短編2
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実話じゃないよ

「ヴ〜」「ヴ〜」

ケータイのバイブ音がなる。

目を覚まして時計を見ると…

「やばっ…」

遅刻だ。でも急げば間に合わない事もない。とにかく朝食を取ろうとリビングへ向かった。

リビングには誰もいない

母も寝坊か…。

「ヴ〜」「ヴ〜」

母は目覚ましをケータイで設定している。

きっと、ずっとバイブが鳴り続けているのだろう。

起こすのも面倒だ。

放っておいた。

顔を洗おうと思い、リビングの扉をあけた。

ーが、

そこにはまた

リビングがあった。

「えっ?」

後ろを振り返っても

リビング。

ナゼ?

「ヴ〜」「ヴ〜」

ケータイがまだ鳴っている。

ケータイ?

あれは果たして本当にケータイの音なのだろうか?

「ヴ〜」

あれは…

人の声だ。

低い声で唸っている。

後ろの方からかすかに

その声が聞こえてくる。

どうしよう?

逃げなければ。

扉の向こう、もう一つのリビングまでダッシュして、また扉をあけた。

そこにはリビングが

あった。

どうやら永遠に

続いているらしい。

「ヴ〜」「ヴ〜」

さっきより確実にその声は大きくなっていっている。

何度も何度も走って扉を開けた。

「ヴ〜」「ヴ〜」

扉を開ける度に、

何故かリビングが

端から赤く染まっていった。

終いには床に赤い水溜まりが出来た。

ーズテッー

こけてしまった。

「ヴ〜」「ヴ〜」

もうかすかに

聞こえる程度ではない。背後に気配も感じる。

「ヴ〜」「ヴ〜」

ソイツに足はあるのだろいか。

声しか音がしない。

「ヴ〜」「ヴ〜」

ただ、ただ、気配と声が近づいてくる。

もう逃げられない。

覚悟して目をギュッと

つぶった…。

アレ?

気が付くと、いつもの柔らかい布団の中にいた。

夢だったんだ…。

よかった…。

起きなくては…。

ホッとすると同時に目を開ける。

「?」

目を開けたのにまだ真っ暗だ。

光はない。

そしてまたあの声が真後ろから聞こえてきた。

「ヴ〜」「ヴ〜」

怖い話投稿:ホラーテラー 徳名さん  

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