中編4
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休日泥棒

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この話は怖い話というより不思議な話かもしれません

 これは私が大学に入る前の話です 

私は地方から上京し東京の予備校に通っていました

できるだけ家賃が安いところに住もうと思い

 東京都内ではなく電車で50分ぐらいの神奈川県のあるところのアパートに住んでいました 

小さな丘に囲まれた穏やかな住宅街でした

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その日は日曜日でした 前日友達2人が家に遊びに来て勉強もせずただただ遊んで

 いつの間にか寝ていました

起きると11時

 部屋に飲み物食べ物なにもなかったので買い物に行くことになりました

 当時近所にあったスーパーが閉店してしまったので 

買い物には丘を超えた向こう側にあるスーパーまで行っていました 

その事情を話すと「えーだるい」「遠い」と友達2人とも乗り気じゃない感じ

 仕方ないのでグーグルマップで検索したところ いつも通る住宅街の道ではなく 森の中を通って行く抜け道みたいな近道があることがわかりました 

徒歩13分と表示されたのでこれならと友達二人も納得して部屋を出発しました

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その道は道路ではなく バイクでも通らないぐらいの狭くて舗装もされてない陰気臭い道でした

 でも近道なのでなにげない会話をしながら歩いていると 途中で一件だけとなりのトトロに出てきそうな

 古風で古びた廃墟がありました ものすごく好奇心をそそられ 「これ空き家っぽいしちょっとなら入っても大丈夫」

と思い3人で入りました 期待して入ったけど中身はいたって普通

 特にこれといったものもないしちょっと期待はずれでした

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でも1階の奥にある部屋だけは違いました 

昼間にもかかわらず暗くて日光はほぼ当たらず 霊感全くないの自分にも気持ち悪いなにかを感じました 

その部屋に入る瞬間ちょっとだけ胸が締め付けられるような感覚があったあと

 今まで味わったことのない頭痛があり

「ヤバイ この部屋はマズいかも」

「あー無理」と友達 

しかしそれだけで部屋の中にはなにもなくやっぱり期待はずれでした

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期待はずれの廃墟を後にして 3人ともものすごく喉が乾いたことに気づきました

早くスーパーでなにか買おうと急いでスーパーに向かいました

 その後すぐつきました いつもの道より圧倒的に早くついたと思います 

早速スーパーで買い物開始 目的のものをカゴに入れてほぼ買い物終わりかけた時でした

大きいスーパーだったので奥のほうには家電のコーナーもありそこに立ち寄ってみました

 そこにテレビのコーナーがありそこで「!?」となりました

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テレビで日テレのミヤネ屋がやっていました 

「あれ?今日日曜日じゃなかったっけ?」

ミヤネ屋は平日の番組なのでスペシャルかなにかか?と思ったけど どうやら普段どおりの放送みたいでした

疑問に思って携帯をつけたら「14時38分11月16日(月)」となっていました

 理解不能

「ねえ今日日曜日よね?」

と友達に聞いたら

「うん」

と返事 

「でもほら」

って携帯の画面見せると 友達も

「???」

って顔になりました 

そこで携帯の充電が残り19%しかないことに気づきました

 充電の使用履歴のグラフみたいなやつを見ると

たしかに充電器から外したのは日曜日の11時ごろ 

そこから27時間ぐらいかけて充電が緩やかになくなってました

 ますます意味不明

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絶対そんなわけない

 部屋からスーパーまで徒歩13分

 廃墟によった時間も10分程度

 なにもかも意味不明

廃墟でそんなに長居したっけ・・・? そんなわけない 

帰りはいつもの住宅街の道を急いで帰り 部屋で3人で緊急会議

たしかめてわかったことは3人とも 日曜日の11時以降ラインは全部未読

 アプリのログインボーナスもしてない

 そして何回たしかめても今は月曜日の午後 

怖いというより不思議で仕方なかった 

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こうなったら思い当たるのはあの廃墟

 あれのせいに違いない

でも27時間も自分達はなにをしてたのか?

あの頭痛の瞬間にタイムスリップしたのか?

強烈に喉が乾いたのはそのせい?

でも食事は?

トイレは? 

疑問だらけでした

 その日は解散しました 

なにより貴重な休日がなかったことになったことがなによりムカつきました 

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予備校の友達の間でその話は広まり

 いつのまにか「タイムスリップ廃墟」とか「バックトゥーザフューチャー」とか呼ばれるようになりました

うまく使えばなにかサボれるとか

 未来に行けるとか

 噂は広まり続けました 

そうなるとやっぱり「また行こう」という話になります

 そしてその時の友達2人と予備校の友達2人と自分の5人でまた行くことになりました

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また休日がなくなるのは嫌なので 今度は平日の夕方にして

 あの細道に入りました

そしてその廃墟があるぐらいの場所まで行き 

絶句しました 

そこに廃墟はありませんでした 

ただの草の生い茂った空き地でした

でもそこに昔建物があったであろうことはわかりました

 そして夕日があたりなにか悲しい雰囲気

 その廃墟を知らない二人は「は?マジで?」って言ってましたが

 当時廃墟に入った二人の心境は一緒だったと思います 

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あの好奇心そそる建物は結局なんだったのかわかりません 

私達が27時間もあの空き地でなにをしてたのかもわかりません 

なにか霊的なものによる幻だったんでしょうか? 

それからスーパーに行くときは毎回あの道を通るのですが 

あの廃墟はあれから一回も現れません 

「出てこい休日泥棒」

こうやって名所になって成仏したのかもしれません

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