短編2
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記憶の中の彼

怖い話というよりは不思議な話です。

私には小さな頃によく遊んだ、遊び友達がいた。

何度か家にも遊びに行ったし、自分の家にも遊びに来てくれたこともある。

彼の母親から作ったちょっと変わったお菓子を頂いたこともあった。

だけど、自分以外誰も彼のことを覚えていない。

家族にお菓子を頂いたことを話してもそのお菓子のこと自体は覚えてるけど

あのお菓子は親戚に頂いたものだと認識してると曖昧に言う。

もともと親戚は遠くてお菓子なんて菓子折りみたいのしか貰ったことないはずなのに・・・。

私は彼が住んでいた住所を覚えているが、

彼が住んでた家の場所には自分の記憶とは程遠い建物が建っていて

見るからに築十数年の木造建ての家がそこにはあった。

彼の家の内部まではっきり記憶に残ってるしトイレの場所まで知ってる。

彼に家に行く道筋も覚えている。

そこの曲がり角を曲がって林を抜けた三軒屋の左。

そんな記憶だけど、道の記憶にきっと間違いはない。

なのに何故か違う家が建っている。

当時、他にも遊び友達がいたが今は疎遠なので確認しようもないけどいつの間に居なくなってしまったんだろう?

彼の妹が体が弱いみたいであまり外には遊びに出れなかったけど自分によく懐いてくれていて一緒に人形なんかでままごとした記憶がある。

私の妄想?いや、しっかりと記憶がある。

なんて不思議に思いながら

いまの話を今の友達に聞いたら、

「私も小さい頃神社の境内で一人の時しか会えない自称『王子』って子と遊んでた思い出がある!

喧嘩して神社に行かなくなっちゃったけど。」

なんて言ってきた。

さすがに私の記憶の中にだけにいる彼までとはいかないが、似たような体験があったみたいだ。

そんな経験みんなしてるもんなのかな?

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