短編2
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もう1人の

music:7

今回は怖い話ではありません

ご了承ください

music:4

年が明けて直ぐに

私の住んでる家から

車で20分〜30分の所

少し奥まった裏道を入り

大きなマンションのような

旅館と書いてある建物を左手に見て

港に着いて車を停める

そこから

海を横目に見ながら

神社の名前の書いてある看板を見る

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その神社が

今回の目的地だった

夜中の12時半に

なぜこんな場所へ

用があったのか

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それは夢を見たから

寒い道を歩いて

そこにいる誰かに会い

私は何かを話した

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だから

ここにきた

その夢が

リアルで

呼ばれたような気がしたから

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車を降りて

結構な距離を歩く

海風が冷たく身体に刺さる

寒い

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暗く、寒い

周りは静寂に包まれている

だからこそ

砂利道を歩く足音が

周りに響く

ザクザク

ジャリジャリ

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しばらく歩くと

後ろから

「おーーい!

どこいくんだぁー?」

と私に語りかける声が聞こえた

こんな時間に?

出来る限り静かに歩いてきた

急いで振り返るも

誰もいない

あれ?

どこにいる?

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しばらく歩く

歩いて行くと

また後ろから

「おーーい!

こっちにこーい」

とさっきより近くで

声が聞こえた

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どこにいる?

誰が?

しかし

やはり誰もいない

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ヒューーー

風が吹いている

ヒューーー

ヒューーー

「おーーい!」

また声が聞こえた

今度は自分の右方向から

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黙々と歩き民家もなくなり

明かりはない

暗い道を

手に持ったライトだけで

歩いていく

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しばらく歩くと

また

「おーーい!」

と声が聞こえた

今度は前方から

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方向が変わっている

だが

それも

夢で見た出来事と同じ

全く同じなのだ

大丈夫

私は

この先にいる

誰かと会わなくてはいけないんだ

しばらく歩くと

小さな古い神社に着いた

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誰もいない

境内に入る

特に思い当たる何かはない

なんとはなく

空を見上げていると

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「おい!」

前方に人がいた

見覚えのある顔

何気なくいつも見る

自分の顔と同じ

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そこから何かを話した

内容が思い出せない

何を話したのか

気がつくと帰り道を

泣きながら歩いていた

心には

なんとも言えない充実感があり

身体も心も軽い

憑き物が落ちたように

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記憶の片隅にあるのは

何かの重荷を渡したこと

「お前の代わりに

俺が背負う!」

そう言われた気がした

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家に帰って

私はこの話を

文字にしようとして

何日か経ったが

やはり

なんの話をしたのか

そして

なぜ泣いていたのか

私にはわからない

だが

あの空間は居心地が良かった

自分と全く同じ顔をした

あの人物はなんだったのだろうか

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