すぎる!!∑(゚Д゚)

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裂久夜ちゃんΣ(OωO )!!

もう(/ _ ; )

最近HN見かけなかったから、心配してたんだからぁヽ(´□`。)ノ・゚ 

身体は大丈夫(;ω;)?

無理のない様、たまに皆のコメ欄で名前見せてね(*^^*)♡

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