私の子供になってくれないかな?

中編3
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私の子供になってくれないかな?

私がまだ19歳だった頃。

毒親に育てられた私は寂しさと虚しさでいっぱいだった。

ある時、偶然今の旦那に出会った。

私は、生理不順が酷く病院では妊娠しずらい身体だと言われていた。病院を変えても、本格的に不妊治療をしないといけないと言われた。…でも、まだ私は結婚する訳ではないしどうでも良いと思っていた。

旦那は自由な人で、私が知らない事を沢山教えてくれる人でデートも勉強してる感じでとても楽しかった。

ある日、この人の子供を産めたらどんなに幸せだろうと考え始めた。

ドライブデートで遠出をする事が多く、通る道にはお地蔵様にお花を添えてあるのも見かけた。

私の親のような人が子供を放置してたのだろうかと、つい考えてしまっていた。旦那が綺麗な桜が咲く公園の前に車を止め、少し歩こうと言うので公園の中に入って行った。時間は深夜2時過ぎだったと思う。

ピンクの服を着た女の子がブランコで遊んでいた。

「こんな時間に可哀想に…」と思い話しかけようとしたが、旦那が「誰もいないじゃないか」と言う。でも、私には見えるし泣いてる女の子を見ると、まるで昔の自分を見ているようで旦那の注意も聞かずに女の子に近づき話しかけた。

「どうしたのかな?誰かと喧嘩しちゃったかな?」

女の子は涙を流しながら私の顔色を伺うように、

「お母さんが私の首をギュッて締めるから怖いから逃げてきたの。お願いだから、お母さんにココにいるって言わないで」

私は旦那の目も気にせず、女の子に自分の親の事を話した。

子供が出来にくい事や、こんなに可愛い女の子が産める貴女のお母さんが羨ましく、妬ましい事も、次に生まれ変るなら勇ましい男に生まれたいとか。

女の子は「私と一緒だね」って涙をためて私に笑いかけた。

どうやら、女の子は私と一緒でお兄ちゃんは大事にされるけど自分は大事にされず、男だったら…と思う事が多かったようだ。

私は、女の子にどの位ココにいるのか聞いてみた。

女の子は解らないと言う。

私は女の子に貴女は死んでいるんだと言えなかったので、

「私は子供が欲しい、男の子でも女の子でもどっちでもいい。とにかく欲しい。良かったら私の子供になってくれないかな?」

女の子は私の顔をジーっと見て、

「本当にいいの?私の事嫌いにならない?そばに居てくれる?」

昔の自分と重なってしまい、ブランコを持つ女の子の上から握って(手には触れなかった)、

「貴女が望むならずっと一緒にいる。一緒に暖かいご飯食べよう。料理得意じゃないけど頑張って練習するから。誕生日には美味しいケーキを食べよう!」

女の子は、

「さつま芋が大好きなの!いっぱいさつま芋のオヤツ作ってくれる?」

「もちろんだよ!焼き芋だってスイートポテトだってなんだって」

女の子は嬉しそうに私のお腹を見て「私ね、カッコイイ男の子になって守ってあげるから」と、言い残し消えていった。

旦那は、女の子が最後に言い残した言葉だけ聞こえたらしい。

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次の年、桜が咲き始めた頃、とても愛らしい男の子が産まれました。

とても甘えん坊で、女の子と間違えられては「僕は男の子なのに!!」と怒り、家の中では「僕ってママに似てるから間違っちゃってもしょうがないよね嬉しぃ~」と、ニヤニヤしながら一緒に作ったスイートポテトを食べる息子を見て思い出した事でした。

もちろん、息子の大好物はさつま芋を使った料理やお菓子です。

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