短編2
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三猿の呪い

三猿を馬鹿にするんじゃなかった。

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一日目、僕は目が見えなくなった。

光のない、暗闇の世界。

一歩先が道なのか、崖なのかもわからない。

僕は周りの人々に

「目が見えないのです。助けてください。道はこちらでいいのですか」

と泣きながら尋ねて回った。

意地悪な人は僕をからかったり騙したりしたが、親切な人は僕に道を教えてくれた。

その声が嬉しかった。

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二日目、僕は口がきけなくなった。

しゃべろうにも声が出ない。

喉の奥からはかすれた風の音しかしなかった。

目が見えず、口もきけない僕だったけど、文字を書いて道を尋ねた。

『目が見えず、声も出ないのです。道はこちらでいいのですか』

意地悪な人は僕をからかったり騙したりしたが、親切な人は僕に道を教えてくれた。

その声が嬉しかった。

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三日目、僕は耳が聞こえなくなった。

声を聞こうにも静寂しか届かない。

文字を書くことは出来たけれど、その答えを聞くことができなかった。

僕は泣いた。心細くて、孤独で泣いた。

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四日目、僕はまだ泣いていた。

見えなくて、話せなくて、聞こえなくて泣いた。

その時、誰かが僕の手を引いた。

温かくて、柔らかな手の感触だった。

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食べ物のいい匂いがしてきた。

泣きつかれてお腹が空いていたから、お腹が大きく鳴った。口内からはよだれが溢れた。

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誰かが僕に箸を握らせ、食器を持たせた。

手探りで食器の中の何かを口に運ぶ。

炊きたての米の味がした。

僕は夢中になってガツガツ食べた。

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wallpaper:1797

僕は泣いた。

うれしくて、ありがたくて泣いた。

心の中で「ありがとう」とつぶやいた。

ーーサワサワサワ

その時、僕の耳に音が戻った。

「あ、あ……」

僕の口に言葉が戻った。

ーーまぶしい。

僕の目に光が戻った。

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目の前には三猿がいた。

彼らは最初から僕の前にいたのかもしれない。

「ありがとう」

僕は声に出してもう一度礼を言った。

彼らは揃ってキキキ、と笑った。

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