短編2
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すりガラスの奥

これは友達の家にいる時に聞いた話。

その友達が住んでる家はとてもじゃないけど「いい家ですね」なんてお世辞を使えるところじゃない。

上からの音がちょくで漏れたり、すきま風は酷いし、日当たりは良くない。

そんな所に住んでいる友達、仮にAとして、そのAと家の話になった。

「お前んちに泊まっても、俺の家から近いからあんまり意味ねえよな。」

A「確かに。まぁ俺は別に泊まるんだったらいいけどね。でも怖がりならやめといた方がいいと思うよ。」

その言葉の意味がわからず「なんで?」って聞いたんだ。

そしたらAは「今俺の部屋がここだろ?それでちょっと横に行くと、台所の境目ですりガラスがあるだろ?ちょうどお前の左側に。そのすりガラスに時々幽霊みたいなの映るから。」

それで「はぇ?」みたいな反応したら、

A「お前嘘だと思ってるだろ?本当だからな。俺、時々家にひとりになる時があるんだよ。家族皆出払ってて。その時に、台所の所に影が見えたんだ。誰か帰ってきたのかな?って思ってちょっと見てたんだよね、そしたらその影が消えて、また後ろの方からすりガラス越しに台所に向かっていくんだ。」

だから嫌っだったら別にいいけどね。

ていう言葉を付け足して「小便」っていってトイレに行っちゃったんだ。

遠まわしに「泊まりに来んな」って言われたのかと思ったけど、割と真剣に話すAの顔が頭に浮かんで、寒気が立った。

それからその話はしてない。

というか出来なかった。

なぜならそのトイレに行ったAは今も戻ってこないから。

どこいったんだろうね?A。

今だったら「怖い話してトイレに行って迷うなよ。」なんて笑い話に出来るけどね。

そういう話でした。

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