短編2
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幼稚園児

僕が大学生の頃の話です。

僕は一人暮らしをしていて、当時付き合っていた彼女と夜寝ていました。

ベッドはベランダに面するように配置していました。その時は彼女がベランダ側、僕がその隣で寝ていました。

真夏の時期であったため、夜中1時くらいを回ったとき、暑さで目が覚めました。

彼女も目を覚まし、

「暑いね」と言いながら僕はベランダの窓を開けたんです。

すると、程なくして何か変な臭いが部屋に入ってきたんです。

線香の臭いです。

彼女もその臭いに気付き、二人で気味悪がってベランダは閉めました。

その後彼女はすぐに眠りについたのですが、

僕はなぜか眠れませんでした。

特に怖いという気持ちはなく、むしろ何も考えれないといった感じです。

うつろになりながら天井を見ていると、何か視線を感じます。

ゆっくり目をベランダのほうにやるとそこには

幼稚園児が立っていたのです。

しかも女の子。ベランダに立っていたのではなく部屋の中です。

なぜ幼稚園児と分かったのかというと、おかっぱ頭に黄色い帽子、そして、黄色いショルダーバッグを身につけていたからです。

しかし、それを見た僕はなぜか怖くもなく

「なんで、ここに女の子がいるんだろう・・」

と冷静でした。

女の子はじっと僕のほうを見ています。

すると女の子はいきなり表情を変え僕の頭を蹴ろうとするのです。

「なんだよ・・」と思った瞬間女の子の足は僕の頭をすり抜け、同時にキーーーン!と耳鳴り。

意識は戻り、同時に全身に鳥肌が走りました。

あれはなんだったのだろう。

後日、思い出したのですが、僕の部屋は3階(最上階)で、隣に隣接するアパート(7階建て)に住む友達から

「おまえの住んでいる部屋のちょうど上あたりの屋上に子供用の黄色いバッグが落ちている」

と教えられました。

関連があるかは不明です。。。

怖い話投稿:ホラーテラー たんたんさん  

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