短編2
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あれは一体。

他の人に比べたら全然怖くは無いかもしれませんが、お話させていただきます。これは僕が小学5年の時の運動会で体験したお話です。

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当時の僕は足が速いと良く周りから言われていたので、リレーの選手に選ばれました。リレーの選手には2回ほど選ばれた事があったので、あまり緊張はしていませんでした。

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やがて僕の番が回ってきたので、位置について、スタートしました。走り出しは完璧で、他のクラスの子達をどんどん抜いてあっという間にゴール目の前まで来ました。

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その時ふと、視界の左にチラチラと何かが見えたので、少しだけ首をそちらに向けて見ました。すると赤い鉢巻を巻いた選手がハッキリと見えました。

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僕は「この人を抜かないと2位になってしまう!」と焦っていましたが、追い抜くまもなくゴール。僕は「2位かぁ…1位になりたかったなぁ…」と考えていました。そして赤い鉢巻を巻いた選手に「速いねー!」と言おうとしましたが、そこには誰もいません。もう順位を知らされて行ってしまったのだろうか?

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そう思いましたが、違いました。何故なら、審査員が僕の手を引いて"1位の"旗のところへ引っ張って行ったからです。

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1位の旗の所に座り込んで、次の6人の選手達が走り出しても僕はずっと考えていました。おかしい。僕が1位ならさっきの子は?僕より少しだけ先を走っていたあの赤い鉢巻を巻いたあの子は誰だったんだろう…気のせいにしては嫌にハッキリ見え過ぎていました。

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後から友達やその日来ていた親に聞いても「前には誰も前にはいなかった。」と同じ事を言いました。結局高校生になった今も、あの時のあの子は一体誰だったのかは分かっていません。

皆は僕の気のせいだったと言います。でも、もしかしたら本当は…?

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不思議な話だった。
怖くない。でも、そこがいい。