【祝祭】カンタとショウタ

中編2
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【祝祭】カンタとショウタ

このお話は先月、見事に二度目の月間アワード賞を受賞された、よもつひらさか先生に捧げる

「ユウタとショウタ」のオマージュ作品です。

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心構えも出来ないままの、衝動的な作品です。

よもつ様のファンの方、申し訳ありません。

興味のない方はスルーして下さい。

でも、できれば、読んでください。

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「カンタ、カンタ起きなさい。

最近遅刻ばかりでしょう!」

母親のバカでかい声で、なんとか身を起こすことができた。

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一階のダイニングへ入ろうとすると、後ろから妹のユカが尻を思いきり、はっ叩いてきた。

「カン兄、なに寝ぼけてんの?」

生意気な妹にですら、言い返す気にもなれず、朝食が並んだ食卓へ座った。

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「また、夜中まで携帯いじったりしてたんでしょう?」

味噌汁を差し出しながら、母親が言う。

「いや…昨日は9:00には寝た…はず…」

そう言いながら、母親の顔を見て、違和感を覚えた。

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母ちゃん、こんな顔…だっけ?

目玉焼きの黄身をうまく白身になじませることに夢中のユカに聞いてみた。

「なぁ…母ちゃん、なんか違わね?

髪…かなぁ…?」

「えー、何も違わないよ。いつものお母さんじゃん」

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そうだろうか…

俺の母親は、もっと髪が長く、【ママ】が似合いそうな人じゃなかったか…?

ん…?夢か?

え⁉どっちが…?

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そんなことを思っていると、目の前の母親が不思議そうに聞いてきた。

「何?どうしたの?」

「あぁ、いや…なんかさ、最近疲れてんのか、夢と現実がごちゃ混ぜになってんのよ。

なんか、こっちの俺と、あっちの世界の俺…

それが、めっちゃリアルだからさ。」

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「ゲームとかのやりすぎなんじゃないの?」

母親が呆れたように言う。

「違うって。なんて言えばいいのかなぁ…

あっちの世界でも、目が覚めると、そこでの俺の世界があんのよ。

で、なんか最近、よくこっちの世界の方が抜けるんだわ。

たぶん、俺、あちらの世界の人間になる前触れだわ。」

あれ!?俺、何言ってんの?

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「はぁ?カオスすぎて分かんない」

既に食べ終わろうとしているユカがバカにしたように言った。

ん…⁉なんか、このやりとり…

覚えがあるような…

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「う…ん。そうだよな。

その夢には毎度、ショウタは出てくるし」

「え⁉ショウタ君?

誰だっけ?」

母親が、眉間にシワ寄せ言う…

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え⁉ショウタだよ。

いっつも俺とつるんでたろ?

うちで飯食ってたりしてたじゃん…

…あれ⁉ショウタ…?

あれ⁉ユウタ…?

あ…れ…?

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「ゆかぁ、起きなさい!もう、毎日毎日!」

「起きてるって!

もう!お母さん、またお茶碗一つ多いよ!」

「あれ、本当だ。

何で毎日、同じことやっちゃうんだろうね…」

「もう!呆けてきてんじゃないの?」

「そうかなぁ…」

そう言いながら、未使用の茶碗を今日も片づけた。

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