中編2
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異臭のする部屋

俺の家は格安で買った中古物件なのだが、普段使っていない部屋が一つある。

広さは四畳半ほどの和室で窓はなく、どこか暗い印象を受ける。

前の持ち主が貴重品の保管に使っていたのか、この部屋だけは他の部屋と違い外鍵だった。

それならばと、購入してすぐの頃は物置として使っていたが、どうも部屋から異臭がするようになった。

今まで2、3度使う機会があったが、使い始めると決まって異臭がするようになった。

まるで、俺がこの部屋を使うことを拒むように。

そんなことがあってこの部屋は我が家の開かずの間となったのだ。

しかし、物はどんどん溜まっていく。

なんとかあの部屋を使いたい。

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俺はあの部屋のことを友人Aに相談した。

何か曰くがあるのではと言うと、Aはゲラゲラと笑い飛ばした。

それだけにとどまらす、自分がその部屋に泊まって確かめると言い出したのだ。

俺としては願ったり叶ったりだ。

しかし、お調子者のAはある賭けを持ちかけてきた。

部屋に鍵をかけて、Aがびびって開けてくれと言ったらAが俺に飯を奢る。もしAが耐え抜いたら俺がAに飯を奢るというものだ。

金に余裕は無かったが、背に腹は代えられない。

俺は彼の賭けに乗った。

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「おい!開けてくれ!!頼む!頼むからぁ!!」

俺が部屋に鍵をかけてしばらくすると、Aの涙声が聞こえてきた。

心霊スポットに1人で行って散々荒らして帰ってくるような男の声とはとても思えない。

…待てよ?もしかすると、俺をからかっているのかもしれない。俺が焦って鍵を開けるのを嘲笑うつもりじゃ…

そう考えた俺は、もうしばらく様子を見ることにした。

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「開けろ!開けろよ!」

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「あげろおぉぉぉあげでぐれぇぇぇ」

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「あぁぁ…あぁぁぁ…」

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声は徐々に何を言っているのかわからなくなり、そのうち声自体聞こえなくなった。

さすがにおかしいと思った俺は、鍵を開けて部屋に入ってみた。

すると、あの臭いが充満していることがすぐにわかった。

「おいA!」

Aは部屋の中心に倒れていた。

「何があったんだ?!」

俺が問いかけても、涙と鼻水と唾液で顔をぐちゃぐちゃにするだけで何も答えない。

よほど怖い目にあったのか、顔色が悪いし、げっそりとしている。

これは何かあったに違いない。

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その後、彼が部屋で体験した出来事を話してくれることは無かった。

結局何もわからなかった。

あの部屋は呪われているのかもしれない。

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ここまでの話を別の友人Bに話すと、彼もまたA同様あの部屋に泊まると言い出した。

やめておいた方がいいと思うが…

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